ついに到着、エイサーの開発者向けWin MRヘッドセットを自腹レビュー。導入の手軽さに好感触:VR情報局
外部センサーがないのでセットアップがラクチン。そしてHALOが楽しみです!
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5月23日に予約した「開発者限定 Acer Windows Mixed Reality Headset デベロッパーエディション」が、8月26日に筆者の元に到着しました。現在Windows Mixed Reality Headsetは開発者向けに販売されており、日本で販売しているAcer版、HP版は、現状ではともに完売しています。
しかし、Acer、HPに加え、ASUS、Dell、Lenovoが年内には一般向けにWindows Mixed Reality Headsetを販売する予定です。その際にはSteam VRに対応することがマイクロソフトより発表されており、VRデバイスの選択肢が大きく広がることになります。
今回のVR情報局では、現時点の開発者向けWindows Mixed Reality Headsetでどのような体験ができるのか、自腹レビューをお届けします。
繰り返しお伝えしているとおり、現在のWindows Mixed Reality Headsetは開発者向けです。というわけで当初セットアップは面倒だと予想していましたが、実は非常にカンタンです。
必要な設定はWindows 10を開発者モードに設定するだけ。あとはWindows Mixed Reality Headsetを接続すれば、メッセージに従うだけでホーム画面(仮想空間)にたどり着きます。
Windows Mixed Reality Headsetのパッケージ内。本体とDevelopment Kit Returns Policyしか入っていません
まずは「設定-更新とセキュリティ-開発者向け」で「開発者モード」に設定します
あとはWindows Mixed Reality Headsetから伸びるUSBケーブルとHDMIケーブルをPCに接続するだけ
以降はメッセージに従うだけでセットアップが完了します
またハードウェアのセットアップに関しても、HTC ViveやOculus Riftに比べて容易です。これは位置トラッキング方式の違いにより、外部センサーの設置が不要なため。
トラッキング方式に関しては、HTC ViveやOculus Riftはアウトサイドイン方式、Windows Mixed Reality Headsetはインサイドアウト方式を採用しています。
カンタンに言うと前者は外部にセンサーを設置しなければなりませんが、後者はヘッドセットにセンサーが埋め込まれていて、外部を認識、ヘッドトラッキングを実現しているんですね。
外部センサーを設置するためにはUSBケーブルを這わせたり、電源を供給する必要があるため、設置難度が高くなり、手間も掛かります。が、Windows Mixed Reality Headsetではそのような手間はいっさい必要ありません。
ヘッドセットを持って部屋をぐるりと歩き回るだけで、ルームスケールの準備が完了します。非常にお手軽です
セットアップの流れをまとめると、開発者モードに切り替え、ヘッドセットをPCに接続。その後身長を入力し、部屋の中心を設定、ルームスケールを計測......で完了です。所要時間は10分足らずでしょうか。
ホームアプリとなる「複合現実ポータル」はWindows 10 Creators Updateの標準アプリとなっているため、アプリケーションのインストールを実行する必要すらありません。
以上の設定を終了し、ヘッドセットをかぶれば、そこには仮想空間の部屋が広がります
さて、Windows Mixed Reality Headsetは「Mixed Reality」とありますが、現在体験できるのはいわゆるVRのみです。ここは先行していたWindows HoloLensと大きく違うところ(下記動画記事を参照ください)。前面に付いているのはあくまでもセンサーなので、現実とCGを重ね合わせるようなことはできません。
ゆくゆくは「Mixed Reality(複合現実)」に対応した製品もリリースされるのでしょうが、現時点では一般向けの製品は発表されていません。
動画:電脳メガネいつ来る? HoloLens体験レポ。VRとは全く異なるMR、課題は視野角の狭さか
また、Windows Mixed Reality Headsetにはコントローラーが付属していません。そのため操作にはキーボード、マウス、またはXboxコントローラーを使用します。入力デバイスで一番オススメなのはXboxコントローラーですね。「X」ボタンでスタートメニューが開けたり、「Y」ボタンでテレポート移動、「L1」「R1」で向きを90度変えられるので直感的な操作が可能です。
「X」ボタンを押すとスタートメニューが表示されます
仮想現実ポータル内のスタートメニューに用意されているアプリは、Microsoft Edge、ストア、ホログラム、フォト、Cortana、フィードバックHub、映画&テレビなどの、いわゆるユニバーサル Windows プラットフォーム (UWP) アプリです。
ただしこれらとは別に、仮想空間内でWindowsデスクトップを起動することもできますし、そのなかで一般的なアプリケーションも起動可能です。
つまり仮想空間の大画面で、PUBGをプレイしたり、Chromeでブラウジングしたり、もちろんDMM動画などを鑑賞することも可能というわけです。
仮想空間内でPCのデスクトップを表示。デスクトップにWindows Mixed Reality Headsetの画面をミラーリングしていると、このように合わせ鏡のような表示になります
デスクトップでChromeを起動して、YouTube動画を再生してみました。上の写真では画面が小さく見えますが、仮想空間内では200インチクラスのサイズで見えています。大迫力です
さて実際の使用感ですが、映像の品質、ヘッドトラッキングの精度などにはまったく不満はありません。外部センサーがないぶん正確にヘッドトラッキングできるかどうか心配だったのですが、これはまったくの杞憂でした。
ただし、ピント調整がいっさいできないのには困りました。一般的なヘッドセットではレンズを前後に移動させてピント調整できるのですが、Acer版のWindows Mixed Reality Headsetにはそのような調整機能はありません。
2000~3000円のスマホ用VRゴーグルにさえピント調整機能が搭載されているのですから、一般向けの製品では「必ず」搭載してほしいものです。
ピントの調整機能はありませんが、IPD(瞳孔間距離)は「設定-複合現実-ヘッドセットディスプレイ」でスライダーを動かすことで調整可能です
総じて見ると、外部センサー不要な点はセットアップの敷居を大きく下げ、ここは好感触です。一方、発表時に注目が集まった価格に関しては、正直なところ現状ではインパクトが薄れてしまいました。
というのも、HTC ViveとOculus Riftが値下げになったことで、それぞれ7万7880円、5万円で買える状況になったため。今回のAcer版は約4万円なので、とくにOculus Riftは1万円差となります。
またアプリケーションの面では、開発者向け環境のため、当然ながらこれからな状況。
リリースが予告された「HALO」のWindows Mixed Reality Headset版には強く惹かれます。また開発環境としても価値があると思いました。
しかし現状では、一般ユーザーは一般向けの販売を待つよりは、差額を出してでもHTC ViveまたはOculus Riftを購入すべきだ、というのが、現時点での率直な感想です。