たいていこの”抱かれたくない男”というのは、上位がお笑い芸人であると相場が決まっているし、これにはいろいろな”役割によるコミュニティの抑圧”のようなものが2つほど隠されている。
まず”男だろ”という性役割の抑圧である。実はこういうのって女性誌の記事だし、女が率先してやっているとカン違いしてしまいそうだが、こういう企画を考えて実行するのは、たいていが男なのである。
”抱きたくない女”はやらずに、”抱かれたくない男”はやるというのは、男のマッチョイズムのあらわれといっていい。そこをわからずに、女の側だけに文句をいうと、”ほらあいつカッコわるいだろ?”と女にええカッコしていいたいマッチョ男が、手ぐすねひいて待っているので注意が必要だ。
そして2つ目が”お笑いのくせに”という抑圧だ。これは根深い。日本人のメンタリティであるといっていいぐらいだ。そしてこのようなアンケートは”身分の低い”お笑いタレントがいるからこそ成り立つ。そんなのまず日本ぐらいだろう。
”選ばれたらおいしい”などというニンゲンもいるが、選ばれた本人はいくばくかの効果があるかもしれないが、長い目でお笑い界全体のことを考えたら、おいしくもなんともない。結局は制作者側がお笑いをバカにして、市井のヒトがそれに乗っかっているだけなのだから。
だいたい”おいしい”ってなんなのか。学校なんかで嫌がらせじみた”イジり”をして、”おいしくしてやってる”とカン違いしているバカなガキがどれだけいるのか。
このテのアンケートのさらなる嫌みなところが、非・お笑いタレントの芸能人がランキングに入ると、”身分の低いお笑い”にまじって恥ずかしくない?みたいな感じにするところだ。
まったくもって笑えない。そもそもこのようなものでヒトの嘲笑を引き出そうとしていることこそ、安易であるとしかいいようがない。
今日のところはこれまで。ごきげんよう。この呼吸が続く限り、僕は君の傍にいる。