楽しく生きるための浪費の本
「そうそれ!分かる!」
と、共感してしまった私も、何を隠そう浪費女。
「名古屋と仙台と新潟は近所」
という言葉には、
「彦根に行けば何とかなる」
と、城めぐりに向かう自分の姿が頭をよぎります。
今回、ご紹介する「浪費図鑑」は、正にその名の通り「浪費」の「図鑑」
SNSで話題を呼び、未だになかなか入手の難しい本です。
本書では、様々なジャンルのオタク女子たちが、いかにお金を楽しく使っているのか?について語られています。
多方面のオタクが勢揃いしており、自分の知らなかった世界が広がっています。
肩の凝るような小難しさもなく、あるのは笑いとちょっぴりの哀愁。
この哀愁感が良い!
オタクの哀愁
歴史オタクである私は、恥ずかしい趣味でもないためにオタクである事を公言しています。
そして、趣味があることを羨ましがられることが多々あります。
確かに、趣味があるから毎日が楽しい。
普通に生活をしていたなら行けない場所にも行けるし、色々な刺激もあります。
けれども、人から羨ましく思われる楽しさの裏には、
オタクにしか分からないであろう「哀しさ」があるのです。
本書は常に「浪費=楽しい!」が、全面に押し出されているからこそ、ちょっとした哀しさがとてつもなく心に刺さります。
オタクの哀しさは、
決して手の届かない人に想いを寄せ、無償の愛で見守り、そして、自らの気持ちはひた隠し耐え忍んでいる。
そんな自己犠牲の恋に似ているのかもしれません。
そんな哀しきオタクの世界でも、特に哀しいジャンルが私が属する「歴史」界隈ではないかと勝手に思っています。
というのも、歴史オタクの場合…
推しが100%死んでる!!!
3次元オタさんであれば、推しに会えたり、推しから認知されたり、プレゼントが出来たりするにも関わらず、
歴史オタクの場合は、推しに会いに行く=墓or銅像…。
認知は一生されないけど、天に向かって話しかけ、
推しに渡すプレゼントは、墓に備える日本酒。
と、こんなものです。
自己犠牲にしても、一方通行すぎやしませんか?(笑)
さて、そんな哀しくて虚しいオタ活(=オタク活動)ならば、やめてしまえばいい。
そう思う方もいるかもしれません。
いや、私だって他人がこんな事やっていれば、
「なんの意味があるの?」
と、言ってしまう事でしょう。
それでもやめられない!
何故なら、もはやそれこそが私だからです。
一方通行の愛でも良い!
私が楽しいのだから!
楽しく生きる!
「浪費図鑑」の中に、
「誰かが何かを好きなことには理由があって、きっとその誰かにとっては無駄ではない、意味のあること。その浪費は必ず何かに繋がっていく」
という言葉がありました。
これは私にとって励ましの言葉でした。
よし、もっと楽しんで生きるぞ!と思えるのです。
本書は、オタクの方にも、そして、趣味がない方にもおすすめできる1冊。
もっと自由に、もっと自分らしく生きて良いんじゃない?
そう問いかけてくる本書は、この生きづらい世の中をハッピーに生き抜くためのヒントがあるのかもしれません。