■深刻なプライバシー問題を招く可能性も
画像は「Thinkstock」より引用
有色人種が研究対象に含まれておらず、トランスジェンダーやバイセクシャルの人々を考慮に入れていないなど複数の問題点が指摘されているが、それを考慮しても十分有効な研究結果であると考えられる。この技術を悪用すれば、ネット上や政府のデータベースに存在する無数の顔画像から、本人の許可を得ることなく、当人の性指向を特定することができてしまい、極めてセンシティブなプライバシー問題を惹起することになる。たとえば、同性愛に極めて不寛容なロシアなど、LGBTに否定的な政府が飛びつくことは目に見えているだろう。
「この技術は確かに厄介なものです。新しい技術は常にそうですが、不適当な人物の手に渡った場合、あらゆる間違った目的のために使用されるでしょう」(トロント大学準教授ニック・ルール氏)
画像は「Tech Crunch」より引用
コシンスキ氏らによると、将来的には性的嗜好のみならず、政治思想や心理状態、性格を顔の特徴と関連付けることも可能になるという。しかし、何度も繰り返すが、このような技術は映画『マイノリティ・リポート』やアニメ『サイコパス』のように、犯罪傾向にあるというコンピュータの予測だけで、未だ罪を犯していない一般市民を逮捕する理由を作り出してしまうことになりかねない。内面の自由が許されず、私的領域が確保されない社会は、最悪の社会と言って差し支えないだろう。今回の研究が監視社会への第一歩とならないことを祈るばかりだ。
(編集部)
参考:「The Guardian」、「The Economist」、ほか