太陽フレア ピーク過ぎるも数日間は警戒を
情報通信研究機構によりますと、これらのフレアによって放出された電気を帯びた粒子や衝撃波は、予測された午後3時以降よりも早く、8日午前8時から9時ごろにかけて地球に到達し、日本でも磁場の乱れが観測されました。
情報通信研究機構でデータを分析した結果、磁場の乱れは、8日の午前9時から正午までにピークを迎えたと見られるということで、今後影響は小さくなっていくとしています。
また国土地理院のGPSのデータを解析したところ、通常の誤差に加え数メートルほどの位置情報のずれが確認できたということです。
情報通信研究機構の石井守室長は「今回のフレアによる磁場への影響は、あすくらいまで注意が必要だ。さらに太陽活動が引き続き活発なため、新たなフレアが起きる可能性もあり、今後数日間は警戒が必要だ」と話しています。
太陽フレアによる影響は過去にも起きていて、1989年にはカナダで大規模な停電が起きたほか、2003年には日本の人工衛星が故障したこともあり、ふだんは見られないような低緯度地域でオーロラが観測されることもあるということです。今回の太陽フレアは人体には影響がないということです。
磁気嵐とは
この太陽風は、2日ほどで地球に到達し、地球周辺の磁場に作用します。この結果、磁場が弱められるなど乱れる現象が、磁気嵐です。
磁気嵐は半日から数日続くことがあり、2000年7月には、磁気嵐の影響で地球の大気が加熱されて膨張し、その中を日本の人工衛星が通過して姿勢を崩した結果、太陽電池パネルを太陽に向けらなくなり、翌年バッテリー切れで大気に突入し消滅しました。
また、1989年3月にはカナダのケベック州で、磁気嵐に伴って高度100キロの上空で大きな電流が発生し、地上に誘導されて変電所に流れ込んだ結果、600万世帯という大規模な停電が発生しました。
携帯大手3社は影響なし
GPSの誤差広がる現象確認
現在のGPS=位置情報システムのデータでは、実際の位置と数メートルの誤差が出るため東京・港区にある衛星測位利用センターでは、電子基準点と呼ばれる全国に1200ほどある基準点を使い、誤差を数センチのレベルにまで補正した高い精度の位置情報を土地の測量会社や建設機械メーカーなどに提供しています。センターでは、GPSの誤差がどの程度か、常時確認していますが、通常2メートルほどに収まっている誤差が、8日午前中から大きく変動し、16メートルを超えるまでに広がったということです。
センターによりますと現在のシステムでは、誤差が大きくなると電子基準点から離れた場所ではデータを補正できなくなるほか、スマートフォンやカーナビなどの位置情報は、補正がないまま使われているので大きな誤差が出たケースも考えられるということです。
衛星測位利用推進センターの三神泉専務理事は「ここまで大きな誤差が出たのは経験がない。カーナビでは、走っている道とは違う場所を案内するといったケースが出たかもしれない。こうした時は、ふだんよりも位置情報を信用しすぎないことが必要です」と話していました。
漁船に注意呼びかけ
このうち、宮城県漁業協同組合は8日午前中、県内に33ある支部に対し、すでに漁に出ている船や出漁する予定の漁業者に注意喚起を行うよう文書で通知しました。
漁協によりますと、所属するほとんどの漁船は連絡手段として無線を使っているほか、GPSで海上での位置の把握を行っているということです。
これまでのところ、無線やGPSに異常が起きたという情報は入っていないということです。宮城県漁業協同組合の大山宏樹主任は「何かしらの影響が出た場合には、速やかに対応できるようにしたい」と話していました。
専門家「代替の通信手段確保を」
オーロラ 日本で観測は?
8日午前中に極地研究所が南極の昭和基地で撮影した映像では、満月で明るい空だったもののそれに負けない明るさでオーロラが輝く様子が捉えられていて、ふだんは見られない紫色のオーロラも見られるなど、磁気嵐の影響が強く現れていたということです。
また、過去の磁気嵐の際には、日本でも北海道などでオーロラが観測されたことがありますが、片岡さんは「もう一度磁気嵐が起きれば見られるかもしれないが、現状ではどちらとも言えない」としたうえで、「もし見られるならば、これまでに観測されたことのないオーロラになる可能性もあり、関心のある人には撮影にも挑戦してもらいたい」と話していました。
太陽フレア ピーク過ぎるも数日間は警戒を
「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の爆発現象で放出された電気を帯びた粒子が、8日午前中から地球に到達し、日本でも磁場の乱れが観測されました。国立研究開発法人の情報通信研究機構は、今回のフレアによる磁場の乱れは午前中にピークを過ぎたものの、太陽活動は引き続き活発で、新たなフレアの発生も考えられることから「今後、数日間は警戒が必要だ」としています。
太陽表面の爆発現象「太陽フレア」は、太陽の「黒点」と呼ばれる場所で起きる現象で、今月に入って中規模や大規模なものが複数回発生し、このうち日本時間の6日午後9時前には2006年以降起きていなかった大規模なフレアが起きました。
情報通信研究機構によりますと、これらのフレアによって放出された電気を帯びた粒子や衝撃波は、予測された午後3時以降よりも早く、8日午前8時から9時ごろにかけて地球に到達し、日本でも磁場の乱れが観測されました。
情報通信研究機構でデータを分析した結果、磁場の乱れは、8日の午前9時から正午までにピークを迎えたと見られるということで、今後影響は小さくなっていくとしています。
また国土地理院のGPSのデータを解析したところ、通常の誤差に加え数メートルほどの位置情報のずれが確認できたということです。
情報通信研究機構の石井守室長は「今回のフレアによる磁場への影響は、あすくらいまで注意が必要だ。さらに太陽活動が引き続き活発なため、新たなフレアが起きる可能性もあり、今後数日間は警戒が必要だ」と話しています。
太陽フレアによる影響は過去にも起きていて、1989年にはカナダで大規模な停電が起きたほか、2003年には日本の人工衛星が故障したこともあり、ふだんは見られないような低緯度地域でオーロラが観測されることもあるということです。今回の太陽フレアは人体には影響がないということです。
磁気嵐とは
この太陽風は、2日ほどで地球に到達し、地球周辺の磁場に作用します。この結果、磁場が弱められるなど乱れる現象が、磁気嵐です。
磁気嵐は半日から数日続くことがあり、2000年7月には、磁気嵐の影響で地球の大気が加熱されて膨張し、その中を日本の人工衛星が通過して姿勢を崩した結果、太陽電池パネルを太陽に向けらなくなり、翌年バッテリー切れで大気に突入し消滅しました。
また、1989年3月にはカナダのケベック州で、磁気嵐に伴って高度100キロの上空で大きな電流が発生し、地上に誘導されて変電所に流れ込んだ結果、600万世帯という大規模な停電が発生しました。
携帯大手3社は影響なし
GPSの誤差広がる現象確認
現在のGPS=位置情報システムのデータでは、実際の位置と数メートルの誤差が出るため東京・港区にある衛星測位利用センターでは、電子基準点と呼ばれる全国に1200ほどある基準点を使い、誤差を数センチのレベルにまで補正した高い精度の位置情報を土地の測量会社や建設機械メーカーなどに提供しています。センターでは、GPSの誤差がどの程度か、常時確認していますが、通常2メートルほどに収まっている誤差が、8日午前中から大きく変動し、16メートルを超えるまでに広がったということです。
センターによりますと現在のシステムでは、誤差が大きくなると電子基準点から離れた場所ではデータを補正できなくなるほか、スマートフォンやカーナビなどの位置情報は、補正がないまま使われているので大きな誤差が出たケースも考えられるということです。
衛星測位利用推進センターの三神泉専務理事は「ここまで大きな誤差が出たのは経験がない。カーナビでは、走っている道とは違う場所を案内するといったケースが出たかもしれない。こうした時は、ふだんよりも位置情報を信用しすぎないことが必要です」と話していました。
漁船に注意呼びかけ
このうち、宮城県漁業協同組合は8日午前中、県内に33ある支部に対し、すでに漁に出ている船や出漁する予定の漁業者に注意喚起を行うよう文書で通知しました。
漁協によりますと、所属するほとんどの漁船は連絡手段として無線を使っているほか、GPSで海上での位置の把握を行っているということです。
これまでのところ、無線やGPSに異常が起きたという情報は入っていないということです。宮城県漁業協同組合の大山宏樹主任は「何かしらの影響が出た場合には、速やかに対応できるようにしたい」と話していました。
専門家「代替の通信手段確保を」
オーロラ 日本で観測は?
8日午前中に極地研究所が南極の昭和基地で撮影した映像では、満月で明るい空だったもののそれに負けない明るさでオーロラが輝く様子が捉えられていて、ふだんは見られない紫色のオーロラも見られるなど、磁気嵐の影響が強く現れていたということです。
また、過去の磁気嵐の際には、日本でも北海道などでオーロラが観測されたことがありますが、片岡さんは「もう一度磁気嵐が起きれば見られるかもしれないが、現状ではどちらとも言えない」としたうえで、「もし見られるならば、これまでに観測されたことのないオーロラになる可能性もあり、関心のある人には撮影にも挑戦してもらいたい」と話していました。