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伽羅の色の分類は見た目で判断され、かなり大雑把なものですが
香りの系統は似ています。

この見た目での伽羅の区別は中華圏が発祥です。
日本ではなんとなく見た目だけで判断されますが、本場では見た目、香り、採集状況で5ランクに分類されます。

国内では緑油伽羅というのが有名だと存じますが
自分は緑油が一番とも黄油が一番だとも思いません。
伽羅は伽羅でも香りの系統が異なり全く違うからです。

系統のイメージ

緑油 
これぞ伽羅と言わんばかりの
とにかくさわやか華やか!見た目も宝石のように輝いている物もあります。
なんとも言えない万能的な香りに感じます。
初めての伽羅はぜひ緑油を!
かなり香りのパワーが強いですがそれでも芳香の塊だと実感できるでしょう。
独特の華やかさが特徴 (苦みと甘みor酸み)
青油
緑油の一種ですね、光加減次第では区別できません。

紫油 
重く重厚なんですが香水の濃い版みたいなんだけど鼻は曲がらない。
桜とかあんずをイメージして美少女の小悪魔系をイメージしてください。
目に入れても痛くない=鼻に入れても痛くない
基本的に甘味が特徴です。
香りが交互に来て甘味と辛味が特徴
華やかでなく筋の通った味
通称 蘭の香り


黄油 
辛味の強い伽羅で、割と最近の物に混じっています。
ガッツリ苦みと辛味が来るので脳天がリセットできます。
見た目は脂がのっておらず味気ないですが特徴は香りの持続性です。
黄金色に輝いている物もあります。
基本的に辛味が特徴でキツイと感じるものもあります。
物によっては、緑油伽羅に近い見ためなので、緑油伽羅として
売られている事も多く、刻みで売られている緑油伽羅の大半はこちらになると
自分は経験上考えています。


黒油 (存在は一度確認したのみ)(一般的に黒油という伽羅は紫油の一種だった)
墨のような黒さ、ベタベタの表面 熱烈かつ濃厚な味がもわ~~~っと来ます。
それでいて円熟していてあまりにもすばらしい。
五味が雑味になる寸前の最高の芳香で舞い上がりました。
非常に稀でほとんど見かけません。
自分も現物は一度しか見たことが無いし値段も300万円ほどだった。
今までは紫油伽羅を黒油伽羅と勘違いしていた、なぜなら本物の
黒油伽羅 中華式だと(第一等白奇楠)あの時見たやつのみです。
香りが違います。

追加黒油伽羅タイプ2 
中華圏で緑油伽羅の上位と言われているだけのことはあります。
見た目は薄黒く、香りは緑油伽羅をろ過して更に上品にしたようなイメージ。

白油 (伝説級)
真っ白でカスカスでとにかく軽いが、五味完備の物が多く。
上品の極みな香りで持続性は抜群に優れる、高温でも焦げない。
伽羅の中で最高峰と言われているが、その存在は香木店店主でも
数十年に1回見れるか見れないからしい。(注・白皮緑油のことかもしれません)

赤油 
中国では紅糖熟結といわれる伽羅の仲間で土から採集された伽羅で
砂糖の焦げる香り、黒糖の甘味を生じる伽羅の仲間で
国内では粉伽羅や刻み伽羅に混入されがちです。
見た目が独特で削ると粉になります。
ただこれが伽羅に判定されるかどうかは国内では各香舗にゆだねられます。

その他にも低価格の伽羅は色では分類できない伽羅も豊富に存在します。

自分は伽羅は以下のように分類されると思います。

横は有名な銘木の名称(仮銘含)です。
自分なりに写真を見ておおまかに分類してみました
(正確な判定は現物を見て触らないとわかりません)
「甲乙はありません」  以下の銘木名前を検索すると画像が出てきます。
                推測
緑油ー緑油 「華齢・京の千鳥・東雲・まがきの竹・宿り木・法の心・
  ┃ー青油「老乃友・武蔵野・・・・
黒油ー黒油 「まがきの梅・夏の曙・千とせの聲・時雨」
  ┃ー紫油 「まがき菊・龍華乃曙光・平安・願糸・友千鳥・無一物」
黄油ー黄油   「みやぎの・水無瀬川・風の梅が香・若草・故郷の心・春の浜」
  ┃ー赤油 ????
  ┃ー白皮 
白油ー白油 「蘭奢待?」

自分的には白皮伽羅はあまり流通していないのではないかと思います。
なぜなら皮の部分を剥がしてから販売している場合が多いように感じます。

追加 白皮緑油
何度か目にしましたが、緑油伽羅の最上級品と考えてよいでしょう。
そもそも白皮を目撃するにはそれなりのサイズの原木を目撃する必要があるため
あまり表に出てこない模様です。仮に皆さまが所持していても割や香道用木の状態だと分かりにくいでしょう。
香りは緑油伽羅の香りを上品にして極めたような感じの物でした。
少なくとも一般的には緑油伽羅よりは良い物だとおもいます。



結局のところ光加減でかなり見え方は変わるので
緑油・紫油・黄油で十分かもしれません。

イメージ 1
写真ではわかりにくいですが手持ちの伽羅を色分けしました。
イメージ 2
緑油伽羅 自然光で

最後に伽羅を選ぶ際に伽羅の色を選ぶのは大変参考になりますが、
色だけ判断するのは良い事とは言えません。
香木の香りは木によって異なる物です。


貴方が手にれるべき伽羅別色分け

1 初心者・初めての1g・伽羅とは何ぞ?
A=緑油伽羅(なるべく高いやつ)
2 蘭の香り・杏・苺など感度の高い甘味希望・小悪魔女子希望・比較的低価格でも伽羅を楽しみたい。
A=紫油伽羅(品質の良い物)
3 シャム沈香が好きだけど、伽羅は強すぎる。
A=紫油伽羅
4 白檀の香りが好きだ・初心者・わかりやすくてメリハリが欲しい
A=黄油伽羅
5 鼻に自信あり・ある程度伽羅はいろんな種類が集まったが、一発逆転が欲しい
A=黒油伽羅
6 伽羅の上品さは好きだけど炭で焚きたいし、聞香でも特別さが欲しい
A=白皮緑油
7 伽羅の中の伽羅、これぞ伽羅、伽羅だっていう伽羅が欲しい
A=緑油伽羅(生木生結タイプ)
8 古渡伽羅というか昭和時代の伽羅が欲しい
A=古い伽羅だから良い物とは全く限りませんが、全体の品質は良かったことは事実
紫油伽羅・緑油伽羅の見分けがつかないような昭和期に多い特殊タイプ
9 焼香でガンガン使いたい
A=刻み伽羅各種
10 ディスプレイ用に香りは少し劣っていても良いので伽羅の姿物がほしい
A=紫油伽羅
11 昭和以前の明治とかの伽羅がほしい
A=紫油伽羅(みためが沈香みたいに黒くなっていても、銀葉に載せたら奇跡が起こるタイプ)





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