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石川

カラスの子 手探りで世話 かほくの病院

カラスを保護し、飼育している獣医師の清水景子さん=石川県かほく市横山で

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 石川県中能登町在住の獣医師清水景子さん(49)がカラスの子どもを保護し、野生復帰に向けて飼育している。鳴き声から「アーちゃん」と名付けられたカラスは成鳥と同じ大きさまで成長。清水さんの手から餌をもらうなど親しくなついている。

野生復帰へ 獣医師の清水さん

 清水さんが勤務するたむら動物病院かほくクリニック(同県かほく市横山)にカラスが運び込まれたのは五月。かほく市内の住民が飛ぶことができない姿を見かねてだった。カラスを飼育した経験はなかったため、ドッグフードを与えるなど手探りで世話をしてきた。

 入院スペースや自宅で世話を続け、昼間は病院内のスタッフが勤務する部屋で放し飼いにしてきた。ペットを連れて病院に来る人たちもガラス越しにカラスを見守ってきた。

 二カ月前からは清水さんの自宅の中庭にケージを設け、昼間もそこで過ごしている。今後は天井の網を開け、野生復帰を促す予定。清水さんは「小鳥と違い、室内だけではどれくらい飛ぶことができるか分からないので今まで飼育してきた。そのまま外に飛んでいってもいいし、ケージに餌を置いておくので戻ってきてもいいし」と話す。

 カラスを飼育する中で、体温など鳥類を診察する上で学ぶことも多々あったという。「私のことは多分、親や仲間だと思っているんだと思う」と、くちばしに顔を近づけ楽しそうにスキンシップをとる清水さん。「害鳥とみる人もいるかもしれないけれど、私にとっては猫もカラスも一緒です」 (島崎勝弘)

 

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