1か月1万円の投資からすべては始まる
月に何十万、あるいは何百万円と投資に回せる人はまれです。平均年収はこの20年停滞しており、もろもろにかかる生活費は微増の傾向にあります。社会保障負担額はこの15年で1人当たり50万円も増えたという計算もあります。
こうした中で、日々の生活費を切り詰めながら投資に回す額を増やすのは簡単ではありません。
今でこそ私は多少余裕が出て、投資に回す額が安定的になってきました。へたくそなりに20年近く相場と向き合ってきた結果がささやかながら出始めているわけです。しかし、自分が20代のころを振り返ると、月々数万円の投資がやっとでした。
30歳になるころに、ようやく大台である1000万円に乗ったのを覚えています。10年前です。今の若い人に言えることは、1000万円に乗るとそこからは割と早いということです。これには理由があります。
- お金を貯める技術が身についている
- お金を増やす技術が身についている
こういうことです。
お金を増やし続けられる環境ばかりでない
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とはいえ、人生は平たんではありません。お金を増やし続けられる環境ばかりではないからです。
例えば私の場合は3年に及ぶ家内の介護があり、その間の支出がかなりありました。家でのヘルパーさんに始まり、末期では入院費が月々20万から30万の出費になります。これは、末期だと寝たきり状態になるため、差額ベッド代やシーツ、パジャマ、食費など健保でまかなえない部分がかさむからです。
6人部屋や4人部屋など複数人で過ごす部屋ならばまだ安いです。しかし、病状が末期になると深夜のケアが必要になったり、様々ありますので通常の部屋には居させてもらえません。また、刻み食などのひと手間のかかる食事になります。
一番つらいのは本人でしょう。そして周囲も心的、経済的に大きな傷を負います。リアルな話ですみませんが、健康だとなかなかこういうイメージが湧かないと思います。それは、私たちの殆どが健康な人としか接しない社会で生きているからです。
介護施設や病院へ行くと、大変な状況の人たちがたくさんおり、家族を含めてそれぞれに受け入れ、苦しみと共存しています。私は病と戦うなんて、そんな気持ちには到底なれませんでした。
そういう状況を見ると、保険や年金制度のありがたみが分かります。
掛け捨ての医療保険さえもいらない、あるいは国民年金、厚生年金が無いという人は最低数百万円は持っていないと、仕事を継続できなくなる可能性があります。社会的な互助システムには所属しておいたほうが良いというのは経験からも言えます。
私が未熟だったのは、私への保険ばかり手厚く、家族は手薄だったことです。「私が倒れたら大変だ」という意識しかなかったのですね。
こんな私ですが、多くは無いもののそれなりに資金を作ることができたのは、株式を中心とした投資で身を守ってきたからです。投資はリスクがつきものといいますが、人生そのものがリスクとの歩みですから備えは必要というスタンスです。
投資というのは金銭的に人生を守ってくれるものだと確信しています。年収が増えない中で、数少ない不労所得の1つになりうるからです。
お金を貯める技術とは
貯める技術は支出を絞る技術です。具体的には、飲食費や固定費に注目して削っていきます。例えばこのようなものがあります。
- 携帯電話
- クルマ
- 自宅
- 保険
- 飲み代(特に外での飲み代)
- 服、バッグなどの服飾
どこにプライオリティを置くかで変わりますが、間違いなく全部を手に入れることは普通のサラリーマンにはできません。また、全部を削るのもしんどい話です。
30歳で1000万円に到達するということは、クルマや服などの消費財への所有欲を抑えられているということでしょう。若いころに培った節制の生活習慣は30代では自然な行動となります。
貯める技術で気を付けなくてはいけないのは、大きな出費に注目してそれを削るということです。それが前述の固定費などです。
水道の蛇口をこまめにしめたり、電気を消すのは意識を育てるのには役立ちます。しかし、その効果はほとんど無いと言ってよいでしょう。金額が小さいからです。大口に注目して削る、これが貯める技術です。
お金を増やす技術
増やす技術は文字通りお金にお金を稼いでもらう技術です。30歳で1000万円に達するということは、お金に関する知識と経験もそれなりに蓄積されてきていることを意味します。
現在私はアラフォーですが、30歳からのこの10年でおよそ7倍になりました。
なかなかお金が貯まらない、早く貯めたいと思う若い人には「焦らず自分を信じて年月を重ねることが大事」ということを自分の経験からも伝えたく思います。
私は突出した投資家ではありません。また、高スキルのサラリーマンや先を見通せる起業家というわけでもありません。いわば、普通の人の普通の投資術を実践したのが私であり、誰でも実現可能なレベルです。
この米国株ブログで「誰でもできる投資術」を標榜するのは、自分自身が凡人だからです。しかし、ちりも積もれば山となる。特別な存在でなくてもある程度まで資産は増やせるということです。
多くのご質問をいただく中で、そのことをみなさんに改めてお伝えしておきたいと思いました。
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お金の増やし方ですね。増やし方と言っても特別なことを書いているわけではなく、低コストの良い商品を買っていきましょうということです。あと、少々の収入の複線化ですね。
私はお小遣いという縛り方はあまり意味が無いと思っています。稼ぐということに関しての何らかのインセンティブを付けること。これが稼ぐモチベーションを高めるためのクリティカルパスではないでしょうか。上限のあるお小遣い制はそれがありません。
時間・お金・気力というリソースは有限です。これらのリソースをどのように振り分けていくのか。それで人生が決まると言っても良いでしょう。二度とない人生をどのように過ごすのか。イメージしておきたいところです。