ゲーム開発会社のサイバード(東京都渋谷区)で宣伝やイベントを担当していた専門職の女性が長時間労働が原因で適応障害になり、渋谷労働基準監督署が専門職向けの裁量労働制を「無効」と判断し、未払い残業代を支払うよう是正勧告していたことが9月6日、分かった。
毎日新聞の報道によると、勧告は8月14日付。女性の残業時間は最大で月80時間に上り、2016年の入社直後からストレスによる頭痛や不眠に悩まされていたという。女性は既にサイバードを退職済み。
同紙によると、サイバードではゲーム用ソフトウェア開発など19種の専門職に対して裁量労働制を適用。45時間分の残業代に相当する約8万円を月給に含んでいたが、45時間を超えて働いた場合は残業代を支払っていなかった。
ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、サイバードは「労働環境を改善するよう勧告を受けたのは事実。労基署と協議しながら、専門職向けの裁量労働制の見直しを図っていきたい」(広報担当者)と回答した。
ただ、「未払い残業代の支払いについては、勧告ではなく“指摘”を受けたという認識。支払いについては、女性元従業員と協議中」(同)という。
渋谷労基署は「個別の企業への指導状況についてはコメントを差し控える」としている。
現在は、企業の長時間労働の改善などに取り組む労働組合「ブラック企業ユニオン」が、女性の代理としてサイバードとの交渉に当たっているという。
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