日本の歴史的な築地市場で火災
世界最大の魚市場で観光名所としても有名な東京の築地市場で3日、火事があった。開場80年以上の築地市場は、連日のマグロの競りで知られる。東京の主なすし店の多くが、築地からマグロを買い付けている。
NHKなどによると、3日午後4時50分ごろ、東京都中央区築地4丁目の築地場外市場から出火した。周辺の狭い路地にはすし店や食品店など様々な小売り店舗が立ち並び、その多くが避難したという。
現場からは煙が立ち上り、数十台の消防車が消火活動に当たった。重傷者の報告は今のところないという。
有名なマグロの競りなど、仲卸業者の取り引きが行われる公設の場内市場では被害はなかった。
出火原因は分かっていない。場外市場の複数の古い木造建築が焼けたもよう。
1923年の関東大震災を経て、築地市場は1935年に開場した。トタン板で作られた小屋がほとんどだった。
現在の築地市場は活気あふれる大規模な場所だが、BBCのルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ東京特派員は「古く、くたびれて、汚れて、ごみごみした」場所だと話す。
それでも取扱高は莫大かつ多様で、年間何万人もの観光客が訪れる。
しかし場内市場は今年末までに、最新設備が整った豊洲市場へ移転する予定。何世代にもわたる家業として築地で商売してきた人たちの中には、新市場への移設に抵抗する動きもある。
東京の小池百合子知事はこれまでに、築地市場の老朽化と耐震性の問題に対応するため、再整備の必要があると表明している。