人間の脳内に光通信チャネルが存在する可能性
生物の脳の内部で光子が生み出されているという研究成果が報告されている。脳内で光子が生み出されているということは、それを使って情報が伝達されている可能性があることを示唆している。 by Emerging Technology from the arXiv2017.09.08
興味深い質問をしよう。脳の中に光通信チャネルは存在しているのだろうか? 過激な提言かもしれないが、探求してみる価値があると考える証拠は少なからずある。
情報を伝達したり、仲間を惹きつけたりするために、光を発生する生物は多い。生物学者は20年前に、ネズミの脳も一定の状況下で光子を生み出すことを発見した。その光は弱く、検知することが難しいものだが、神経科学者は脳内に光子が見つかったことにとにかく驚かされた。
それ以降、証拠は増えてきている。脳内やその他の場所で、いわゆるバイオフォトン(生体光子)が、特定の電子励起された分子の崩壊によって自然に生み出されているようなのだ。哺乳類の脳は、200から1300ナノメートルの間(すなわち近赤外線から紫外線の間)の波長のバイオフォトンを生み出している。
脳内細胞が自然にバイオフォトンを生み出しているとすれば、創造主は情報の伝達にこのプロセスを活用していないのか、という疑問を持つのは自然なことだ。情報を伝達するには、光子をある場所から別の場所へと送る必要があり、光ファイバーのようなある種の導波管が必要になる。では、どんな生体構造が導波管の機能を果たせるだろうか?
今日、カナダのカルガリー大学のパリサ・ツァルケシアン博士と数名の仲間による研究のおかげで、ある種の答えが得られている。ツァルケシアン博士たちは神経細胞の軸索(長い糸状になっている部分)の光学特性を研究し、脳内で数センチメートル以上にわたって光子を伝達することが完全に可能であると結論付けた。
博士たちの研究は、軸索に関する先行実験および研究を再調査したものである。チームはまず、細胞の光学特性を突き止めるために …