ドイツの家電ショー「IFA 2017」に合わせて、ソニーモバイルがXperiaの新機種を発表した。注目は、日本での発売も予想されるフラグシップ機「Xperia XZ1」と、XZ1相当の機能をコンパクトボディーに詰め込んだ「Xperia XZ1 Compact」の2機種だ。ぱっと見たところ従来機との違いが分かりにくいが、これら2機種は何が変わったのか? 従来機とスペックを比較しつつ見ていきたい。なお、スペックはグローバルモデルを参考にしている。
まずはXperia XZ1から。スクエアなメタルボディーや側面の指紋センサーなど、基本的なデザインはXperia XZ/XZsから大きくは変わっていない。
ただ、外側からは分かりづらいが、ボディーの構造は変わっている。Xperia XZ/XZsは背面と側面を接着していたが、Xperia XZ1では背面と側面が一体となった“バスタブ構造”を採用しており、ソニーモバイルいわく、曲げとねじれの強度がXperia史上最高に強化された。また背面~側面に継ぎ目がなくなったことで、より美しくなった印象を受ける。一方、4つのコーナーは依然として角張っており、握ると少し違和感を覚えるかもしれない。
ディスプレイ面には従来機と同様、ベゼルが残されており、斬新なデザインには感じられない。Xperiaではディスプレイの高画質化にも注力しているが、ベゼルがなくなれば、高画質化がより際立つ……気がする。単純な見た目のインパクトも含め、“ベゼルレス”のデザインにはチャレンジしてほしいと思う。
スペックで注目したいのが、プロセッサがXperia XZ/XZsのSnapdragon 820から835に変更されたこと。これによって理論値で下り最大1Gbpsの通信が可能になり、国内で発売されれば、ドコモの最大788Mbpsやauの最大708Mbpsといった高速通信も利用できるはず。ちなみにXperia XZ/XZsの下り速度は理論値で最大600Mbps。
気掛かりなのは、バッテリー容量がXperia XZ/XZsの2900mAhから2700mAhに減ってしまったこと。より省エネ性能が向上したSnapdragon 835を搭載しているとはいえ、それが200mAhの差分を補うほどなのか、つまりスタミナが下がっていないのかは気になるところだ。
カメラモジュールはXperia XZsと同じで、ソニーのメモリ積層型CMOSセンサー(Exmor RS for mobile)を用いた「Motion Eyeカメラシステム」を継承。XZsからの進化点として、人間の笑顔を検出した先読み撮影が可能になった。特に、笑ってほしいときに笑ってくれないことが多い赤ちゃんや子どもの撮影時に重宝しそうだ。
もう1つ、カメラ機能で注目したいのが「3Dクリエーター」。アウトカメラで3Dスキャンした顔のデータからアバターを作り、カメラ撮影時に合成したり、SNSのスタンプとして使ったりできる。カメラやSNSの新しい楽しみ方を提案してくれそうだ。
インカメラ(1300万画素)はXperia XZ/XZsから大きな変更はなく、防水性能や指紋センサーも据え置き。
サイズは厚さがXperia XZ/XZsの8.1mmから7.4mmに薄くなった一方で、バスタブ構造の影響か、幅は72mmから73mmへと1mm増えている。
Xperia XZ1は、映像や音楽をさらにリッチに楽しめるよう進化している。ディスプレイのサイズと解像度は5.2型フルHDで従来機と変わらないが、AmazonプライムビデオやNetflixで配信されているHDR対応コンテンツの再生が可能に。
フロントステレオスピーカーは、高出力のアンプを搭載したことで、Xperia XZ/XZs比で約50%音量がアップし、より迫力のあるサウンドを楽しめるように。
ハイレゾ相当の音源をBluetooth経由で再生できるQualcommの「aptX HD」コーデックにも新たに対応。同じく、ハイレゾ相当の音源をBluetooth伝送できるソニーの「LDAC」も継承しているが、LDACとaptX HDでは対応するヘッドフォンが異なるため、2つのコーデックに対応することで、より幅広いワイヤレス機器でハイレゾ音源を楽しめる。
Xperia XZsとの比較だと、3Dクリエーターで作成したアバターを楽しめること、HDRコンテンツを視聴できること、音量アップした内蔵スピーカーやaptX HDで音楽を楽しめることに注目したい。Xperia XZとの比較だと、上記に加え、Motion Eyeカメラシステムで先読み撮影やスーパースローモーション撮影ができることが新しい。
機種名 | Xperia XZ1 | Xperia XZs | Xperia XZ | 【参考】Xperia XZ Premium |
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OS | Android 8.0 | Android 7.1 | Android 6.0(バージョンアップで7.0に) | Android 7.1 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 835(8コア) | Qualcomm Snapdragon 820(4コア) | Qualcomm Snapdragon 820(4コア) | Qualcomm Snapdragon 835(8コア) |
メインメモリ | 4GB | 4GB | 3GB | 4GB |
ストレージ | 64GB | 32GB(シングルSIM)/64GB(デュアルSIM) | 32GB(シングルSIM)/64GB(デュアルSIM) | 64GB |
外部メモリ | microSDXC(最大256GB) | microSDXC(最大256GB) | microSDXC(最大256GB) | microSDXC(最大256GB) |
ディスプレイ | 約5.2型フルHD HDR TFT液晶 | 約5.2型フルHD TFT液晶 | 約5.2型フルHD TFT液晶 | 約5.5型4K HDR TFT液晶 |
解像度 | 1080×1920ピクセル | 1080×1920ピクセル | 1080×1920ピクセル | 2160×3840ピクセル |
バッテリー容量 | 2700mAh | 2900mAh | 2900mAh | 3230mAh |
アウトカメラ | 有効約1900万画素CMOS(メモリ積層型) | 有効約1900万画素CMOS(メモリ積層型) | 有効約2300万画素CMOS | 有効約1900万画素CMOS(メモリ積層型) |
先読み撮影 | ○(笑顔検出対応) | ○ | - | ○ |
スーパースローモーション撮影 | ○ | ○ | - | ○ |
3Dクリエーター | ○ | - | - | - |
インカメラ | 有効約1300万画素CMOS | 有効約1300万画素CMOS | 有効約1300万画素CMOS | 有効約1300万画素CMOS |
ボディーカラー | ブラック、ウォームシルバー、ムーンリットブルー、ビーナスピンク | アイスブルー、ウォームシルバー、ブラック | フォレストブルー、プラチナ、ミネラルブラック、ディープピンク | ディープシーブラック、ルミナスクロム |
サイズ | 約73(幅)×148(高さ)×7.4(奥行き)mm | 約72(幅)×146(高さ)×8.1(奥行き)mm | 約72(幅)×146(高さ)×8.1(奥行き)mm | 約77(幅)×156(高さ)×7.9(奥行き)mm |
重量 | 約156g | 約161g | 約161g | 195g |
防水 | IP65、IP68 | IP65、IP68 | IP65、IP68 | IP65、IP68 |
指紋センサー | ○ | ○ | ○ | ○ |
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