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【大相撲】

稀勢&鶴竜が休場を発表 白鵬も休場濃厚

2017年9月8日 紙面から

大相撲名古屋場所土俵祭りでの(右から)稀勢の里、白鵬、日馬富士、鶴竜の4横綱=7月8日、愛知県体育館で(佐藤哲紀撮影)

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 17年ぶりに迎えた大相撲の4横綱時代が早くも崩壊の危機だ。左腕や左足首を負傷している稀勢の里(31)=田子ノ浦=と右足首などを負傷している鶴竜(32)=井筒=の両横綱が7日、秋場所(10日初日、東京・両国国技館)の休場を発表した。左膝を痛めている白鵬(32)=宮城野=も8日に休場を発表することが濃厚。3横綱が初日から休場となれば、昭和以降で初となる異例の事態を迎える。

◆寂しい実情

 稀勢の里が19年ぶりとなる日本出身横綱となった春場所から4横綱時代に突入。若貴ブーム以来の盛り上がりに沸く相撲界だが、豪華な番付表とはうらはらに、実情は寂しい。

 秋場所は初日から3横綱が休場することが濃厚。その中でも、特に厳しい状況に追い込まれているのは鶴竜だ。名古屋場所で痛めた右足首に加え、休場後の検査で新たに右足甲の剥離骨折が発覚。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)はこの日、「今度土俵に上がる時には決断をしないと。秋巡業で関取と稽古して九州に懸けてほしい」と、あらためて九州場所で進退をかけさせる意向を口にした。

 稀勢の里は奇跡の逆転優勝を飾った新横綱場所の春場所で左上腕、左胸を負傷した。夏場所はその影響で途中休場。名古屋場所では左足首を負傷し、2場所連続で途中休場に追い込まれた。

 秋場所前は巡業に途中参加。再起への意欲を見せていたが、番付発表後の稽古は十両力士との2日間だけ。状態が上向くことはなく、横綱の責任を果たすことは難しそうだった。

 稀勢の里にとっては初の全休となりそうで、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「筋力などいろんな面が戻らず相撲を取れる状況ではなかった。休むのも勇気がいるし、これでいい方向に変わればいい。近い場所に向けてやっていくしかない」と声を振り絞った。

◆時代の節目

 もともと、4人の横綱が長く番付にとどまり続ける例は少ない。年6場所制となった1958年以降の4横綱時代は過去6例。このうち4例が1年以内(6場所以内)に崩壊している。年6場所制以前を含め、初めて4人の横綱の名前が番付に載ったのは17年5月場所。それ以降、今度の秋場所が通算77場所目となるが、名古屋場所までの76場所で4横綱が全て皆勤したのはわずか13場所しかない。

 華やかに見える4横綱時代だが、実は時代の変わり目ともいえる。阿武咲や貴景勝ら20代前半の若手力士が上位に躍進し、宇良や遠藤ら根強い人気を持つ力士がもてはやされている中で、番付の最上位に君臨する横綱勢が正念場を迎えている。 (岸本隆)

◆「無理じゃないか」宮城野親方、否定せず

 左膝に痛みを訴えて秋場所の出場が危ぶまれている白鵬は7日、朝稽古に姿を現さなかった。初日を3日後に控えるが、明らかに調整が遅れている。師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「最後まで努力したけど、その結果が思わしくないのは確か。無理じゃないか」と休場の可能性を否定しなかった。

 

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