- 記事をたくさん書いているのにPVや収益がなかなか上がらないと感じているブロガー
- 時間をかけて仕事をしても生産性が上がらないと感じているビジネスパーソン
- 会話や会議の場において、よく論点がずれていると感じている人 など
上のような人は「適切な問いに答えていない」かもしれません。
文章、言葉、資料など、あらゆるアウトプットにおいて、適切な問いに答えることは超重要です。そこで、本記事では
- 適切な問いに答えるとはどういうことなのかの説明
- 関連する本2冊の紹介
をしたいと思います。
※もちろん、本を読めばすぐに身につくというものではありません。何度も繰り返し本を読みながら仕事や勉強、私生活の場において実践を繰り返すことで、少しずつ自分の力になっていくものです。
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適切な問いに答えるとは?
「適切な問いに答える」というのは、ビジネスや学問の場ではもちろん、私生活などあらゆる場面において重要なことです。
とはいえ、「適切な問いに答える」と言ってもピンとこないと思うので、こちらの記事でも使用した例を使い説明します。
例はこちらです。 女性がデートでレストランに着ていく服を彼氏に相談するシーンです。
例①
女性:「白のワンピースと赤いワンピース、どっちが良いと思う?」
A君:「レストランで食事をする際、飲食物をこぼしてしまう可能性がある。飲食物をこぼしたケースを想定すると、白いドレスは汚れが目立ちもう着れなくなる可能性が赤いワンピースよりも高い。よって赤いワンピースにするべき。」
前の記事でも書きましたが、A君クソうざいですね。おそらく女性も「うぜぇな、こいつ」となって不機嫌になると思います。A君、悪い奴ではないんですけどね。
例②
女性:「白のワンピースと赤いワンピース、どっちが良いと思う?」
B君:「うわーどっちも似合うなー。個人的には白いワンピースの方が好きだけど、レストラン行って汚れたら困るし今日は赤いワンピースの方がいいんじゃない?」
B君は相手の気持ちを考えた返答をしていますね。A君と言ってることはほぼ同じなのに、言い方一つでこうも印象が変わるんですね。多分B君はリア充ですね。
このA君とB君の発言の違いを、前の記事では相手の視点に立って共感する能力の有無で説明しました。
つまり、A君は論理的な発言だが相手の気持ちに立っていなく、B君は女性の気持ちを考えて言葉遣いに気をつけていたために同じ内容でも印象の違いが生じた、というような説明をしました。
しかし、別の見方でも説明できます。それは、A君とB君とでは設定した問いが異なっていたということです。
A君は「レストランのデートにおいて、適切な服はどちらか?」という問いに対して答えています。
一方、B君は「彼女と楽しいデートをするには、どのように答えれば良いか?」という問いに対して答えていると言えます。
これはそもそも設定した問いが異なるために、ほぼ同じ内容なのに異なる答えになったということです。
つまり、どれだけ考えられた答えでも、問いの設定が適切でなければ不適当な答えになってしまいます。
A君の答えが正解になる場合もあります。仮にテストかなんかで
問題1:レストランに食事に行く際に着ていく服として適切なのは、白いワンピースと赤いワンピースのどちらが良いか?
という問題があったとしたら、A君の答えの方が正しいと思います。(こんな問題あるのかは疑問ですが)
このように、「良い答え」を出すためには「適切な問い」を設定することが重要です。その「適切な問い」について書かれた本でおすすめの本を2冊紹介します。
誰にでもおすすめしたい「論点思考」
私が上で述べた「適切な問い」という言葉を「論点」とし、論点の重要性や良い論点を設定するための方法論などをわかりやすく説明したのがこの本です。
簡単に説明
ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを決めることだ。企業は数え切れないほど多くの問題を抱えていて、それらをすべて解決しようと思っても、時間もなければ人も足りない。仕事には期限がある。こなすことのできる工数も限られている。その中で解くべき問題を設定し、選択し、それに取り組み、成果をあげなければならない。成果をあげるには真の問題を選びとることが大切だ。
この真の問題を著者が25年間勤めたボストンコンサルティンググループでは「論点」と呼ぶ。そして、論点を設定するという、問題解決の最上流に当たるプロセスが「論点思考」である。論点を設定することにより、考えるべきことが絞られ、問題解決のスピードは上がり、解決策を実行したときの効果も高くなる。成果を出すには、「正しい答え」でなく、「正しい問い」「解くべき問題」=論点が重要となる。「間違った問い・問題」に取り組むことは大いなる「時間のムダ」であるという。(amazon「論点思考」商品説明より)
商品説明ではビジネスにおいての思考法という部分にかなり重きを置いている印象を受けますが、この考え方自体はどんな場面でも通用すると思います。
そのことはこの本の中で取り上げられている具体例からもわかります。
本の中の具体例
本の中では様々な具体例が取り上げられています。ビジネスシーンに即した例なども挙げられていますが、例の中で最も私生活に即したものがこの例です。
AさんとBさんの前にケーキが一つある。二人が納得するようにケーキを二つに分けたい。さて、どのように分けたらよいだろうか? (「論点思考」本文より)
みなさんならこのような場面に直面したらどうするでしょうか?ここで重要なのが正しい問いを設定することです。
「ケーキを正確に二等分するにはどうすればよいか?」は適切な問いではありません。 ここでの適切な問いは「二人が納得するようにケーキを二つに分けるのはどうすればよいか?」です。
本の中では答えの例として、「Aさんに切ってもらいBさんが選ぶ」という答えを提示しています。さらに納得感を高めるには、まずジャンケンをして負けた方が切って勝った方が選ぶとかでしょうか。
このようなわかりやすい具体例を交えながら、適切な問い(論点)を設定する重要性や適切な問いを設定する方法などを述べているのが「論点思考」です。
ビジネスパーソンや研究者にはこれも「イシューからはじめよ」
「イシューからはじめよ」は「論点思考」よりも専門的な言葉が多く出てくるため難しいのですが、ビジネスパーソンや研究者などの人にはこちらも是非おすすめしたいです。実際に私もコンサルタント時代に上司からすすめられました。
この本では「適切な問い」を「イシュー」としており、よりビジネスや科学の場での活用を想定して書かれています。
ちなみにこの本はブログの記事が元になっています。こちらの記事です。
興味がある人はこの記事をまず読んでみると良いかもしれません(専門的な言葉が出てきており難しいです)。この記事の反響がすごかったため本を書こうと思った、と本の中で著者は述べています。
終わりに
以上が適切な問いに答えることの重要性の説明と、おすすめの本2冊の紹介となります。
私自身、これらの本の概念を完璧にマスターはしていませんし(実際、コンサルタント時代には上司にボコボコにされていました)、著者の言わんとしていることとの認識のズレが生じている可能性もあります。
amazonのレビューを見ても、これらの本から感じることは人によって様々です。
しかし、とにかく良い答えをと躍起になって作業をする前に、まずその問いは適切な問いなのかを考えることが重要であることは断言できると思います。
より効率的に仕事をしたい!より生産性を上げたい!などと思っている方に、少しでも気づきがあれば幸いです。