語学に最適と話題の、美少女同士の恋愛を描く“百合ゲーム”について、開発元に取材した。
女子高生が「異世界」に迷い込む
8月25日に発売したゲーム「ことのはアムリラート」が注目を集めている。
女子高生の「凜(リン)」がある日、一見よく知るはずの場所なのに、看板の文字は読めず、人々が話す言葉も意味不明な世界に迷い込む。
途方に暮れるリンの元に、可愛い女の子「ルカ」が現れ、救いの手を差し伸べてくれる。ふたりが手探りの意思疎通(ことのは)で織りなす、もどかしくも純粋な女の子同士の物語だ。
提供:SukeraSparo
「異世界語」を習得できるシステム
画期的なのは、異世界の言語として、19世紀に国際共通語として作られた「エスペラント語」を主人公と一緒に習得できるシステム。
クイズ形式で習得できる勉強モードや復習モード、宿題モードなどをそろえる。
リンが覚えた異世界の単語は、カタカナ表記から異世界文字へと変化。
クリアボーナスでは、「和訳あり(字幕モード)」「和訳なし(完全異世界モード)」などを選べる。
この言語習得のシステムは、ネット上で「新しい」「革命的」「斜め上を行く可愛さと面白さ」「普通以上に教材として優秀」「他言語の学習法にも応用できるのでは」「英語やドイツ語で作って欲しい」と話題になっている。
主人公の大変さを共感
同ゲームを作ったSukerasparoの広報担当者とシナリオライターのJ-MENTさんに話を聞いた。
—–なぜ、異世界の言語を習得するスタイルに?
J-MENT:異世界に迷い込んだ主人公が、言葉の通じない世界で現地の言語を体得する大変さをプレイヤーの皆様にも共感していただこうと考えました。
今作は小説ではなく、パソコンを媒体を利用したノベルゲームというジャンルのもので、その特性を活かし、物語の進行に合わせて「凜と一緒に学んでもらう」という方法を採りました。
一方で「一刻も早く先の展開を知りたい」「仕事などで余暇の時間が限られている」「本気で言語を習得したい」といった様々なケースを想定し、各種モードを設けることになりました。
提供:Sukerasparo
「エスペラント語」を選んだ理由
—–なぜ、数ある言語の中から「エスペラント語」を選んだのですか?
J-MENT:もし採用する言語がフランス語であれば、どうしても異世界に「フランス色が漂って」しまいます。
英語やドイツ語でも同様で、「『言語をご存知の方が多い』=『言葉が理解されてしまう』」という可能性が高くなります。
そこで、特定の地域(国)で利用されておらず、物語の舞台である日本には馴染みが薄い言語としてエスペラントが候補に挙げられました。
さらに理由を付け加えると、多くの方々が「初めて聴く言語」や「名前ぐらいしか知らない」で落ち着くであろうことも期待しました。
提供:Sukerasparo
予想外の「面白い」という反応に驚き
—–ゲームへの反響は?
J-MENT:発売直後は「勉強モード面倒! 要らない!」の感想ばかりが飛び交うと思っておりました。
しかし、意外にも「面白い」と言ってくださる方々が多く、正直なところ驚かされました。
Sukerasparo広報:先日ゲーム内で使われたフォントを公開させて頂きました。
さっそく有志の方がSS(ショートストーリー)や変換プログラムなどを作成していただいているのを拝見しました。
皆様がそれぞれのやり方で楽しんで頂いているのを、嬉しく思っております。
提供:SukeraSparo
大反響で追加製造中
ゲーム公式Twitterによると、Sukerasparoの通販サイトでは9月1日時点で通常版が品切れに。追加製造を行っており、9月8日以降順次発送する予定だという。
—–どのような方が購入していますか?
J-MENT:TweetやRTで「変なゲームが出たよ」と情報を共有してくださった方、体験版で現物の片鱗を覗いてしまわれた方、実際のご購入まで進んで引き返せなくなった方、などなどなど。
そんな皆様のおかげを持ちまして、「ことのはアムリラート」の異世界が、現実世界を無事に(?)侵食できましたことをこの場をお借りしてお礼申し上げます。
Ni tre dankas vin!(あなたたちに深い感謝を!)
提供:SukeraSparo
SukeraSparo広報:通常PCゲームソフトを購入されたことのないユーザーの方も多く購入して頂いたようです。
反響を見る限り、ダウンロード販売や他のデバイスへの展開の要望も見られるので、なるべく応えられるように頑張りたいと思います。
百合(女の子同士の恋愛)をメインテーマに上げさせていただいており、「言語×百合」というニッチにニッチを掛け合わせたものに対して受け皿があることには非常に驚きもあり嬉しい限りです。
メーカー「学習ソフトではありません」
—–どんな思いをゲームに込めていますか?
SukeraSparo広報:話題のメインが言語学習となっておりますが、本作は学習ソフトではありません。
如何に異世界を表現するために効果的なものがあるのか、そしてその先のガールミーツガールのストーリーを演出するために妥協なく制作した結果だと思います。
シナリオライター、原画家、ディレクター、出演者など多くの方の協力によりとても素晴らしい作品になりました。この作品を少しでも多くの方に興味を持っていただきプレイして頂きたいです。そしてそれぞれの方に自由に楽しんで頂ければ幸いです。
出典:「ことのはアムリラート」HP
「他の言語」の計画は現在ない
—–最後に、英語など「他の言語」で同様のゲームを出す計画は?
J-MENT:先の質問でお答えしたように、今作は異世界という「物語の舞台に合わせてエスペラントを起用」しました。
もし次に何かしらの他言語を扱う作品を出すとすれば、少なくとも舞台は異世界ではなくなると思います。
提供:SukeraSparo
SukeraSparo広報:本作は学習ソフトとしてつくり上げた作品ではないので具体的にはそのような計画はありません。
ただ興味を持っていただき協力をしてくれる方が現れれば、可能性はあるかもしれません。その際はまた新しいストーリーにチャレンジできればと思います。