退職して、いちばん有難いと思うのは体調が悪くなった時。毎回ではないけれど、会社で働いていたときよりは自由に横になれています。休暇を取りやすいかどうかは、職場環境が大きく関わるし、自分の考え方次第なところもありますね。
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気持ち良く休めなかった一匹狼な職場環境
どこかに雇用されて出勤している場合、休暇制度を使う事があると思います。
私の場合、休暇中の切り替えがとても下手でした。休んでも休んだ気がしないのです。
休んだ翌日に出勤すると、机の上は依頼業務で埋まっていて「大特急」も置いてあるのが常。病み上がりに、定例業務以外の大特急を処理するパワーを考えたら、はってでも会社へ行ったほうがマシだったのです。体調不良でも高熱が出ても、動ける範囲なら出勤していました。
私は一匹狼。相談する人も頼る人もいません。
いや・・・実際には居るのですが機能していない職場でした。
上司に相談すると、なぜ引き受けたのだと責められ理解されず、余計な仕事が増え、更に逐一状況報告しなければならない手間が増えます。先輩に相談すると、プイッと首をひねられ「私は関係ない。そっちのグループでやって」と言われてしまう。
依頼者に納期などの相談をしても「もう自分の手は離れているからそっちのグループで片づけてくれ」と言われてしまう。
こんな私を見かねて、助けてくれようとする人はいます。
だけど・・・違うグループの人にお願いするには上司の承認が必要でした。オーダーが違うので余計なお金がかかってしまうからです。説得して承認が降りたとしても、お手伝いして頂く方に最初から説明せなばなりません。
これらの時間を考えたら、昼休み返上して自分で片づけた方が早い。
無駄なエネルギーも使わないで済みます。
だから休めない。
いや、休んでも仕事が気になって休んだ気がしない。
休暇を取ろうー!と推進するのは簡単だけど、逃げ場が無いのです。恵まれた環境の職場のときには、先輩や上司が気にかけてくれましたし、大特急の仕事をポンと机に置く風習もありませんでした。
職場環境は本当に大事だと思います。
必要とされる喜びと関係性を作る努力
そんな職場やめてしまえばいい。
そうなんです。分かってるのです。だけど、何社も面接してようやく入社できたし、中高年の途中採用では今以上の条件での雇用はそうありません。だけど、ほんとに条件だけだろうか。なぜ頑張って働いて来たんだろう。
その渦中にいたときは気付かなかったけど、いざ退職してみると「必要とされている喜び」もあったなと思えてきました。
私に依頼すれば安心。だから大特急の仕事でも任せる。だから休暇の翌日は依頼書類で埋もれるのです。信頼があったからこそ、応えようと頑張った。コキ使われたと言ってしまえばそれまでだけど、ありがとう助かったよ!という笑顔が嬉しかった。
必要とされ、喜ばれることが嬉しかったのです。
私に欠けていたものは、信頼して手放す気持ち
机の上に、ポンと大特急を置いていく精神こそ、私に足りない事のように思います。
いっけん丸投げに見える行為は、私を信頼してくれている場合もあるのです(全てではないけれど!)。私はどうだっただろう。叱られようが責められようが、誰かと支え合おうとしただろうか。迷惑をかけてしまいそうで、巻き込むのは申し訳なく思えて、頼る事をしませんでした。
手放す気持ちを持てていたらどうだっただろう。
休むときは休む、仕事するときは仕事する。このメリハリが無いために、ずっと辛い思考が脳内でとどまってしまい、自分で自分の首を絞めていたこともあったなぁと。
職場環境も大事だけど、自分から関係を築く努力も必要な時がある。
あの時は全く見えていなかったけれど。それに気付いたところで、あの環境に復帰したいとも思わないけれど。
そして・・・まだあの時の怒鳴りや責めスタイルな職場のトラウマから抜けられない、自分の弱さに情けなさを感じているけれど。
そんな事をぼんやりと思いつつ。
離れてみなければ見えないことって、沢山ありますね。
体調の悪い日に、穏やかな気持ちで横になれる有難みを今しみじみと味わっています。