わたしがはじめて資産運用に興味を持ったのは、今からちょうど10年前の2008年。
新卒で入社した会社に企業型確定拠出年金があり、「若い人は資産運用したほうがいい」と言われたからでした。
当時のわたしは資産運用についてまったく知らなかったので、「確定拠出年金 ベストな運用商品」「理想の運用割合(資産配分)」などとグーグルで検索(笑)
でも、いっこうに答えは見つかりませんでした。
今ならその理由がわかります。それは、すべての人に当てはまるベストな運用商品や理想の資産配分なんて存在しないからです。
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確定拠出年金のベストな運用商品を探して、インターネットのブラックホールでさまよっていた
入社説明会で「若いときは確定拠出年金を運用しましょう」と言われる
2008年4月に新卒で入社すると、すぐに入社説明会がおこなわれました。
入社説明会のセッションのひとつとして、メガバンクの方から確定拠出年金の運用についての講義があり、このように話されていました。
そのときには税制の説明などもあったと思いますが、まったく覚えていません(笑)
確定拠出年金は、とにかく運用しなきゃいけないんだ!
……と強く思ったことだけは、今でも覚えています。(※後述しますが、絶対に運用しなければいけないわけではありません)
「確定拠出年金 ベストな運用商品」「確定拠出年金 理想の運用割合」と検索しても出てこない
家に帰って確定拠出年金のホームページを開いてみると、このようなページに行きつきました。
どうも自分で運用割合を決めて、掛金を割り振るようなのです。
わたしは語学系出身で経済とは無縁の道を歩んできましたので、「運用しろ」と言われてもどうすればいいのか、さっっっぱりわかりませんでした。
そこで「確定拠出年金 ベストな運用商品」「確定拠出年金 理想の運用割合」などと検索してみましたが、色んな資産配分が出てきて、結局どうすればいいのかわからないのです。
▼資産配分の例
〈出典〉楽天証券
すべての人に当てはまるベストな資産配分なんて存在しない
今は、「色んな資産配分が出てきて当然だよ……」と思います。だって、すべての人に当てはまるベストな資産配分なんて存在しないのです。
そもそも、すべての人に当てはまる資産配分ってどういうことでしょうか?
10年前のわたしは、こんなことを考えていました。
かならず値上がりして、利益が出たらいいのに……。
それが無理なら、利益が最大化して、損失が最小化できる資産配分があるといいなあ……。
1. 株式や債券は元本保証がされていないので、かならず値上がりすることはありえない
株式や債券は元本保証がされていない資産です。
元本保証がされていないということは、値上がりするかもしれないし、値下がりするかもしれないということ。
だから、かならず値上がりするということはありえません。
これは、代表的な6資産に1994年から投資したときの値動きのグラフです。
見ていただければわかるように、どの資産も不規則に上がったり・下がったりしています。とくにリーマンショック後の値下がりは大きいですね。
〈出典〉みずほ証券
どうしても損したくないのなら、金利の低さを許容したうえで、定期預金などの元本保証型の商品を選択するしかないのです。
2. 将来の値動きは予測できないから、利益を最大化・損失を最小化する運用割合はない
利益が最大化できて損失が最小化できる運用割合があるということは、
・将来的に利益が出そうな資産が予測できる
・将来的に損しそうな資産が予測できる
……ということになります。つまり、各資産の将来の値動きが読めるということなんです。
しかし実際には、主要8資産の年間収益率の推移を見てもわかるように、各資産はバラバラな値動きをするので将来どうなるかを予測することはできません。
〈出典〉住信アセットマネジメント
それに、もし利益が最大化できて損失が最小化できる運用割合があるなら、みんなが同じように投資するはずです。
しかし、実際にはそんな運用割合はないから、それぞれの投資家が自分で決めているのです。
『臆病な人でもうまくいく投資法 お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話』という本では、11人の一般投資家がどのような経緯で投資をはじめて、どのような資産配分で投資をしているのかについて書かれています。
この本を読んでいただければわかりますが、みなさんの運用割合は見事にバラバラで同じ人は1人としていません。
10年前のわたしは、自分の納得のいく運用割合を、自分で考える必要があったのです。
まず1冊本を読んでから、インターネットで情報収集すればよかった
インターネットで見つかる投資の情報の多くは中級者~上級者向けだったので、超初心者だったわたしが読んでも、深く理解することはできませんでした。
10年前のわたしに一番言いたいのは、「まず1冊、本を読んでおこう!」ということ。
10年前にどんな本が出版されていたかはわかりませんが、わたしが投資についての理解度を深めることができたのは、2015年に『全面改訂 ほったらかし投資術』を読んだことです。
ていねいに書かれている本を一冊読めば投資についての理解が深まるので、インターネットや雑誌での情報収集も進むはず。
もし、わたしと同じように答えが見つからずにインターネットでさまよっている方がいるとしたら、面倒かもしれないけど1冊本を読んでみてほしい。なぜならそれが、結局は最短距離だと思うからです。
確定拠出年金は、若いうちは元本保証のない株式や債券で運用し、定年が近くなったら定期預金などの元本保証型に切り替えていくのが一般的な運用方法です。