ITmedia NEWS > STUDIO > 驚異の12分間回転――「ハンドスピナー」開発にアツ...
ニュース
くわしく
» 2017年09月06日 07時00分 公開

驚異の12分間回転――「ハンドスピナー」開発にアツくなる企業の正体 (1/4)

回転時間は12分間以上、価格は1万7280円(税込)――そんな型破りなハンドスピナーを製造したのは、大手玩具メーカー……ではない。製造業向けの「ベアリング」を手掛ける企業が、ハンドスピナーの開発にアツくなるまでの経緯を聞いた。

[片渕陽平ITmedia]

 「デザインは悪くないが、回転時間が2分程度では物足りない」――そんな言葉がきっかけで「ハンドスピナー」の開発に“本気”で取り組んでいる企業がある。

photo 12分間以上回転する「サターンスピナー」。日本精工傘下のNSKマイクロプレシジョンが開発した

 ハンドスピナーは、指先で挟んで回転させるシンプルな玩具。国内外を問わず人気が爆発している。一般にハンドスピナーの空転時間は長くても6~8分程度だが、ある企業が開発した「サターンスピナー」は、いったん回すと12分間以上回転する。「他のモデルに負けないものを本気で作ろう」と研究・開発した一品だ。

 価格は1万7280円(税込)。他社製品と比べると高額だが、ネット上では販売開始から1分程で完売。再販するたびに「すぐに売り切れた」といい、これまでに約200個を売り上げた。

 そんなサターンスピナーの開発元は、日本精工傘下のNSKマイクロプレシジョン(東京都千代田区)。決して大手玩具メーカーではない。機械の回転部分の動きを滑らかにする「ベアリング」(軸受け)を製造している企業だ。

 「開発当初は半信半疑だった。なぜ流行っているのかも分からなかった」――同社の石井俊和社長は振り返る。一見すると、玩具とはあまり縁がなさそうなベアリングメーカーが、ハンドスピナーにアツくなるまでの経緯を聞いた。

「作るからには本気で」

 NSKマイクロプレシジョンの“本業”は、外径20ミリ以下のベアリングの製造だ。ベアリングは、機械の回転部分の摩擦を減らし、スムーズに回るよう促すパーツ。同社は、PCのHDDのほか、ドローンのプロペラ、コピー機や自動改札機など、回転部分を持つさまざまな機械向けにベアリングを供給している。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

- PR -

Special

- PR -

タレントREINAの華麗なる経歴とCIA仕込みの交渉術 > ITmedia Virtual EXPO 開幕!

ITmedia NEWSの編集長がリモートワークで岐阜県に!? 「ビデオ会議システムを入れたから大丈夫」とは言うけど、実際のところは……。編集部メンバーで実体験してみた。

「AIは万能だ」──間違った知識を身に付けていませんか? AIの現状をいち早く知ることで、他社に差を付けるチャンスを掴めるかも。ビジネス活用の今がここに。

ソフトバンクが Google クラウドプラットフォームの「プレミアパートナー」であることを知っていますか? 巨大なクラウド基盤の企業導入を検討すべき理由がここにあります

本体でも、スマホでも、PCでも、活動状況を確認できる大画面モデル―PULSENSE「PS-600」シリーズがついに登場。何が変わった?

Special

- PR -

ITmedia NEWS編集長が岐阜県に高飛び!? それでも仕事を継続できた理由とは?

2020年1月に延長サポートが終了。今からWindows 10移行を着実に進めよう。

メーカー以外の事業者が保守を行う「第三者保守」、そのメリットと品質とは

テクノロジーの最先端を行くトピックが満載! 【先端(ギ)研】

PULSENSE PS-600なら時計型で使いやすい!脈拍計測機能付きの活動量計を使う

大容量インクタンク搭載エプソンプリンタで業務効率化を実現してみませんか?

日々進化する人工知能(AI)は本当に仕事で役立つのか?実践的な話題を紹介

遂に「働き方シンカ論」発表!今やワークスタイル改革は「経営戦略」です。

「現代の魔法使い」と呼ばれる落合陽一氏の『超AI時代の生存戦略』とは

人気ゲームを支えるクラウドをあなたの会社でも。頼りになる相談役がいます。

「会社で仕事をしろ」という上司に、編集部員はどう打ち勝つのか!?

そうは言っても変われないビジネスパーソンに贈るコンテンツが満載