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ハリケーン「イルマ」、空前の勢力に カリブ海の島襲い9人死亡
2017年9月7日 21:45 発信地:ポワンタピートル/フランス
【9月7日 AFP】(更新、写真追加)5段階中最強の「カテゴリー5」に発達したハリケーン「イルマ(Irma)」に襲われたカリブ海(Caribbean Sea)のサンマルタン(Saint Martin、オランダ名:シントマールテン、Sint Maarten)島のオランダ領側では、「甚大な被害」により島に入ることができない事態に陥っていることが分かった。一方、オランダ領とフランス領とに分かれた同島の仏領側では、少なくとも9人が犠牲となったと当局が発表している。
オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相は7日、イルマによる被害は「甚大」だとの認識を示し、空港や港が壊滅的被害を受けたためにオランダ領側が孤立状態となっていると明らかにした。
ルッテ氏は報道陣に対し、「空港や港に大きな被害がもたらされたため、現時点では島に入ることができない」と語るとともに、オランダ領側の死者数に関する情報はいまだ得られていないと述べた。
サンマルタン島に近いオランダ領島のシント・ユースタティウス(St Eustatius)島およびサバ(Saba)島もイルマによる多大な被害を受けたものの、死者は出ていないという。だがフランス当局は、同島のフランス領側で少なくとも9人が死亡したことを明らかにしている。
その一方でフランスの気象当局は、イルマが33時間以上にわたり最大風速約82メートルを保っていることから、ハリケーンとして最大規模の勢力を史上最も長い間保持する記録を更新したことを明らかにした。
フランス気象局(Meteo France)の気象予報士であるエティエンヌ・カピキアン(Etienne Kapikian)氏はAFPに対し、「これだけ長い時間、これだけ猛烈な勢力(を保っているハリケーン)は、人工衛星の時代に観測されたことがない」「その上、イルマはまだ勢力を保っている」と述べた。またイルマは少なくとも、バハマ諸島(Bahamas)に到達するまで5段階で最強のカテゴリー5を維持するだろうと付け加えた。
イルマは、先月末に米テキサス(Texas)州とルイジアナ(Louisiana)州を襲ったハリケーン「ハービー(Harvey)」のすぐ後に発生し、カリブ海の複数の島に被害をもたらしているが、同海域では熱帯性暴風雨だった「ホセ(Jose)」がハリケーンとなり、メキシコ湾(Gulf of Mexico)では暴風雨「カティア(Katia)」もハリケーンに発達した。(c)AFP