米国は北朝鮮にミサイルを打つか

2017年9月8日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 9月3日、北朝鮮が6度目の核実験を実施した。小野寺五典防衛相は、「爆発の規模はTNT火薬に換算すると、広島に投下された原爆の10倍以上にあたる約160キロトンになる」と発表した。これまでの核実験と比べると、はるかに大きな規模だ。

米各紙は最近の北朝鮮のミサイル実験とトランプ大統領の対応について大きく紙面を割いている(写真=Sipa USA/amanaimages)

 今、日本政府は、北朝鮮問題に対してどのように対応すべきか分からず、非常に困惑している。というのは、米国の姿勢がよく分からないからだ。

 どうやら米国の方針は、はっきりとは定まっていない。北朝鮮への圧力を強化すると主張してはいるものの、トランプ大統領は強硬な姿勢と柔軟な姿勢が入り乱れていて、明確な戦略が示されていない。

 時間が経てば経つほど、北朝鮮が有利になる。僕は、米国はもっと早い段階で北朝鮮と対話すべきだったと思う。この段階での対話は、北朝鮮が核保有国だと認めることを前提とした対話になってしまうからだ。

 僕は、北朝鮮の建国記念日である9月9日に、グアム沿岸を狙う弾道ミサイル発射の可能性があると考えている。

 これが現実となれば、米国は迎撃するかもしれない。

 米国が北朝鮮を核保有国として認めるとなると、韓国も核兵器を持たざるを得ない。当然、日本の核保有のあり方に関する議論も発生するだろう。

 すでに、非核三原則を見直すべきではないかという声が上がりつつある。自民党の石破茂氏は、6日のテレビ番組で「米国の核の傘で守ってもらうといいながら、日本国内に核兵器は置きません、というのは本当に正しい議論か」「北朝鮮の核開発への抑止力として米軍の戦術核兵器の国内配備について議論を始めるべきだ」と述べた。非核三原則の見直しを提起したのである。

コメント11

「田原総一朗の政財界「ここだけの話」」のバックナンバー

一覧

「米国は北朝鮮にミサイルを打つか」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

私には、世界各国のトップが「エンタメ系」になってしまっているような気がしてならない。

丹羽 宇一郎 伊藤忠商事前会長