あの!すしざんまいから黄金比が!
縦横が一番きれいに見える比率を黄金比という。
昔の美術品や、自然界にも存在する不思議な比率だ。 この黄金比、まだまだ世の中にたくさんあるのではないか。 そこで、あらゆるものから黄金比を見出せるツールを開発した。
1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。
前の記事:「デコパージュで般若の面をデコるとかわいくなるのか?」 人気記事:「黒ひげを危機一髪から救った」 > 個人サイト むだな ものを つくる 美しさの権化、黄金比黄金比と言えばこの螺旋だろう。一度は見たことがあるかもしれない。
pixivの黄金比テンプレートから引用
黄金比の長方形から正方形を切り出すと、残りの長方形からさらに正方形が取れて、どんどんと繰り返すことが出来るのだ。
そして、正方形に弧を描くとこんな螺旋になる。 そしてこの螺旋がいろんなものに当てはまるのだ。「黄金比 例」で画像検索するとたくさん出てくる。 世の中こんなに黄金比であふれているのか。 しかし中にはちょっと無理があるのでは…?というような画像もある。 黄金比の螺旋を重ねたらそれっぽく見えるのではないか。 今回はこれを検証したい。 黄金比見つけ出しツールを作る黄金比の図を風景に重ねるために、今回はアクリル板を用意した。いろんなものに印刷出来るUVプリンターを置いてあるお店に行って、アクリル板にこの図を印刷してやろうという算段だ。
しかし印刷するのが1枚だけだとちょっと恥ずかしい。人の目をめちゃくちゃ気にしてしまうので、えっこのお客さん黄金比の図だけを印刷するつもりなの…?と思われるのを避けたい。 そこで黄金比の図だけでなく、ついでにこれも用意した。 レオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図だ。
ダ・ヴィンチ・コードにも出てきたやつである。これも見たことがある図だと思うのだが、いかがだろうか。
正方形の1辺の長さと、円の半径の比率が黄金比になっているらしい。へー、という感じだ。 ただインターネットの海をさまようと実際には黄金比ではないぞ、という意見も出てくる。考えた結果、黄金比の話になると出てきがちなのと、単純にかっこいいので印刷することにした。 ちなみに人生で始めて有料画像素材を買った。大人の階段をまた一歩登った気がする。 原宿のHappyPrintersというお店に行って、UVプリンターで印刷してもらった。 出来たものがこれだ。 これが黄金比見つけ出しツール(板)だ。
かっこいい。既にしゃれた気分になってくる。
店員のお姉さんに「展示用ですかー?」と聞かれて「え、えぇ…。まぁそんなとこです」とモゴモゴ答えながらの印刷であった。どういう展示なんだ。 早速これを持って街に繰り出そう。黄金比を探しに行くのだ。 探そう、黄金比 浅草にやってきた。浅草といえば雷門である。
雷門
パルテノン神殿には黄金比が含まれているという。昔からあるものには黄金比が隠されているのではないか。
雷門はどうか。一見すると黄金比ではないように見える。絶対違うでしょ…という雷門の声が聞こえてくるようだ。 板を重ねてみた。 意外とアリなのでは!
何もない状態では黄金比とは無縁に思えるかもしれない。しかしこの黄金比見つけ出しツール(板)を重ねることで黄金比になっているように見えてきやしないか。
なんだって黄金比と言い張ることが出来る。 お昼に食べた天丼もそうだ。 かき揚げが大きくておいしかった。
これは普通の天丼である。しかし、ここから黄金比を見つけ出すことが出来る。
こうだ。 湯のみと丼のふちが螺旋に沿ってませんか。
お茶を組み合わせることで黄金比を発見した。
心なしか天ぷらの衣も黄金に輝いて見える。 さらに丼の丸さを活かした結果、新たな発見も出来た。 天丼とウィトルウィウス的人体図のマッチさよ。
人体図が丼に内接した。このままインスタに上げたい。
ダ・ヴィンチも天丼と重ねられる日が来るとは思ってなかっただろう。 さらに発見する なんでも黄金比と言い張れることがわかって気をよくした僕は、さらに黄金比を見つけ出していった。
隅田川を走るボート。
横幅がぴったり合ったし、上の首都高の配置もいい。これは完全に黄金比だ。
公園のゴミ箱も黄金比。
ゴミ箱は完全にサイズがぴったりだ。ゴミを投げ入れたらこの螺旋に沿って入っていくんだろうな、と思わされる。思わずゴミ箱の写真をたくさん撮った。
都営浅草線の隅田川を渡るところのカーブが螺旋にぴったりきた。これは黄金比だ。
これを発見したときは思わず声を上げた。都営浅草線自体がもはや黄金比と言っていいだろう。
調子に乗ってどんどん探してみた。 アサヒビールの形が印象的なあのビルも黄金比なんじゃないか。
この本社ビル、聖火台をイメージして建築されたらしい。知らなかった。
聖火台のへりにあたる部分に合わせたら、燃え上がる聖火のオブジェと奥にあるマンションがいい感じに収まったような、収まってないような…。 もういっそスカイツリーも黄金比ですよ。
縦いっぱいに板を合わせた。展望台のところが黄金比の正方形に合わさってるような。そうじゃないような…。
…だんだんわからなくなってしまった。さすがに攻めすぎか。 撮っている最中は「あーここの辺が収まった!黄金比だ!」と盛り上がっていたのだ。板の魔術にやられている。 しかしそんな中でいい発見もあった。 すしざんまいの社長である。
マグロの初セリでおなじみ、すしざんまいの木村社長だ。
これに板を重ね合わせると… これは!
めちゃくちゃしっくりきた。社長の左肩のラインが螺旋と同じ曲率なところに美しさを感じる。
マグロ込みでの黄金比だ。さすがすしざんまいだ。 これからはすしざんまいを見かけたら「あー、あの黄金比の!」と思ってしまうこと間違いなしである。
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