「格安スマホ」の普及にともない、「SIMフリースマホ」がスマホ選びの選択肢として、存在感を高めてきました。ただ、種類が多すぎて「ほんとにこれでいいのか?」と迷ってしまうことも。
ヨドバシカメラ新宿西口本店のSIMフリースマホ売場で、オススメ機種を聞いてきました。
――価格帯とスペックの目安は?
基本的にSIMフリースマホは、性能と値段が一致しています。「とりあえず使えればいい」という方の場合、1万円台から手に入る、実行メモリが2GBのロースペックモデルを買っていきますね。3GBが「普通のスマホ」で3万円程度、4GBが「ハイエンドモデル」で、5万円以上です。
――人気のメーカーは?
HUAWEIとASUSが二大人気メーカーです。「安くても動けばいいよ」という人は、FREETELなんかも買っていきますね。
――HUAWEIの特徴は?
やはり、LEICAレンズですね。写真が本当に綺麗に撮れます。画素数も2,000万と、ずば抜けていますし。それに、バッテリー持ちや、アフターサービスもしっかりしているので、全体的に買って損はないメーカーですよ。家がカメラ屋というスタッフも大絶賛で、最新モデルのHuawei P10(税込6万6,970円)を買ったんですけど、翌日に液晶を割りました。
――中国メーカーで「高級機」という認知がされているのは意外ですね
高級機メーカーとしての信頼度が上がった理由として、LEICAブランドの威力は大きいと思います。昔、docomoからHUAWEIが機種を出していた時は全然売れませんでしたが、キャリアとの相性が悪かったんだと思います。docomo歴20年みたいなお年寄りは、中国メーカーというだけでアウトですね。
――パンフレットもLEICA推しですね
どうみても、カメラのパンフレットですよね(笑)
編集部補足:写真ではお伝えしづらいが、Huaweiのパンフレットはまるで映画のパンフレットのような紙質だった。内容も、人物写真など作例が中心で、製品自体の訴求がほとんどなく、まるで高級デジタルカメラの販促のようだ。メーカー側に相当な資金力がある上で、広報担当者が遊び心を発揮した印象。下手をすればカメラのそれより気合が入っている。 |
でも、たまに「ライカって何?」という方もいて、説明に困ります。
――「ベンツって何?」みたいな話ですね
ほんとに、「ライカはライカです」としか言いようがないです。あと、LEICAレンズ非搭載の、P10 lite(税込3万0,880円)も人気がありますよ。サファイアブルーが、他にない色なので。ただ、指紋センサーが背面なんですよね。
背面指紋センサーについては、「握らないと起動できない」という人と、「握ればいいじゃん」という人で、好みが分かれます。
――ASUSの特徴は?
バッテリー容量も大きいし、全体的に部品の信頼性が高い、故障のしにくいメーカーですね。「パソコンのメーカーだな」という感じです。あと、「中国メーカーは嫌だけど台湾ならセーフ」という声も多いですね。
――ASUSでこれは、という機種は?
Zenfone Urtra(写真右下・税込5万3,240円)が人気です。
――すごく大きいですね……
6.7インチ、スマホの中では最大です。タブレットに近い使い方になります。それに、SIMカードスロットが2つあるのも、大きな特徴です。
――デュアルSIMの使い道は?
プライベートと仕事用の端末を分けている人で、「2つ持ち歩くのは面倒だから、1台にまとめられるのはうれしい」という声もあります。
――安いものだと?
FREETELは、プランによっては月額990円で端末がついてくる格安SIMプランがあるので、けっこう人気です。ただ、部品の質がよくないので、1年くらいで買い替えるつもり、という人じゃないと、正直オススメできないです。ハイエンドモデルでも、バッテリーはすぐにダメになります。
――ほかに、特徴的なメーカーはありますか?
モトローラは、根強いファンがいます。メーカー指名で見に来られるお客さんがちょくちょく。ただ、実際に買った人は見たことがありません。
――背面の端子は何なんですか?
モジュールを装着できるようになっています。カメラやスピーカー、プロジェクターがあります。「トランスフォーム(変進)」という絶妙にダサい造語もやばいです。
――このカメラモジュール、どう見ても単体のカメラですね
スマホにつける意味がわからないです。メーカーもよくわからないですし、これを買うなら、HUAWEIのP10を買った方がいいですね。一応展示していますけど、在庫があるのかも怪しいです。
記者雑感:やはり販売現場からの評判のいいハイエンド端末は、中国メーカー・台湾メーカー製品という感触。安ければ何でもいいという人はFREETELを買っていくが、長く使う人にはおすすめできないようだ。 |