学生時代に頑張る気なんてなかったAdd Star

寝る前にお酒を飲むような記事です。期待しないでください。wadapさんの記事を読んでいたわけですが、

日本のエンジニアの地位をあげるために

読んでて全然関係ない話を思いついちゃったんです。結構学生のタイミングでどうするかって重要だなって思ったんですが、

自分が学生の頃を思い起こすと、よく考えたらなんの理由もなく「がんばらないふり」をしていたかもしれないです。

僕を含むスタートアップの人達は、学生時代から頑張っている人も多いし、社会人でもチャレンジしなきゃ!って言ったりしちゃってますが、僕は理由なく「IBMって大変らしいよ」とか「外資系は途中で人生見えちゃうみたいよ」みたいに、バイト先で知り合ったオッサンに聞かされた言説に流されたりして、無難に生きる方法だけを考えていたような気がします。

少なくとも、自らチャレンジをするような空気感は僕にはなかった。どこでもいいから、そこそこの会社に入社して、楽しくやっていけると思っていたんですよね。

どんな職場でも順応性の高さは結構得意技なのでどうにでもなると思ったんですよ。

でも、今いる立場がスタートアップだったりして、なんで転職していったかというと、別にチャレンジしたかったわけじゃなくて、Webが面白そうだった、というただその理由だけだったような気がする。

ただ、面白い場所にいるためには、相応に頑張らないとついていけなくて、いろいろ勉強したりしたってのはあると思う。その結果、たまたまラッキーなことがあって、何故かそこそこエンジニアとしても評価いただいたりして、本当ありがとうございます。

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今の学生の就職先の選択肢の問題として、少なくとも学歴のROIを回収するために、大企業、しかも大手SIerに入社するパスというのが今だ持って花形なのかなと思っています。もちろん、リクルートやNTTやKDDIなどもあるでしょうが。

それが何も悪いと言っているのではないのですが、一方で、wadapさんが書いているようなエンジニアの話は、「上流工程や下流工程という括りがない」世界だと思っていて、上流工程と下流工程が最悪会社で区切られていてどうにもならないような組織では対応できない状況にあるのではないかと思うわけです。

最悪、ソフトウエアエンジニアとして充実した人生を送ろうと思って大企業に入社してみたら、そもそも会社の仕組み上できなかったという悲しいことが実際起きています。

入社する前に調べておけばよかったという声もあるかもしれませんが、まさかソフトウエアのトップレベルな規模の企業が、最新のムーブメントに適応できない組織だったなんてことは知らなくても仕方のない面はあります。

僕も最初の会社に入社するまでに、社内で何をやってるなんて到底想像もつかなかったですから、少なくとも僕は彼らを非難する資格はないなと。現場のモノづくりを経験できて、今でこそ感謝しかないですが、入社初日から大卒は設計にいくもんだと思っていたのに、現場で数年修行とすると聞かされた時のショックたるや

・・・・と昔話は、さておきとして、

かくして人によっては、せっかくの学歴による新卒カードを使ってみていい会社に入ったのに、痛恨の選択ミスとなってしまい、早々の転職を余儀なくされる人もいるわけです。

もちろんそうでない人もいるので、全体からすると、ひょっとしたらレアケースでしかないのかもしれませんが、現実的にスタートアップ側に面接に来る人や、ソフトウエアの学校に来る人のいくばくかの割合に、そういう人がいるのも事実。

このミスマッチは、単純に人生の時間の無駄なので、せめて、そういう人達だけでも、最初から救えればと思ったりはするのですが、そもそもで言うと、大学生や大学院生のROIを満たすような会社になって、彼らから選択される企業になるよう、もっと頑張れと言う話にしかならないんですけどね。

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子供の頃は漠然と小さな会社よりも大企業の方が良いに決まってると思っていたわけですが、おとなになってみると、大企業が大企業たる組織性や再現性を得るためには、木の幹となるビジネスモデルが必要なことを知るわけです。木の幹に支えられているからこそ、沢山の人が雇えると考えると、そこから変化するのは組織を維持するためには得策ではありません。長い年月を生き抜くためには周縁のモデルチェンジはするとしても、真ん中にある組織構造を変化させてしまうと、後から入ってきた若い人達と、オッサンの間で大富豪、大貧民みたいなパラダイム・シフトが起きかねないわけです。これは組織としてはあるまじき行為だとも言えるでしょう。だから基本的に変化は抑制される方向に行くはずです。

この文章で上流工程下流工程の区別がなくなったなんて簡単に言ってますが、言ってみれば下流工程のスキルを持っている人じゃなければ、上流工程を担うことはできないと言っているわけですから、上流工程マンセーで育ってきたあなたの先輩方は、この変化についていけない可能性があります。かくして、権限を持った人達の手によって、その変化は抑制させられるか、違う方法で解決する事を考える方向に行くでしょう。

Webの時代、OSSがもたらしたものとして、上流工程、下流工程関係なくソフトウエアを設計、開発するスキルこそが重要である、というのはパラダイムシフトです。考える人1,作る人10で作っていたものを、考えながら作る人、1とか2ぐらいでカバーしてしまうのが生産性が向上した今の時代に起きていることと言えるでしょう。確かに10人もいれば混乱しますから、「ちゃんとしなきゃいけない」というクリティカル性が重要視されますが、本当に作っているものがそこまでのクリティカル性が必要だったのか?は考えるべきでしょう。あたりまえに思っている常識を疑ってみて周りを見てみても良いかもしれません。
excelシートによるエビデンスを作る時間があるならUnit Testを書いたほうが得策かもしれない。自動でQAさせるほうが人海戦術よりも合理的かもしれない、などのことを考えた上で、何が得策か?

そして、変化そのものが「不可避」なのであれば、この変化に抗うことは、最悪、誰かの定年までの時間稼ぎでしかないのかもしれません。問題はその時間に若い人が付き合っていくべきなのか否か?という話なのでしょう。それに付き合ってる気はないのであれば、即転職するでしょうし、付き合うつもりがあるなら一蓮托生で生きていくことでしょう。それの答えはわかりません。最後は自分がどうやって生き延びるや否やということが重要なのだと思いますし、また新しい技術のパラダイム・シフトがやってきて、結局、大資本で粘っていた方が正解だったというケースもなくはないからです。

そこに対する正解なんてないから、自分が心地よい方向を選ぶしかない。結局、無理に頑張る必要なんてないんじゃないでしょうかね。

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