『HUNTER×HUNTER』 No.370 「観察」 感想
今回の見どころ
- 順調に死亡フラグを立てていくモブさんs
- 銃火器に くわしくて煽り上手なクラピカさん
- お茶目なオイトちゃんが今日もカワイイ(一週ぶり2048回目)
ブラックホエール1号は、その名の通り巨大なクジラに見えます。
そして王位継承戦は、船の1層で繰り広げられています。1層そのものがクジラの頭に浮かぶ「小さな船」みたいで面白い。
無限に広い海では、巨大なはずの鯨は、まるで砂漠をさまよう虫けらのようです。この構図は、これまでの(ごく一部を除いた)人類が知る「小さな」世界を模している。
同様に、寝ている間に寿命を削ったクラピカは、寝落ちして原稿を落としたマンガ家を模しているのかも。
──あ、冨樫先生なら無傷か(出版社と読者に大ダメージ)。
『H×H』史上、もっとも読んでいてキツかった回です!
冨樫先生、なぜ「アレ」をターゲットに したのですか!? 「小動物」だったら何でも良かったはずなのに……。
まるで「ランキング形式」のように全王子が登場しました。
これだけ人数が いればキャラが被っていても不思議では ありません。ところが、誰一人 似ていません。父親が同じナスビー゠ホイコーロ──なのか疑わしいくらいです。
もしも違っていたら、この〈王位継承戦〉の前提が すべて崩れ去るけれど。
海外ドラマでは、主人公の足を引っ張る人物が次々に現われる。
一つの例を挙げると、【PR】Amazonプライム・ビデオにて一年中・24時間の見放題である『24』です。この連続ドラマでは、「主人公以外は敵」といった状況が延々と続いていく。
なにしろ、一番ジャマしてくるのは主人公の家族ですよ!(ネタバレ)
最近の『HUNTER×HUNTER』も似たような局面です。誰が味方で敵なのか、ハッキリとは断言できません。
今回は、意外な人物が突然に牙を剥いてきました!
正規国王軍を兼ねた第一王子の私設兵
は、最悪に厄介な存在です。
ビンセントは「防衛権」を盾にして(むしろ矛にして?)好き放題できる。念能力や拳銃を使い、王子や側近を消せれば良し。あるいは、正当防衛で退場させられることも計算済みでしょう。
たとえるなら、〈伸縮自在の愛〉(バンジー ガム)で全身を覆ったヒソカが襲ってくる感じです。
クラピカからすると、受けても攻めても──もとい、攻撃しても防御しても排除させられる。当然、クラピカのことだから、ビンセントに「協力」するハズもない。
この危機をクラピカたちは どうやって乗り越えるのか?
序盤は静かに始まりました。ところが、すぐにでも戦争が始まりそうなくらいに場の空気が過熱する。そこから急速に静まっていく──。
いつもながらテンポの良さに ほれぼれします。言ってしまえば ただの「状況説明」の話なのに、ダレることなく読ませるところがスゴい。
マンガ家を含め、作家の仕事は「次の話(本)を手に取らせること」だと言えます。冨樫先生は この能力が ずば抜けている!
「〈守護霊獣〉は、〈宿主〉を含めて誰にも認識できない」
──といった予測をまるで事実のように当ブログでは書いてきました。
ところが、今回の話で上記の推測は完全に否定されています。
読者の皆さまに 誤解を生むような記事を書いたことを、ここに深くお詫びいたしまs(ry
いやー、だってさー(急に なれなれしい)、思わせぶりな場面が続いたじゃん? だから すっかり冨樫にダマされたよ~(いつもの伝統芸能的な責任転嫁)。
ということで、立ち食いそば屋の天かすくらいな軽~い気持ちで反省しつつ(チッ、うっせーよ)、これからも憶測と偏見と独断に もとづき、調査はインスタのハッシュタグくらいの厳密さで、一日7PVくらいの駄文を量産します!
一年ちょっとぶりの新刊ですよ!
大きく分けて「ヒソカとクロロのバトル」と「カキン王国の王位継承戦」の二つの話を収録しています。どちらも見応えタップリで、さらに先の展開も気になってくる!
念能力者同士の闘いは、さらに高度に激しくなっていきます。それに加えて、「守護霊獣」と呼ばれる「念獣」が今後は重要に なってきました。
この闘いの渦にクラピカが飲み込まれていきます。そんな中、主人公であるゴンは不在のままで船は進む……。