(小松・淀川長治のまねで)はい皆さんこんばんは。
またまたまたお会いしました。
さあいよいよ今日はね放送第2回目なんですのね。
いよいよ植木等ね病気から立ち直ってまたまたまたまたテレビに映画に音楽に大活躍を始めるんですねえすごいですね怖いですね。
さあそんな毎日忙しい忙しい植木等を助けるために付き人がつきました。
さあ松崎君という博多から出てきた若い若いかわいらしい青年。
ハハハハ…!さあこの松崎君果たしてちゃんと付き人が務まるんでしょうか。
これからね一緒に見ていきましょうね。
さあごゆっくりご覧なさい。
(松崎)母ちゃんがそげな心配せんでよか!ちゃんとやっとったい!まあ給料はセールスマンの時より減ったっちゃけど植木さんが食べさせてくれとうし…。
うん。
直接挨拶!?母ちゃんが?せんでよか!東京まで何時間かかると思っとうと?もう切るけん。
仕事行く時間や。
よかか?来たらあかんったい!じゃあな!電話ありがとうございました。
(みよ子)お母さん?ああ…まあそんなもんです。
そんじゃどうも。
今日も頑張ってね〜!すいません…。
(登美子)松崎君もごはん食べてくかしら?
(植木)今日はいいだろう。
時間もないし。
たまには洗濯とかしに行ってあげた方がいいわよね。
付き人に気ぃ遣う主人がどこにいるんだよ。
だってお弟子さんがつくなんて初めてじゃない。
私も和服とか着た方がいいのかしら。
落語家じゃないんだから。
こういうのは普通でいいんだよ普通で。
・おはようございます!お迎えにあがりました!
(せきばらい)おう!痛っ!
(笑い声)普通にねえ…。
(せきばらい)植木さんおはようございます!おい!親父と呼べと言ったろう。
(谷)イヒヒヒヒ…!イヒヒヒヒ…!ガチョーン。
(古澤)カットOK!谷君いいねえ!さあ次行くよ!本日より現場に復帰されました初等役の植木等さんです!おめでとうございま〜す!ああ…ありがとう。
ピロ〜ン。
さあシュートするよ〜。
もろもろ準備!は〜い!
(古澤)準備だよ〜!さあ行こう。
植木屋もこんなに売れちゃってかわいそうにな。
それどういうねぎらい方な訳?ケガで引退したオリンピック選手が次はサラリーマンで新記録作るか…。
無責任の次はホラ吹きときたもんだ。
(古澤)な〜にモタモタしてんだ!シュートする!どうぞどうぞ…。
シュートする!監督まだフィルムが入ってません!フィルムなんか入ってなくていい!念写だ念写!さすがの東京オリンピックもあの人にはかなわねえわ。
全く…。
(ハナ)面白くないねこれ。
(秋元)だからどこが面白くないんだよ!牛って発想はいいんだけどさこんな作りもんじゃ笑ってくれないって。
だったら本物だったらどうなんだ?本物だったら面白いよ。
(犬塚)だけどモ〜ッて鳴かせなきゃ最後でオチにならないぜ。
(青島)じゃあこういうのどう?谷啓が「おい牛!モ〜ッて鳴いてみろほれ鳴け」って仕掛けるのね。
(安田)それで鳴くかね?
(青島)鳴いてくれたらめっけもん谷啓がハラホロヒレハレって逃げてっちゃえばいいんだから。
(桜井)けど鳴かなかったら?あ〜そしたらけしかけた谷啓の方がモ〜ッて言っちゃえばいいのか。
で牛がわ〜っと逃げる。
あっいいね。
どうだ!
(石橋)だけどそんな芝居のできる牛が…。
(青島)お〜植木屋!あ〜君たちかい。
よう!戻ってきやがったなこの野郎。
いや〜その節はご迷惑をおかけしちゃって…。
おっ!言ってた植木屋の新しい付き人か。
松崎雅臣と申します。
よろしくお願いします。
よし言っとくぞ。
お前は植木屋の付き人かもしれねえがクレージーのリーダーはこの俺ハナ肇だ。
それだけは忘れんなよ。
困った事があったら何でも言え!はい!よしリハーサルいこうかあ!はい!
さあ皆さんよくご覧なさい。
はいこれがねハナ肇とクレージーキャッツなんですのねえ。
アハハハ…!ドラムスリーダーのハナ肇!ボーカルギター植木等!トロンボーン谷啓!ベース犬塚弘!テナーサックス安田伸!ピアノ石橋エータローと桜井センリ!
牛入りま〜す!
(牛の鳴き声)あ〜あ〜…!おいおい…!あ〜…モ〜だってよモ〜。
(鳴き声)・「ふりむかないで」・「お願いだから」・「今ね靴下なおしてるのよ」・「あなたの好きな黒い靴下」・「これから仲良くデイトなの」・「ふたりで語るのロマンスを」・「ふりむかないで」・「お願いだから」・「いつも腕をくみ前向いて」・「きっとねしあわせつかまえましょ」あっ…すいません。
よいしょ!ちょいと!迷惑でしょうが。
きちんと座りなさいきちんと。
う〜ん…あ〜。
ちょっと…きちんと座りなさい。
あなたここじゃダメよ。
(汽笛)ここ座って下さい。
ああこれはどうもすみませんね。
こちらどうぞ。
(奥村)あらどうも。
あんたいくつ?エヘヘヘ…!おっ!ほっ!はっ!はあ!痛ぁ!ガチョーン。
(牛の鳴き声)
(いびき)どうぞ。
ただいま帰りました!
(登美子)あら帰ってきましたわ。
(先坂婦人)植木先生ご無沙汰しております。
これは先坂さんの奥さん入院中はお見舞いをどうも。
もうすっかりよろしいので?おかげさまで。
今日伺ったのは息子の利郎が今度テレビ制作の方に入社が決まりましたもんで。
あ〜そうですか。
おめでとう。
(利郎)ありがとうございます。
同じように若い人たちと新しい事をして下さい。
お弟子さんですか?あっ…付き人の松崎と申します。
ご出身はどちら?博多です。
まあそんな遠い所から!お母様もご心配でしょうねえ。
(利郎)お母さんそろそろ…。
(先坂)あっそうね。
あっ長居致しましてすみません。
あ〜いえいえいえ…。
植木先生失礼致します。
失礼します。
お気を付けて!
はいご覧になりましたか?この植木等のお父さんねえもともとはねお坊さんでありながらこうして貴金属の工芸品なんかもね作ったりする職人さんでもあったんですよ〜。
まあすごいですねすごいですねえ。
びっくりします
はあ〜何だかなあ。
(徹誠)あ?いや付き人の事なんだけどなどうも心を開いてくれないっていうかさ…。
俺が親父と呼べってのに無理があったのかなあ?お前の方がその彼の事を息子と思えてるかどうかだよ。
お前だけが求めるだけじゃそりゃ不公平ってもんだ。
はいお疲れさまでした。
1か月ご苦労さん。
今日は久しぶりに早く終わったから俺も休むよ。
明日からまた早いぞ。
頼むな。
はいありがとうございます!うお〜!
(ノック)はい!あっいたいた!みよ子さん!ここなんです。
ちょうどうちの前で道に迷ってるの見かけてさ。
母ちゃん!?マサ坊!ちょ…何しに来たと?何しにって植木先生とこば挨拶に。
だが…。
あ〜どうもすいません。
ちょっと大事な話が…。
あっ…。
どうも。
電話で来るなて言うとったやろ。
そやけんって自分の息子が世話になっとうとに黙っとう訳にはいかんめえもん。
あんたもいっちょん連絡つかんし電話もどこかけたらよかか分からんし。
まさか死んどっちゃせんかっと…。
せからしか!あん人に母ちゃんと会う時間やらなかと!どんだけの人やと思うとうとね!今日本で一番忙しか人やぞ。
(ドアが開く音)分かった…。
母ちゃん帰る。
これめんたいこ。
こげん干したままほったらかしてみっともなか。
せんでよか。
あん人に迷惑かかるような事はしたらいかんと。
寝る時間もなか人やぞ。
母ちゃん悪かった。
堪忍なマサ坊。
いらっしゃいませ〜。
私植木等の家内の登美子と申しますが。
(巌)あららららら…。
うちの松崎雅臣がこちらのお部屋でやっかいになってるそうでひと言ご挨拶にと。
あっそれはそれは…わざわざ。
何かご迷惑になるような事がございましたら私どもの方に何なりとおっしゃって下さい。
いやいやいやそんな…いや本当とんでもない事で。
あっ!あの…そういえばちょっと。
(巌)どうした?これ…。
どうぞ。
ただいま。
お前自分がどういう事をしたのか分かってるのか。
何でそんなお母さんを追い返すようなまねしたんだ。
せっかくいらしたんじゃねえか!いや…あの…。
お前まさか自分の母親を俺たちに見せるのを恥ずかしいと思ったんじゃねえだろうな?その…植木さん死ぬほど忙しいし寝る暇もないくらい忙しいし俺の事なんかで…。
ばか野郎!俺の時間の事なんて考えなくていいんだよ!挨拶に来た母親を追い返したって聞いて「おう松崎俺の事よく分かってるな。
さすがじゃねえか」とでも言うと思ったのか。
本当にそう思ったんだったら今すぐ出ていけ。
そんな付き人は要らねえ!いいか親の心っていうのはな理屈じゃないんだよ。
言葉にできないものなんだよ。
お前の事が心配で迷惑かけていやしないかって居ても立ってもいられなくってわざわざ博多から上京してくる母親の気持ちを少しでも考えた事があるのか?俺の親父がまだ三重の寺の住職だった頃な戦時中戦争反対って説教して何度も投獄された事があったんだ。
俺は子どもでまだ何も分からなかったけどな。
親父が捕まったってただそれだけで妙に恥ずかしくってよ。
でもおふくろはシャンとしてな貧乏だったけど毎日弁当作って親父の所に持ってけって俺に警察まで届けさせたんだよ。
そんな事をさせるおふくろも憎かった。
アカだなんだって後ろ指さされて心がみすぼらしくって。
でもおふくろは全部分かってたんだ。
親父は何にも間違った事は言ってない。
だったらどうして陰口をたたかれなきゃいけないんだ。
子どもたちが惨めな思いをしなきゃいけないんだ。
そう思ったからこそ正々堂々と弁当作って俺に届けさせたんだよ。
お前も早くに父さん亡くしてお母さんが女手一つでどれだけ苦労したか見てきてるんだろう?・
(徹誠のせきばらい)父さん…。
あれ?何で。
私が夕飯に誘ったの。
…ったく俺はどんな顔して聞いてりゃいいのか入ってくるタイミングも分からんしまあこんな顔で入ってきちゃいましたけども〜。
(笑い声)よし松崎。
どこに電話すればお前のおふくろさんと話ができる?ちょ…早う来い!早う!クレージーの植木等…。
もしもし?松崎雅臣君のお母様でいらっしゃいますか?私植木等といいます。
先日は松崎君が大変失礼な事を致しましたようで。
いや!はあこれは…。
何でも彼がお母様を無理やり帰したそうで私からもおわびをと。
こ…これはまあ。
松崎君は確かに私が責任を持って預かっておりますから。
どうぞご心配なさらないで下さい。
・それはもう…。
まあこういう世界ですから一人前になれるかどうかは本人次第のところもありますが私もあのできる限りの事は致しますから次に上京した折には是非とも直接ご挨拶させて頂きたいと思っております。
・そんな…。
あ…あの…。
ちょっと松崎君に代わりますので。
おい松崎。
母ちゃん…。
・びっくりしたやないね!ごめん…。
あんたあの植木さんが電話かけてきてくれたとよ。
ごめん…。
あげな立派なお人にお世話してもらうとね母ちゃん安心したばい。
ごめん…。
・ほれ電話代もったいないけんもう切りんしゃい。
うん…。
・マサ坊。
体にだけは気ぃ付けないかんよ。
う…うん。
・そいじゃね!飯にするか。
松崎お前も食っていけ。
頂きます。
頂きます。
はい頂きます。
うんいい味だ。
うん。
親父さん…。
親父さん…すいませんでした。
ほら若いんだからもりもり食べなさい。
ねっ?親父さん。
頂きます。
最初に飯いくかな…。
(笑い声)
(登美子)おいしい?はい。
おはようございます!おはようございます!おはよう。
あ〜張り切ってますねえ松崎君
おやっさん楽屋はあちらです!おう!えっ?谷啓何だって?うん。
だから俺クレージーキャッツやめる事にした。
(ハナ)今の植木等に勝てるやつなんて日本にいる訳ないだろう。
ガチョーン。
ハナはこれでいいのかい?あの谷さんの事でちょっとお話が…。
(谷)僕はね次のオリンピック出る事にしたから。
(徹誠)その人間にしかやれない役割が絶対にあるんだ。
これはもう辞めるな…。
2017/09/09(土) 20:15〜20:45
NHK総合1・神戸
土曜ドラマ 植木等とのぼせもん(2)「植木さんの親心」[解][字]
植木等(山本耕史)の付き人となった松崎(志尊淳)は、クレージーキャッツの精力的な仕事ぶりに圧倒される。ある日、松崎の前に母・ハツエ(富田靖子)が突然姿を現し…
詳細情報
番組内容
病気から立ち直った植木等(山本耕史)は、再びテレビや映画に大活躍を始める。付き人となった松崎(志尊淳)は毎日植木の現場へ同行し、彼やハナ肇(山内圭哉)、谷啓(浜野謙太)らクレージーキャッツのエネルギッシュな仕事ぶりに圧倒される。植木は松崎に「自分を親父と呼べ」と言ったものの、松崎がどことなく心を開いてくれていないと感じていた。そんなある日、松崎の前に母・ハツエ(富田靖子)が突然姿を現す…
出演者
【出演】山本耕史,志尊淳,山内圭哉,浜野謙太,武田玲奈,優香,伊東四朗,でんでん,勝村政信,中川翔子,富田靖子,【語り】小松政夫
原作・脚本
【作】向井康介,【原案】小松政夫
音楽
【音楽】林ゆうき
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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日本語(解説)
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