富野由悠季監督「もっと色っぽく作れたはず」
1枚拡大
2年に1度、奈良市で開催される『なら国際映画祭』。そのプレイベントが9月2日・3日に「ならまちセンター」(奈良市東寺林町)で開催され、ガンダムシリーズの生みの親・富野由悠季監督が2日に登場、トークをおこなった。
今回のプレイベントで上映されたのは、1988年公開当時と同じ35mmフィルムによる『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。公開後、初めて同作を全編通しで観たという富野監督は、「分かりにくい話で申し訳ありませんでした」と上映後に観客に陳謝、その後は富野監督と観客によるQ&Aコーナーが設けられ、会場に詰めかけたファンが次々と挙手。約30年ぶりに観た同作への感想や質問などを富野監督にぶつけた。
同作の制作にあたり、「ロボット戦闘ものにしない」ことを念頭に置いたという富野監督。心がけたことのひとつとして、アムロ・レイやシャア・アズナブルのパートナーとなる3人のヒロインをしっかり描くことを挙げた。「映画というのは、男女の関係を描く低俗なものであるべき。だからメインキャラの恋愛を描こうとしたが、今見返すと、もっと色っぽく作れたはず」と語り、劇中でチェーン・アギがアムロの膝の上に座るシーンについても、「良い感じに描けたけど、お前らもっとあの後(色っぽいことが)あっただろ!」と会場を沸かした。
「もし新作を作るなら、もっと恋愛をしっかり描きたいし、後進にも恋愛を描いたロボット映画を作って欲しい」と、今後の活動に関しても精力的な富野監督。その言葉に会場からは熱い拍手を送られた。『なら国際映画祭』は2018年9月の開催に向け、今後もさまざまな上映会を奈良県下で実施する予定だという。
(エルマガジン)