こんにちは、Shin(@Speedque01)です。先日、ふと目に入って読ませていただいた記事で、とても面白いものがありました。
下記の記事です。
これは基本的に家庭についてのお話ですが、仕事にも援用できる非常に意義深い記事でした。引用してみます。
「考える家事」「行動する家事」の例を見てみよう。
例えば洗濯なら、こうなる。
◯考える家事:
- 家族のスケジュールを見て、洗濯物の多寡を予測する
- 週間天気予報と自分のスケジュールを見比べ、どのタイミングで何回洗濯をするかを決める
- 洗剤があと何回で無くなるか見極めて、スーパーの特売日と照らし合わせ、いつ購入するか決める
◯行動する家事:
- 洗濯機を回す
- 干す
- 畳む
通常、家事として目に映るのは「行動する家事」の方だ。でも、「考える家事」をしないと、行動には移せない。
手を動かせば進んでいく「行動する家事」とは違い、「考える家事」には予測や判断といった要素が入ってくる。重要度が高く、脳に負担がかかるのは、「考える家事」の方なのだ。
ところが、自分から積極的に家事をしない人には、そこが分からない。「行動する家事」だけを見て、「お前はたいしたことしていない」と言う。
自分が手伝うときも「行動する家事」部分だけをやって、「してやったぞ」と大きい顔をする。
この認識の相違がストレスを生む。
こちらの箇所、深く頷きながら拝読しました。そして、「これは仕事にも同じことが言えるな」と感じました。
手を動かすだけで「仕事している気分」に浸るのは危険
ぼくは新卒でコンサルティングファームに就職しましたが、控えめに言ってとても大変でした。当時の話は下記の記事にまとめていますので、よろしければどうぞ。
最初、大量のパワーポイントやワード、エクセルのドキュメントを渡され、「とりあえずそれを読んでおいて」と言われます。言われるがままに読みますが、何がどうなっているのか全くわからない。クライアント先に連れて行かれても、先輩達やマネージャが何を話しているのか、本当に同じ日本語なのかどうか怪しいレベルでわからない。
「議事録を取っておいて」といわれ、ワードを立ち上げながら言葉を拾うものの、日本語として頭に入ってこないため、メモもまったく意味不明なものでした。それを一晩中かけて意味がわからないなりにまとめたものを翌朝先輩に提出しましたが、 「おまえ、いったい何聞いてたんだよ・・・もういいよ、おれやっとくから」 の一言で、ぼくの仕事は巻き取られました。 それからも状況はまったく改善の目処が立ちませんでした。
こんなボロボロの状態で、帰宅時間もとても遅く、体力もどんどん削られていきました。そんなぼくを尻目に、優秀な同期たちはどんどん大きな責任を任されて前に進んでいく・・・とても悔しく情けない思いをしました。
「自分だってがんばってるのに、なんであいつらだけ評価されるんだ。なんで自分だけ結果を出すことができないんだ。」、そんな想いで眠れない夜が続きました。
今から考えると、ぼくと優秀な同期たちで差がついたのは至極当然のことだったな、と感じています。
ぼくはただ上司から振ってくる仕事を、一生懸命手を動かしてこなしているだけのマシンだったのです。逆に同期たちは「この仕事の目的は何だろう?」「どうすれば実行可能性が高いスケジュールを組めるだろう?」「本当の意味でお客様のためになる資料はどのようなものだろう?」と常に自問自答していました。言い換えると、「考える仕事」をしていたのです。
かつてのぼくのように「ただ手を動かすだけの仕事」をしていると、いつまでたっても大きな成果は出ません。しかも、業務量は増える一方で体力は削られ、プライベートな時間もなくなっていきます。切ない。
社会人1年目のうちに「考える仕事」をしてみよう
社会人1年目の最初の頃は、とにかく仕事についていくことに必死だと思います。「この仕事の意味は?」とか「目的は?」とか考えるヒマもなく、とにかく目の前のことをこなすことで精一杯な人も多いと思います。
ただ、ずっとそのような状況が続いて「ごり押し」で仕事をし続けるクセがついてしまうと、いつまでも「あいつが頑張り屋であることは否定しないけど、ちょっと大きな仕事は任せられないよね」という評価から抜け出すことができません。少し仕事に慣れてきた社会人1年目の後半あたりから、「考える仕事」をするための努力をしてみましょう。
個人的には、「考える仕事」をするためにはクリティカルシンキングの重要性を理解し、身につけることが一番手っ取り早いと考えています。
「自分が正しい」と強く信じて何らかの行動を起こしたものの、大失敗してしまった経験がある人は、「ああ、この世の中に絶対はないんだな」と強烈に心に刻み込まれることになります。
その結果、「絶対はないんだ」ということを心底理解することができ、モノゴトに対して「それは絶対じゃないよね」「穴はあるかもしれないよね」「無理そうに見えるけどうまくいくかもしれないよね」と、モノゴトを批判的(クリティカル)に見ることができるようになるのです。
「クリティカルシンキング」と聞くと、どんなことにも批判的になるネガティブな思考法のように捉えられてしまうかもしれません。確かに「絶対うまく行くよ!」と言っている人に対して「いやいや、絶対ではないでしょう」というだけでは、あまり価値があるとはいえません。
逆を考えてみましょう。何らかの壮大な目標を持っている人がいて、周りの人はみんな「そんなこと絶対うまく行かないよw」と嘲笑しているとします。そのようなときに、クリティカルに考えられる人は「いやいや、絶対うまく行かないなんてことはないよね。これこれこうすればうまくいく可能性はあがっていくと思うよ」というコメントを出せるのです。
つまり、クリティカルシンキングが出来る人というのは、「暴走を抑え、かつ絶望を救済する」ということが出来る人だといえるのです。
「忙しさ」ではなく「思考の幅広さ/深さ」を追求しよう
社会人になりたてだと、ついつい「忙しい自慢」をしてしまいます。「自分がたくさんの仕事を与えられている = 自分が重要とみなされている」という図式が頭の中に出来上がってしまうからだと思うのですが、そのパターンは早めに抜け出すことをおすすめします。
「手を動かすだけ」という段階は、早めに卒業しましょう。「手を動かす仕事」が9割以上を占めてしまっている状況から、「考える仕事」の割合をだんだんと増やしていきましょう。
いつの間にか、仕事が「苦しく大変なもの」から「楽しく結果を出せるもの」にかわっていくと思います。
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