こんにちは、グルメ修行僧・東山です。
みなさん、“米の最強料理”といえばどの料理を思い浮かべますか?
いろいろあるとは思いますが・・・私個人的にははやはり・・・
“炒飯”
ではないかと・・・!
米にネギ、卵をはじめとしたシンプルな具と、最小限の調味料を加えて、中華特有の最強の火力で煽って煽って煽りまくることにより完成するその料理は・・・
正に・・・“炎と米の芸術作品”であるといえるでしょう!
大喰い系男子の私としては、美味しい炒飯の情報を入手するとすぐにその店には行かずにいられない、そして炒飯を2~3杯は食べないと気が済まないほどの炒飯LOVERでありまして・・・
そしてついに見つけました!炒飯の桃源郷とでもいう店を!
それは、JR中央線荻窪駅から歩いて3分ほどのところにある「中華 徳大」さんです。
この界隈ではレジェンド的な人気を誇るため開店時間の11時ちょい過ぎに来店しました・・・
お客さんがみな、「らんらんトッピングで!」と言う。はて一体・・・?
店の前にある看板を見る限りあまり炒飯推しではない感じ・・・
「あれ?」と不思議に思いつつ店内に入ってみると、開店5分後くらいなのに満席!
そして、ほとんどのお客さんが炒飯を頼んでいました!
そして皆さん口々に「らんらんトッピングで!」と言っているのです・・・
「らんらんトッピング」とは一体・・・? 期待が高まります・・!ということで一番の人気メニューをオーダー!もちろん「らんらんトッピング」で!
それがコチラです!
ホウレン草炒飯 900円+らんらんトッピング200円
おほーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
モリモリですねぇーーーーーーーーッッ!!
なんと暴力的なビジュアル!
炒飯と同じくらいの容積の肉とフワフワ卵が乗っています!
そう!「らんらんトッピング」とは強火力で炒めたフワッフワのスクランブルエッグのことなのです。
ちなみにどの炒飯にもトッピング可能。券売機にないメニューなので、現金で200円渡して注文しましょう。
炒飯を覆いつくすほどの肉と卵!
上から見てみても炒飯に見えない・・・何か別の新しい料理みたいな感じです。
肉は中華の技法で、片栗粉をまぶした後さっと素揚げして、特製のタレで味付けしたもの。
箸で持っただけで伝わるこのフルフルやわらか食感と、ジューシーさ。
さて、肝心の炒飯はどうでしょう?
たっぷりの刻みホウレン草が米にまんべんなく絡んでいます。
さすがにもう我慢できません。いただきますッ!
・・・うまいいいいいッッッッッッ!
こ、これは美味いですッッッッ!!
口あたりはしっとり系の炒飯なのですが、口に入れるとパラリとほぐれる珍しい食感です!
そして、塩加減が極めて絶妙!
炒飯は一口目からガツンと塩気が感じられる店も多いですが、中華徳大の炒飯は塩気が感じられるものの、ホウレン草の甘味&かすかな苦み、米自体の自然な甘味も感じられ、味の調和が素晴らしいです。
なんとも優しい味の炒飯。
私、フワフワのスクランブルエッグって大好きなんですよね~。
あまりに美しいので、まずはこのまま卵だけでいっちゃいます!・・・ん!これは予想外です!
この卵、見た目よりもずっとしっかり味つけがなされています!
旨味が強く、意外と攻撃的な味わい。
さぁ、いよいよ炒飯&肉&卵のトリプルアタックでいただきたいと思います。
ぐ・・・・こ、これは・・・・なんという美味さ!!!!
あれだけ優しかった炒飯の味わいが、一気に超攻撃的な味わいへと変化しました!
甘辛こってりめに味付けされた肉の旨味と、卵の甘味&旨味が合わさった超攻撃的な味わいを、やさしい味わいの炒飯が受け止めて物凄く複雑な味わいの調和を作り出しています!
そして、なぜ炒飯にホウレン草を入れたのか、あまりに珍しい発想のため不思議に思っていたのですが、食べてみてその理由が分かりました。
デフォルトでこってり肉がたっぷり乗っかる炒飯にホウレン草が入ることで、フレッシュ感とほのかな苦みが加わり、肉の脂っ気をうまくさっぱりさせてくれる効果を狙ったのでしょう。北京料理ではよくある手法のようです。
あまりに美味くて一瞬で完食してしまいました。
これはすかさず追加オーダーです。
中華徳大では中華料理屋にしては珍しく券売機を導入しています。
中段のショッキングピンクの列が炒飯のメニューですが、炒飯だけでも12種類あります!
「炒飯 大盛増」は110円とリーズナブルですが、他のお客さんがオーダーしたものを見るとすごい増量っぷりでした。パット見で1.8倍くらい増しな感じ。かなりコスパは高いと思います。
肉キムチ炒飯は、ホウレン草炒飯と全然違う味わい
肉キムチ炒飯 1,130円
思い切って一番高い炒飯を頼んでみました。
それにしても、この肉の山はすごい!!
これまた炒飯と同じくらいの高さがあります。
この肉たっぷり感は肉好きとしては嬉しすぎますね~。
先ほどのホウレン草炒飯の肉とは違い、赤身の部分を千切りにした肉で、フワフワやわらかい食感というよりは、肉肉しい食感が感じられるタイプです。
さぁ、まずは炒飯だけでいただきましょう。
・・・おぉぉぉぉぉぉ!これは!!
先ほどのホウレン草炒飯とは全然違った味わい!
肉キムチ炒飯は炒飯だけでもかなり旨味とコクが強くて美味しい!
また、炒めたキムチの旨味がドッシリと芯にあり、かなり分厚い旨味が構成されています。
そこに合わせるはたっぷりの肉!
肉をたっぷり乗せてかきこんじゃいましょう!!
あぁぁぁぁぁぁ・・・これは間違いない!!
グワシグワシとした肉肉しい肉の食感とシャキシャキなキムチ、そしてしっとりパラパラな米が口の中で三者一体となってほどけあい、あぁたまらない。
それにしても旨味の総量が凄い。肉の旨味、キムチの発酵食品由来の旨味、炒飯の旨味、もしかしたら私が今まで食べたチャーハンの中で最も旨味が濃い炒飯かもしれません!
見てくださいよ!
炒飯を割って中を見てみると、この具材の量の半端なさ!
「炒飯の中に具材がある」というよりは「具材に炒飯が絡んでいる」というような逆転現象が起こっています。
さすが中華徳大の最高値炒飯。豪快です!
そして炒飯と共に提供される自家製スープ。
これがただのスープかと思いきや、鶏ガラに加えて魚介の節が効いた、実に美味いスープなのです。ラーメンも徳大さんのウリのひとつ。さすがです!
炒飯の油っ気を洗い流してくれる最高の相棒ですな。
これだけ炒飯が美味いと変化球系も頼まざるを得ない
肉系炒飯をこれだけ食べると、魚介系炒飯も食べたくなるのが人間の心理というものでしょう。
ということで・・・
カニあんかけ炒飯 960円
うわぁぁぁぁぁぁ、なんと美しいことでしょう・・・
これだけ炒飯が美味しい店だと、あんかけ炒飯という変化球もどうしても試してみたくなっちゃうんですよね~。
上から眺めても美しい・・・
あんかけもたっぷりかかっていて実に好感が持てます。
カニの身もたっぷり入っています!
ほぐし身から脚の身までたっぷりでテンションうなぎのぼりです。
・・・あぁ~、うまいいいいいいいいい!!
まず何と言っても“あん”がめちゃくちゃ美味しいです!
先ほども説明したように、ラーメンもウリにしているお店だからこそ、あんのベースとなるスープにもこれだけ力を注げるのでしょう。
やさしい塩味のあんにはカニの旨味がたっぷり詰まっていて、これが炒飯とあわさると旨味爆発!
炒飯自体もあんの水気を吸ってしっとり&モチモチした食感になり、かなり濃厚かつ食べごたえのある味わいになります。
う~む、また炒飯の新たな一面を発見してしまいました。
見たことがないエビ炒飯が出てきた
正直、かなり胃袋は限界に近いのですが、どうしても食べたい炒飯を見つけてしまったのです!
ええいままよ!ここは強行だ!
エビ炒飯 1,030円
私、エビ炒飯って大好きで、今までも幾度となく頼んできました・・・
しかし、こんなエビ炒飯は見たことない!!仰天です!
普通は、小エビを炒飯に混ぜて炒めるものが一般的だと思うのですが、これは特大エビが炒飯の上にドカンと乗っかっています!
上から眺めてみると、どうやらこの特大エビは5尾も乗っています。
エビはもう、とんでもなくプリップリです!
極薄く片栗粉をつけて、さっと揚げて、最後に特製のタレを絡めているようでした。
これだけ見事なエビを出されると、まずはエビだけ味わってみたくなってしまいます。いただきます。
エ、エビの肉汁が洪水のように溢れてくるぅぅぅぅぅぅ!!なんてジューシーなエビなんだコレは!
そして、エビの味付けが極旨!ほんのり生姜を効かせた、旨味の強いタレに絡めてあり、このエビだけで一品料理として成立するレベルで美味い!
そのエビに合わせる炒飯は極めてシンプルなもの。
鮮やかな緑のグリーンピースが嬉しい。
これぞTHE・炒飯ですね。
では、豪快にエビを乗っけていただきまーーす!!
・・・・ああ。これだ。これぞ長年求めていたエビ炒飯ですよ。
エビと一緒に炒飯を咀嚼すると、まずはエビのプリップリな身が弾けて、溢れるエビの肉汁、その肉汁が炒飯にスープのように絡んで、超濃厚エビ炒飯が口の中で完成するのです。
間違いなく、エビ炒飯を頼んでここまでエビを強烈に感じられたことはないです!
ある意味、「初めてエビ炒飯を食べた!」と言っても過言ではないでしょう。
長年食べ歩いてきた炒飯探訪の旅の一つの終着点に到着したかのような達成感
いやー、最高でした・・・
さすがにお腹ははち切れそうですが、長年食べ歩いてきた炒飯探訪の旅の一つの終着点に到着したかのような達成感があります。
今回4つの炒飯を食べましたが、そのどれもが「ベースが同じで具が違うだけの炒飯」とは一線を画しており、全然違う料理として成り立っているくらいにそれぞれの個性が際立っていました。
また、記事には表現しづらい部分なのですが、お店の雰囲気が凄く熱気に溢れていて、それでいてアットホームで素晴らしかったです。
店内にはカウンター席しかなく、店主さんがすぐ目の前で中華鍋を振って自分の炒飯を作ってくれる様子を間近で見られるのは、すごくテンションが上がります!
こうした様々な要素も炒飯の味をより引き立てるスパイスになっていると思います。
炒飯好きの方もそうでもない方も、ぜひ一度足を運んでみてください!
炒飯という料理の奥深さに、間違いなくハマると思います!!
紹介したお店
中華 徳大
TEL:03-3393-2082
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
著者プロフィール
グルメ修行僧 東山広樹
ラーメン屋の開業に向けて修行中の身でしたが、2016年8月10日に東京・蔵前に四川式汁なし担々麺専門店「タンタンタイガー」をオープンさせました。日々、担々麺道を極めんと研鑽しております。
【FBページ】https://www.facebook.com/tantantiger.tokyo/
【ブログ】Cooking Maniac