労働時間規制と残業代規制をわざとごっちゃにする人々
こんなサイトを見つけたのですが、
https://zanreko.com/news/1247(『高プロ』関連の新事実。「高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)は欧米では一般的」は誤り!?)
「執筆者 編集部弁護士」とあるので、恐らく弁護士が書いているのだと思いますが、大部分の正しい記述の中に、一番肝心のところで間違い、というかむしろ意図的な嘘が書かれています。
「欧米」に少なくとも含まれるだろう4か国(アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス)における高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)類似の制度の有無・普及状況について調査しました。
とありますが、そもそもアメリカには物理的な絶対労働時間規制はなく、残業代規制しかありません。
一方、ヨーロッパにあるのは物理的な労働時間規制であって、残業代規制ではありません。
なので、たとえばドイツについてのこの記述は、
上記の例外は、日本の労基法上の例外と比べて特段に広くはなさそうですし、少なくとも、ドイツでは、専門的な職務を行うホワイトカラーを残業代や労働時間の上限規制の対象から外す制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)が一般的とは言えないでしょう。
そもそもドイツの法律は残業代については何ら規制をしておらず、厳格な物理的労働時間規制をかけているだけであり、残業代は労働協約に委ねられているのですから、(うっかりあんまり意識していない残業代という文字が入ってしまったというならいざ知らず)「残業証拠レコーダー」の「残業代コラム」という、もっぱら残業代というお金のことが主たる関心事であろうと思われる記事の中で、わざわざ残業代という文字を入れ込んでいるということからすると、かなり意識的な操作のように見えます。
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