(みね子)どうしたらいいんだろ…。
(ドアが開く音)おう。
あれ?ヒデさん!どうしたんですか?
(秀俊)あぁ包丁研ぎたくなってさ。
あっそうなんですね。
どうしたの?どっか出かけてたの?あ…はい。
あの…。
川本世津子さんのうぢの前まで行ってみたんですけどね…。
えっ?あの…ちょっと相談に乗ってもらえますか?うんいいよ。
あの!実はですね!うん。
ちょっと座ってもらえますか?はい。
・「Ponponpon…」・「愛の言葉をリル」・「シャイなハートがドキドキ」・「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」・「瞼閉じれば蘇る」・「幼い頃の大事な宝物だけは」・「ずっとこの胸に抱きしめて来たのさ…Ahah」・「夜の酒場でLonely」・「あの娘今頃どうしてる?」・「さなぎは今、蝶になって」・「きっと誰かの腕の中」・「肩寄せ合い声合わせて」・「希望に燃える恋の歌」あの…川本世津子さんが今大変なこどになってんの知ってます?ヒデさん。
あっうん元治先輩から教えてもらった。
えっ?元治さん?うんあの人そういうの書いてある雑誌とか好きだから。
あぁ…。
あ…で?あっはい。
何か心配になって電話してみたんですよ。
でも出なくて電話。
うん。
あっそっかきっといっぱい電話かがってくっから出ないんだなと思って…。
だがらちょっと行ってみたんです。
うん。
そしたら人がいっぱいいで何かカメラ持ってる人とがも。
何だがみんな見張ってるみだいな感じで。
へぇ…。
であの人は家にはいるの?はいいるみだいです。
私仲間のふりして聞いてみたんですよ。
「いんのがなぁ本当に川本世津子。
ねぇ?」って。
そしたら横にいだちょび髭のカメラマンがこう爪ようじくわえだまま「あぁいるいる。
おいら窓から確認したからさぁ」とが言って!そうなんだ?そうなんですよ!はぁ…。
えっ?いやいや…で?あっだがら私なんとかして世津子さん連れ出せないがなと思って。
だってあんなとごにいだらおがしくなっちゃいますよ!なるほど。
はい。
どうやって?え…。
だがらそれを相談してんです。
あっそうか…ごめん。
いえ。
どうしたらいいですかね?う〜ん…。
う〜ん…。
みね子とヒデが考えている時間を利用して私増田明美が川本世津子さんの生い立ちと今騒がれているスキャンダルについてご説明しましょう。
川本世津子さんは昭和6年埼玉県の大山田という村の農家の長女として生まれました。
ですが5歳の時両親が病気で相次いで亡くなってしまい東京で牛乳店を営む叔父夫婦に引き取られました。
6歳になった世津子は苦しい家計を支えるため学校もろくに行かず家の仕事を手伝います。
世津子の仕事の一つが映画の撮影所での牛乳販売でした。
監督やスタッフ俳優たちと仲よくなりみんなにかわいがられました。
そんなある日監督が世津子に「映画に出てみない?」と声をかけます。
そして初出演更に初主演の映画が大ヒット。
そこからはあれよあれよとスター街道まっしぐら。
しかし世津子が必死になって稼いだお金は全部保護者である叔父夫婦のもとへ。
それが夫婦を狂わせてしまったんですね。
叔父夫婦はぜいたく三昧。
更にはギャンブルまで。
(ノック)ついには借金までつくってしまいその度に世津子に泣きついてきました。
・せっちゃん開けてちょうだい。
私よ。
・世津子大丈夫か?
(ドアをたたく音)あ〜せっちゃん!世津子!もう心配したわよ。
(世津子)芳江叔母さん急にどうしたの?実はねこんな時に言うのもあれなんだけど私たちもあの…困っててね。
帰って下さい。
えっ?もうお金のことで私を頼らないで下さい。
約束したはずです!帰って下さい!お願いします!何言ってんだよ!あんただけが頼りなんだよ!
(叔父)そうだよ世津子!もう帰って!怒った叔父夫婦は週刊誌にあらぬ噂を売り込み世津子は事務所を自らやめることになりました。
そして今に至る…。
みね子ヒデどうですか?え〜!?まだノーアイデア?結構長かっ…。
あっ!わっ!わっ!随分前に見た洋画でさこういうのがあったんだ。
はい。
まぁこれは悪いやつらの話なんだけど敵に囲まれて絶体絶命って時にさ…。
はい。
あっその日はものすごい暑い日でさそこに突然アイスクリーム屋の屋台がやって来るんだよ。
何かこうかわいい…。
ぼよよ〜んとした音楽なんか流しながらね。
ぼよよ〜ん?そこはいいんだよ。
あ…。
続けるね。
はい。
「本日はアイスクリーム無料サービスだよ」って言うんだよ。
えっ?それで?みんな「おっただか?」みたいになってそっちに行っちゃってでその隙に脱出!お〜!でもアイスクリーム屋の屋台がないからな…。
今日も暑いからアイスとかカキ氷とか言えばわっと来ると思うんだけど。
そっか…。
カキ氷…。
(ヤスハル)・「若さゆえ苦しみ」・「若さゆえ」
(2人)カキ氷!何だよ?飛んで火に入る…。
夏のヤスハル。
何だよそれ!お願いします!お願いします!分かんないけど…やだ!というわげで記者の人たちをなんとかしなきゃいけないんです。
なるほど…。
あっ俺が到着したら音楽を流すからバカでかい音でバカな音楽を。
バガな音楽?あぁ一度つくらされたことがあるんだ。
和菓子の移動販売をやろうと思って。
へぇ。
とにかくドアを開けたら一気に2人で走って逃げろ。
俺は気が付いて追ってくるやつらを止めるから。
大丈夫ですか?ヒデさん。
大丈夫。
こう見えて結構肩幅あるから。
肩幅?何でもない。
何だが大作戦になってしまいましたがみね子世津子さんを救出してみせます
では…。
おのおの抜がりなぐ。
はっ!はっ!
(ノック)川本さんいるんでしょ?・応えて下さいよ。
すみませんちょっとすみません。
出前ですすみません。
何だよお前。
すみません。
(ノック)すみませ〜ん出前お待たせしました。
(ノック)・川本さん出前です。
おいしいオムライス持ってきましたよ川本さん!みね子ちゃん?川本さんいらっしゃいますか?出前で〜す。
・川本さん出前です。
(ノック)・開げて下さい開げて下さい。
お願いします川本さん。
(ノック)
(鍵を開ける音)
(記者たち)あっ!川本さん!川本さんひと言!ダメでしたね。
邪魔なんだよあんた。
すみません。
みね子ちゃん!どうしたの?こご出ましょう。
私んとごに行ぎましょう!ねっ?こんなとごにこんな状態で一人でいちゃダメです!ねっ行ぎましょう!どうして…?世津子さんには幸せでいでもらわないと困るんです。
じゃないとお父ちゃんに起きてしまった悲しい出来事がなしになんない。
私はなしにしたいんです。
だがら…。
行ぎましょう!ねっ?ちょっと!何考えてるんですか!そんなのダメです!あっあっごめんなさい!あっどうしよう!・
(柏木)・「あんこづくりは」えっ?何これ…。
・・「あんこづくりは」氷じゃねえかよ。
・「勘頼み」・
(ヤスハル)さぁさぁさぁ皆さん今日は暑いからねカキ氷がなんと無料大サービスだよ。
行ぐよ!うん!うん!
(記者)川本さん!2017/09/06(水) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 ひよっこ(135)「乙女たちに花束を」[解][字][デ][再]
スキャンダルが原因で窮地に立たされた世津子(菅野美穂)は、記者に自宅を囲まれていた。みね子(有村架純)は何とか助け出そうと、秀俊(磯村勇斗)に協力を求める。
詳細情報
番組内容
スキャンダルが原因で窮地に立たされた世津子(菅野美穂)は、記者に自宅を囲まれて身動きが取れなくなっていた。記者のフリをして、様子を見てきたみね子(有村架純)。何とか世津子を助け出そうと、秀俊(磯村勇斗)に協力をお願いする。記者の目をそらし、どうやって家から連れ出そうかと、あれこれ思案する2人。たまたま通りがかったヤスハル(古舘佑太郎)も巻き込んで、3人は“世津子救出作戦”を決行する。
出演者
【出演】有村架純,磯村勇斗,古舘佑太郎,宮地雅子,中野英樹,古澤裕介,菅野美穂,三宅裕司,【語り】増田明美
原作・脚本
【作】岡田惠和
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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