写真は講演中のやつです,今年もご清聴ありがとうございました.
どうもこんばんは,野球の人です.38歳になりました.*1
9/7(木)から本日(9/10)にかけて四日間で開催されたPyConJP 2017,今年も盛会のまま無事終わりました.
私はConference本体二日間+スプリントDayに参加しました.
普通に感想・所感…を書くのもあんまりおもしろくないので,
「世代交代」「多様性」「混沌」,の3つのワードを軸に一筆残したいと思います.
おしながき
全体を通して
サクッと今年の感想はこんな感じです.
- 登壇者・参加者・スポンサー全てで「世代交代」が進んでフレッシュになった印象を受けた
- (技術系のカンファレンスだが)必ずしもエンジニア・プログラマーのイベントではない!という「多様性」が増してきた
- 故に、「カルチャー」「レベル感」「立ち位置の違い」による「混沌」が増えた気がする
これらを,
- 参加者・スタッフさん
- トークセッション・LT
- コミュニティ
- スポンサー
の軸で書きつつ,最後は自分自身のことについてふりかえって自分のPyConJP 2017を締めたいと思います.
参加者・スタッフさんについて
参加者
PyConJP 2017の感想,というより直近のPythonコミュニティの変化という感想です.
去年の中頃〜今年にかけて, 毎回参加してるPython mini Hack-a-thonや少しだけお手伝いをさせてもらっているPython入門者の集い,そして今年に入ってから主催しているPythonもくもく自習室 @ Rettyオフィス*2,その他のイベントetc…で新しい人が増えたような印象があります.
私がPyConJPに参加しはじめた2013年(日本でPyCon APACをやった年)はほぼほぼエンジニア(Web・組み込み・インフラ中心,まれにデータの人)っていう感じだったのですが,あれから4年経過した今では,
- 研究者・データサイエンティスト
- プロダクト・サービスに付いてるデータアナリスト・分析者(データサイエンティストではなく,プランナーに近い人)
- 他の言語からキャリアチェンジを狙っている方
- 昔からPython触ってるけど突然復帰した方
…などなど,今までのエンジニア文脈と異なる方々が増えて多様性が増した印象を感じています.
そして(昔から触ってからの復帰な方を除き)大体の方が若い.
それを感じたのは初日のこの出来事です(初日のLT,Twitterより引用)
Python触ってる人はエンジニアな人が多くて本職かそうじゃないかに関係なくWebはちょろっと触ってるだろう…という時代は終わったんだなと実感しました.*3
この辺はデータ分析や機械学習といったPyDataの影響が大きいと思っていますが,この流れは個人的に「PyData元年」と思っている2014年からできたのかなと?と思ってます.
この辺の発表とかですね.
www.slideshare.net
www.slideshare.net
この流れからPyData.Tokyoもできましたしね…
PyConJPスタッフ
今年から座長がたかのりさんから吉田さんに変わり,スタッフも一気に世代交代をしてとてもフレッシュな印象を受けました.
特にスピーカーとして登壇した初日が印象的で,なんとなくバタバタしている感を感じたので
ワイ「接続チェックしちゃいますねー」
ワイ「タイムキーパーは誰がやるんですか?時計はどこ??」
ワイ「水もらっちゃいますね」
…などなど,自然に勝手に仕切ってよしなに回す方に脳みそと体が動きました笑
その他スポンサー周りとか全体の仕切りとか多少の混乱・バタバタもありましたが「世代交代で変わりゆくPyCon」という感じで私自身は結構楽しめました.
今となってはいい思い出ですし,この経験がPyConやスタッフの皆さんの経験として生きていけば良いのかなと思っています.
トークセッションとLTについて(自分のトークを除く)
自分のトークについてのふり返りは最後に.
色々聞いたトークの中で印象に残ったものを.
トークセッション
3〜6回くらいしゃべってる常連勢から初顔のルーキーまで,これも「多様性」を感じるラインナップで良かったのかなと思っています.
そんな中で私が印象に残ったトークはこの3つです.
Pythonで大量データ処理!PySparkを用いたデータ分析のきほん
手前味噌で恐縮ですが,Rettyの同僚chie hayashida氏の発表です.
この先のエピソードはやや内輪ネタです,念のため.
社内で「PyCon JP行きたければCfP書こうぜ」活動してたら真っ先にCfP出したのが林田さんで最初からストーリーが良かったのと,
何よりもPythonとSparkを繋ぐいい話(DataframeとかPyDataライブラリとの相性とか)を織り交ぜ,Python使いたちにもフックがかかる話が多くてホント良く出来てるなあと感心しました.
Spark全く知らない私ですが,当日の発表や前日深夜のレビュー(Slackでやりとしてチェックしてた)で聞いたり見せてもらったりして,すごく面白かったです.
Pythonで実現する4コマ漫画の分析・評論 2017
去年は自分の発表と被ってしまい,生で見られなかったS治さんの4コマ漫画分析・評論の発表です.
4コマ漫画分析&評論に対する技術的アプローチと情熱,考えられた発表のストーリーどれも完璧なのですが,やはり私は「情熱駆動開発」に惹かれます
情熱駆動開発
- 自分が欲しいものを誰かが作ってくれることはないと気付く
- やりたいことがプログラムで解決できそうか当たりを付ける
- Pythonなら様々な分野のライブラリが存在する
- やりたいことの情報に色々触れる
- 勉強会に行く
- 界隈の情報を流してくれる人をSNSでフォローする
- 論文を読む
- 勉強する
- 実現する → ✌ (‘ω’ ✌ )三 ✌ (‘ω’) ✌ 三( ✌ ‘ω’) ✌
※元のスライドより引用させていただきました
- 自分が欲しいものを誰かが作ってくれることはないと気付く
- やりたいことがプログラムで解決できそうか当たりを付ける
- 勉強する
- 実現する
といったあたりは自分がやってる野球Hackとの共通点や思うところが多く,分野は異なりますがゆゆ式分析には負けないぞ!とエネルギーをもらっています.
LT
ジョブフェアのLTを除いた,一般枠LTの感想です.
今年も当日先着順でのLTでした.
個々のLTについて触れるのはここではやめますが,レベルがメチャクチャ高い,LTらしいLTも合った一方,正直ベースに言うと「え,そのレベルでLTやるん?」というなんだか微妙…もっと言うと不快な気持ちになった発表*4もあり,今年のPyConJPのコンテンツの中でも一番満足度が低いコンテンツだったと思います.
全員が聞くLTでやる…というより,オープンスペースみたいなアンカンファレンスの場でやってくれるのが一番良かったのでは?と思いました.
LTは事前応募制に戻してレビュー必須にして欲しいなあ…
レベル感
@chezou さんのエントリーを読んで「なるほど?」と考えさせられました.
一方で発表は、今回初日のキーノートがただの会社の紹介に終止したマーケティングで終わったり、海外勢のデータ系がやってみた系が多かったりと結構辛かった一方で、日本人の発表者は非常に濃い良い発表が多く良かったなぁと思いました。
(中略)ただ、自腹で1万円払って来年も行くかというとプログラム編成がデータ系が横に並んで厳しかったり、発表のクオリティの分散が激しかったりと悩ましいなぁというところです。自分はデータ系しかほぼ見てないのですが、2年前に参加したときはjanomeの話とか濃い話がありそう思わなかったのですが、RubyKaigiの方が講演のクオリティの平均が高い(ハズレを引きにくい)のかなと思いました。aodagさんのパッケージングの話とか(資料しか見てないけど)昔からの人の発表は安定感あったのですが…。
ここは新しい人・プレーヤーが入ってきた「世代交代」「多様性」の負の部分であり、今回明らかになった「混沌」かなと思いました.
2015と比べてどうだった,とかRubyKaigiとの比較は参加したこと無いので言及できませんが*5,ハズレを引く確率(発表クオリティの分散)は確かにあるなと思いました.
私は幸いにも聞いた話でハズレは引きませんでしたが,去年のPyConでも「おや?」っていう発表もあったので残念ながら真実なのかなと思いました.
敢えて要因を探すなら,
- 2015の頃と比べてトラック数が増えた
- CfPはもっと増えてる
- CfPはメチャクチャ書けていても発表が「あっ(察し」というのはまあまあある
…などなど幾つかあると思いますが,世代交代・多様性が進んでいるPythonコミュニティはそろそろ「外部に残すもののクオリティ」「Pythonコミュニティ以外に対するアプローチ・視座の高さ」を持つべき季節に来てるのかなと思いました.
これは発表する側だけでなく,トーク選考をする側(一般公募含む)や参加者みんなの課題だと思っています.
私も個人的には野球が期待されてるクオリティ満たしてるかちょっと不安になりました(真顔).
コミュニティについて
PyDataやPyLadies(Tokyoだけでなくて日本全国津々浦々)も設立して3年経ち,主要メンバーの交代や人の入れ替わりが顕著になってきたと思いました.
一方でどちらもコミュニティ活動の成果がイベントやメディア、書籍などでのアウトプットとして残り始めていて円熟期になってるのかなと思いました.
いい面だけでなくて色々大変そうな所もあるかと思いますが,大きな意味でのPythonコミュニティのイチ員としてサポートできたらなあと思っています.
理由:楽しいから
スポンサーについて
所属しているRettyがスポンサーで…という件はTechブログで後日公開できれば…と思っているので割愛.
今年はPython界隈のツワモノ多いSQUEEZEさんやモノタロウさんやビザスクさん*6そして弊社などフレッシュな顔ぶれが揃って面白くなった印象があります.
私とPyConJPについて
やっと野球の発表のふり返り.
結論から言うとメチャクチャ楽しかったです.
今年の発表
去年のPyCon mini Hiroshima 2016, モノタロウTech Talk, 今年のPyCon mini Kumamoto 2017, Tokyu Ruby会議そしてKawasaki.rbで徐々に成果を見せつつ,完成した集大成として発表をさせていただきました.
これらの発表で少しずつプロダクトを作っては中間成果を披露しつつ,kawasaki.rbで一旦仕上げ,PyConの直前に発表予定のネタをブログでチラ見せするという今までとは違うアプローチで望みました.
「広島強すぎ」「AirflowはTurbulenceだった」等,この辺のネタはこれらの壁打ちの成果でできたモノで,最後は正直広島が強すぎて辛かったのを前夜に降ってきたキーワード「隙きあらば野間」に救われました.
スライドの枚数は増えましたがストーリーが明確になったのと,話の筋を暗記していたので問題なくこなせました.
会場での反応およびtogetterで見る感じでも結果は上々だっと思います.
PyConJP 2018どうすんの?
来年ももちろん参加したいと思います.
トークで喋るかどうかは終わった直後であんまり真面目に考えていませんが,
- 何かの間違いでプロ野球・MLBのチームに本気でJOINする*7
- 私より強烈な野球ハッカーが現れてCfPを出してくる
事がない限り,多分トークのCfPは出すんじゃないかなと思っています.
毎年トークの準備は大変だし発表前は決まって腹痛&怖くて口から内臓が出そうになりますがいざ喋るとクッソ楽しいのでこのワクワクを忘れない限り,
「世代交代」「多様性」「混沌」を無視しつつ,我が道を行こうと思います.
というわけでこれからもよろしくです!&Python界隈のイベント・コミュニティでお会いしましょう!
*2:今更だけど何故始めたのか?的な話をどこにも語ってないのでこのブログもしくはRettyのTechブログで書きたいなというお気持ち
*3:質問の仕方が?という鋭いツッコミが真意かと思うけどまあこの風潮はあると思う.
*4:マサカリを投げる・アンサーLTをする人はお祭り気分を大切にしつつ,元ネタに対するリスペクトとレベル的に超える所を大切にしてほしいとおもった(個人の見解です)
*5:言及できないけど,経験則としてKawasaki.rbやTokyuRuby会議に参加してる感じだと練度が高いエンジニアが揃っており,LTや発表のレベルは高いのは間違いないです.Ruby愛やRailsなどにやや固執している感は感じますが.
*6:念のため補足すると前職です
*7:間違いというより最終目標なのでこれは譲れない夢