思い通りにいかない、それが人生

人生はたいてい思い通りにはいかない。

当たり前の話だけれど、だから人は苦しむ。

 

仏教はこれを一切皆苦と言う。この世はすべて苦しみである。

でもこの「苦」とは、生きることというより、全てを自分の思い通りにしようとすることを指す。

自分の思い通りにならないことを、思い通りにしようとする。

「自分の思い通り」に執着する。

「自分」に執着する。

これを仏教では苦と言い、これを捨てろと言う。

 

でも、わかっちゃいるけどそれが難しいんですよね。

じゃあ全部諦めて生きろと言うのか。何でもいいや、どうなってもいいやと。

ある意味では、仏教はそう言っている。

あるがまま。何が良い悪いというのは自分の思い込み、自分の執着が決めているに過ぎない。晴れの日は晴れを楽しみ、雨の日は雨を楽しみなさいと。

あるがままを受け入れ、あるがままを生き、あるがままを楽しむ。

これはこれで、大切な考え方だと思います。

 

でも、それだけじゃ生きられないときもある。

私たちは世俗社会を生きているのだし、悟っているわけでもない。

私たちにできるのは、思い通りにならないときに、苦しいときに、ああ自分は今これを思い通りにしようとしているのだな、と一歩引いて見ることではないでしょうか。

ああ自分は今これに執着しているのだと自覚するだけで、少し冷静になれる。

そしてそれほど実際こだわらなくても良いことなら、手放そうという気持ちを持ってみる。あるいは、少し別のこだわり方もできるんじゃないかと考えてみる。

 

実際のところ、人生で本当に何が何でもこだわって執着しなければならないことって、そんなには多くないと思います。本当に大事なことは何かを考えて、それ以外のことはまあどっちでもいいやと手放して流していくことも大切なんじゃないかと思うのです。