危ない旅行会社 どう見分ける?

危ない旅行会社 どう見分ける?
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旅行会社の「てるみくらぶ」が、ことし3月、経営破綻しました。破綻の直前までツアーの販売を続け、利用者が前払いした旅行代金はほとんどが返されない見通しで、8万人から9万人に影響が及んでいます。事態を受けて、観光庁は旅行者の保護を強化する対策を発表しました。
新たな対策は十分なものなのでしょうか。そして危ない旅行会社を見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。
確かにてるみくらぶで海外旅行を予約した人たちは、みな大変な思いをしています。新婚旅行でハワイにと、ツアーを申し込んだ茨城県の40代の男性は54万円を振り込みましたが、数日後に会社は破綻。新婚旅行を断念しました。

「すぐにお金を振り込まないとキャンセルになると言われ、そんなはずはないと思いながらも振り込んだんですが…。こんな被害者は私たちで最後にしてほしい」と悔しそうに話しています。

Q 旅行代金がほとんど返されないってひどい話じゃないですか?

確かにてるみくらぶで海外旅行を予約した人たちは、みな大変な思いをしています。新婚旅行でハワイにと、ツアーを申し込んだ茨城県の40代の男性は54万円を振り込みましたが、数日後に会社は破綻。新婚旅行を断念しました。

「すぐにお金を振り込まないとキャンセルになると言われ、そんなはずはないと思いながらも振り込んだんですが…。こんな被害者は私たちで最後にしてほしい」と悔しそうに話しています。
旅行会社が破綻してしまった場合、日本旅行業協会や全国旅行業協会といった業界団体が前払いの代金を弁済する仕組みはあるんです。旅行会社が会社の規模に応じてあらかじめ分担金を支払って、一定のお金をプールしているんです。

てるみくらぶが破綻したときに抱えていた予約は3万6000件。前払いした代金の総額は99億円もあったんです。ところが、てるみくらぶの場合、仕組み上、1億2000万円しか弁済に使えなかったんです。

ーーー1億2000万円! 代金のたった1%ちょっとしか返ってこない計算じゃないですか。

そうなんです。ですから、さすがに今の制度では救済が不十分ではないか、と、見直しが行われることになったんです。

Q 新たな対策があれば別の会社が破綻しても大丈夫?

残念ながら万全とは言えないです。
破綻に備えてプールしておく金額を増やすため、各社の分担金を10%程度、引き上げる方針なので、今より備えは強化されます。

それでも、てるみくらぶ規模の破綻があれば、対応しきれないのが実態です。
ですので、観光庁は、旅行会社の経営状況の監視も強化することにしました。

旅行各社に今は5年に1度、会社の財務状況を報告するよう義務づけていますが、これからは毎年報告させるようにします。業界団体による立ち入り調査も行えるようにします。経営状況をしっかり監視していくことのほうがより重要ではないかと思います。

Q 危ない旅行会社の見分け方ってあるのかな?

旅行業界に詳しい淑徳大学の千葉千枝子教授は、ほかの旅行会社に比べてツアー料金が大幅に安い場合は、まず理由をよく確認するべきだと話しています。

格安ツアーには普通、安さのワケがあります。例えば、飛行機の出発時間が深夜や早朝というような事情です。ですので、特段の理由が見当たらないのに安い場合は、しっかり問い合わせることを勧めています。

また代金の支払い期限前に、全額を現金で支払うよう急がせる場合なども、必ず理由を確認したほうがよいといいます。

格安ツアーは、航空会社やホテルから空席や空室を大量に安く仕入れることで料金を抑えてきました。しかし、中国やアジア各国で海外旅行にでかける人がどんどん増え、これまでのような大量仕入れが難しくなっています。

また若い人を中心に、旅行会社が作ったパック旅行に行くよりも、個人旅行が好まれるようになっています。インターネットを通じて直接、航空券やホテルを予約する人が増えています。てるみくらぶの破綻の背景には、こうした旅行業界をとりまく環境の変化があります。

これから海外旅行を計画している人に、千葉教授は「必ずしも安さイコール怪しいというわけではありませんが、料金があまりに安いなと感じるときは、立ち止まって電話で理由を質問することが大切だ」とアドバイスしています。

危ない旅行会社 どう見分ける?

旅行会社の「てるみくらぶ」が、ことし3月、経営破綻しました。破綻の直前までツアーの販売を続け、利用者が前払いした旅行代金はほとんどが返されない見通しで、8万人から9万人に影響が及んでいます。事態を受けて、観光庁は旅行者の保護を強化する対策を発表しました。
新たな対策は十分なものなのでしょうか。そして危ない旅行会社を見分けるにはどうしたらよいのでしょうか。

Q 旅行代金がほとんど返されないってひどい話じゃないですか?

Q 旅行代金がほとんど返されないってひどい話じゃないですか?
確かにてるみくらぶで海外旅行を予約した人たちは、みな大変な思いをしています。新婚旅行でハワイにと、ツアーを申し込んだ茨城県の40代の男性は54万円を振り込みましたが、数日後に会社は破綻。新婚旅行を断念しました。

「すぐにお金を振り込まないとキャンセルになると言われ、そんなはずはないと思いながらも振り込んだんですが…。こんな被害者は私たちで最後にしてほしい」と悔しそうに話しています。
旅行会社が破綻してしまった場合、日本旅行業協会や全国旅行業協会といった業界団体が前払いの代金を弁済する仕組みはあるんです。旅行会社が会社の規模に応じてあらかじめ分担金を支払って、一定のお金をプールしているんです。

てるみくらぶが破綻したときに抱えていた予約は3万6000件。前払いした代金の総額は99億円もあったんです。ところが、てるみくらぶの場合、仕組み上、1億2000万円しか弁済に使えなかったんです。

ーーー1億2000万円! 代金のたった1%ちょっとしか返ってこない計算じゃないですか。

そうなんです。ですから、さすがに今の制度では救済が不十分ではないか、と、見直しが行われることになったんです。

Q 新たな対策があれば別の会社が破綻しても大丈夫?

残念ながら万全とは言えないです。
破綻に備えてプールしておく金額を増やすため、各社の分担金を10%程度、引き上げる方針なので、今より備えは強化されます。

それでも、てるみくらぶ規模の破綻があれば、対応しきれないのが実態です。
ですので、観光庁は、旅行会社の経営状況の監視も強化することにしました。

旅行各社に今は5年に1度、会社の財務状況を報告するよう義務づけていますが、これからは毎年報告させるようにします。業界団体による立ち入り調査も行えるようにします。経営状況をしっかり監視していくことのほうがより重要ではないかと思います。

Q 危ない旅行会社の見分け方ってあるのかな?

Q 危ない旅行会社の見分け方ってあるのかな?
旅行業界に詳しい淑徳大学の千葉千枝子教授は、ほかの旅行会社に比べてツアー料金が大幅に安い場合は、まず理由をよく確認するべきだと話しています。

格安ツアーには普通、安さのワケがあります。例えば、飛行機の出発時間が深夜や早朝というような事情です。ですので、特段の理由が見当たらないのに安い場合は、しっかり問い合わせることを勧めています。

また代金の支払い期限前に、全額を現金で支払うよう急がせる場合なども、必ず理由を確認したほうがよいといいます。

格安ツアーは、航空会社やホテルから空席や空室を大量に安く仕入れることで料金を抑えてきました。しかし、中国やアジア各国で海外旅行にでかける人がどんどん増え、これまでのような大量仕入れが難しくなっています。

また若い人を中心に、旅行会社が作ったパック旅行に行くよりも、個人旅行が好まれるようになっています。インターネットを通じて直接、航空券やホテルを予約する人が増えています。てるみくらぶの破綻の背景には、こうした旅行業界をとりまく環境の変化があります。

これから海外旅行を計画している人に、千葉教授は「必ずしも安さイコール怪しいというわけではありませんが、料金があまりに安いなと感じるときは、立ち止まって電話で理由を質問することが大切だ」とアドバイスしています。