ハリケーン「イルマ」が米フロリダ州に上陸
ハリケーン「イルマ」は10日、米南部フロリダ州に上陸した。最大4.5メートルの高潮警報が発せられるなか、ハリケーンの中心部はフロリダ州西部の都市ネイプルズのすぐ南を通過した。
イルマがフロリダ西岸のマーコ島に到達した際の最大瞬間風速は47メートル。イルマの勢力はその後、5段階で下から2番目の「カテゴリー2」に弱まった。
イルマ襲来で250万戸以上が停電し、州南部の主要都市マイアミの一部が冠水した。フロリダ州では、ハリケーンに関連して3人の死亡が報告されている。
米国立ハリケーンセンター(NHC)が現地時間10日午後8時(日本時間11日午前9時)に発表した情報によると、イルマは西岸にあるフォートマイヤーズに向かって北上した。
イルマが通過したカリブ海諸国では深刻な被害が発生しており、少なくとも28人が死亡した。
フロリダ州では630万人に避難命令が出された。ドナルド・トランプ米大統領は同州への非常事態宣言と緊急の予算措置を許可した。
トランプ大統領はイルマを「大きな怪物」だと呼び、対応に当たった連邦政府の関係省庁を称賛。フロリダ州を近く訪れる考えを表明した。
トランプ氏はさらに、「西に向かったので少し幸運だったかもしれない。破壊はそれほどではなかったかもしれない。だがまだ様子を見なくては。今後5、6時間の間に分かる」と語った。
イルマの位置
イルマがマーコ島に上陸したのは現地時間の10日午後3時35分。勢力は弱まりつつあるが、NHCは少なくとも11日朝までハリケーンであり続けるとみている。
NHCは、「予想される進路では、イルマの中心は11日午前にかけてフロリダ半島の西岸沖、もしくは陸上を進む。11日午後には内陸部に向かい、フロリダ州北部やジョージア州南西部を通過する」と述べた。
NHCはこれに先立ち、ツイッターでネイプルズとマーコ島の住民に退避勧告を出し、イルマの影響による高潮が4.5メートルに及ぶ可能性があると警告した。
ネイプルズ中心の一部地域では洪水が発生しているが、海水ではないもよう。一帯は非常に静かで、街中にはひと気がないが、高潮は今後発生するとみられている。
イルマは現在、州中部にある人口約300万人のタンパベイ周辺に向かっている。この地域では1921年以来、主要なハリケーンの襲来を経験していない。