自分に合った検査・施設を選べる
人間ドックのメリット
人間ドックの大きなメリットは、受診者の性別や年代、体質等に応じてオプション検査を選んで受けられることだ。しかし、自分にどのようなオプション検査が必要なのかを正確に判断できる人はどれほどいるだろうか。
オプション検査の選定は、予約時に検診施設と相談して決めるのが理想的だ。専門家のアドバイスを受けて、無駄がなく、かつ必要な検査を漏れなく受けることができる。予約時以外でも、検査の事前案内の際や、項目によっては検査当日にも担当者と相談の上でオプション検査を追加できる施設もある。
オプション検査がコースやセットになっていることもある。オプション検査をまとめて追加する手軽な方法だが、「人によっては不要な検査が含まれている場合や、逆に必要な検査が欠けていて別途に検査の追加が必要になることもある」(一般財団法人 明治安田健康開発財団 明治安田新宿健診センターの熊井毅理事)。つまり、自由にオプション検査項目を設定できる人間ドックのメリットを活かしきれない場合もあるのだ。
オプション検査項目だけでなく、検診施設の選び方にも注意したい。検診施設ごとに得意分野があるので、自身の気になる部位や症状を得意とする施設を選ぶのがよい。例えば、前出の明治安田新宿健診センターの所長は乳腺外科の専門医であり、最新鋭の3Dマンモグラフィを導入するなど、女性の健康にフォーカスしているので、乳がんの不安がある人に適している。
「検査を受けたら終わり」ではなく
結果を活かす保健指導が大切
必要な検査を受けたら、そこで安心していてはいけない。当然だが、結果を生活に反映させることが重要だ。
「再検査・要精密検査」ならば医師の指示どおりに検査しなければならない。「経過観察」ならば、数値は基準値の範囲外であるが今すぐ治療する必要はないという状態だ。再検査を受けるのはいつ頃が良いか、生活習慣はどのように改善するのがよいかなどを医師に相談する必要がある。「正常」であれば心配はないが、油断することなくその健康状態の維持に努めたい。
理想を言えば、人間ドックの検査日は仕事を休みにしてほしい。検査後には少々時間がかかっても検診施設で専門医から保健指導を受けるのが良い。いっそ自分の体のことを考える日にするのはどうだろうか。後日に送られてくる検査結果の書類を見るのと、検査の当日に医師から保健指導を受けるのとでは、その受け止め方、つまりその後の生活改善にも差が出てくるからだ。
(ライター 中田アキラ/5時から作家塾(R))
参考
・きょうの健康 人間ドック 賢明活用術「健診とどう違う?」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2015/05/0511.html
・MRSO(マーソ)人間ドックと健康診断の違い
https://www.mrso.jp/dock/%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%A8%E5%81%A5%E5%BA%B7%E8%A8%BA%E6%96%AD%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84.html
・人間ドック予約・比較のここカラダ 人間ドックのコースやオプションの選び方
https://dock.cocokarada.jp/dock/article_0005/