「ナチュラルローソン」は、なぜ増えないのか

消費者の健康志向にジャストフィットだが…

健康特化型コンビニ「ナチュラルローソン」。しかし店舗展開は首都圏の1都3県に限られている(写真:ローソン)

「サラダの品ぞろえを強化」「豆乳や大豆ミートを使用したメニュー」「低糖質弁当」――。コンビニエンスストアの棚には「健康」を売り物にした商品が数多く並ぶ。もはやコンビニの商品開発に、健康は欠かせないキーワードだ。

大手コンビニの中で、健康そのものをコンセプトにしている業態がある。業界3位のローソンが運営する「ナチュラルローソン」だ。

「出店要請が絶えない」

ナチュラルローソンは2001年に東京・自由が丘で誕生した健康特化型コンビニ。業界の巨人、セブン-イレブン・ジャパンとの差別化を図るべく、「美と健康をサポートする」をテーマに立ち上げた業態だ。

野菜を多く取り入れた弁当や、国産原料を使用したオリジナルデザートなどが、働く女性を中心に支持を集めてきた。現在、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県で展開。ナチュラルローソンの運営を統括する松永英美子支店長は「店舗のない大阪や名古屋などからの出店要請が絶えない」と話す。

だが、ナチュラルローソンの店舗数はなかなか増えない。

これまでもローソンは出店加速を宣言しては、頓挫してきた。2005年5月、新浪剛史・元社長は当時28店だった店舗数を「3年後に300~500店体制」に引き上げると表明。2013年には玉塚元一・前社長が「5年間で3000店体制」という目標を掲げたが、出店のスピードは一向に上がらなかった。結局、2017年7月末時点での店舗数は144店にとどまる。

竹増貞信・現ローソン社長は「とがった商品を出してコアな人に響く業態になってほしい」と、出店ペースにこだわらない姿勢を示す。消費者の健康志向は高まるばかりなのに、ナチュラルローソンの店舗数はなぜ増えないのか。

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  • NO NAME9b56affb4394
    「消費者の健康志向」上昇と商品の需要「規模の拡大」は軌道を一にしない。そこに「大手コンビニの抱えるジレンマの一つ」があるということですね。深い洞察、参考になりました。
    up19
    down2
    2017/9/10 05:13
  • NO NAME1732537aaecf
    商品の付加価値を売りにしていきたいんだろうけど、同じローソン系列の、100円ローソンの方が、消費者にとってはよっぽど便利っていう。
    100ローでも野菜も国産の普通に取り扱ってるし、ナチュラルローソンだからこそ、みたいな商品でプレミア感出されて金額あげられても、そもそもコンビニを使うような層には受け入れにくいんじゃないかな。
    高級志向で買い物したいなら、もっと別のお店がありそうだし。
    up16
    down4
    2017/9/10 07:06
  • NO NAME00206b97ec4c
    広告が鬱陶しいわ
    up9
    down2
    2017/9/10 05:13
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