会社の給料は何で決まっているのか?
労働者ってツライですよね。
「終わらない膨大な仕事」
「際限なく増える残業時間」
「ストレスフルな上司とのやり取り」
「鳴り止まないデスマーチ」
・・・ネガティブ要素を挙げればキリがありません。
そのくせ、給料が少ない。
こんなに働いてこんなもんかよ・・・と思うときがあります。
けど、待ってください。
その会社の給料って何で決まっているのか、知っていますか?
その答えは『資本論』に載っていました。
「価値」と「使用価値」の話
ここからは『資本論』の話をします。
『資本論』では、「価値」と「使用価値」という言葉を使います。
「価値」とは、「労力の大きさ」のこと。
「価値が大きい商品」とは、「商品をつくるのに多くの労力がかかっている」ということ。
一方、「使用価値」とは、「使うメリット」のこと。
「使用価値が大きい商品」とは、「商品を使ったら多くのメリットがある」ということ。
資本主義経済で取引されるものには、必ず「価値」と「使用価値」があります。
そして、商品の値段は、「価値」の大小によって決まります。
例えば、「3日間煮込んだカレー」と「30分で作ったカレー」を比べると、「3日間煮込んだカレー」の方が「労力が大きい」ので「価値が大きい」です。
もちろん、「3日間煮込んだカレー」の方が値段が高いことは想像に難くないですね。
つまり、商品の値段、商品の価値の大きさは、「社会一般的にかかる平均時間・平均労力」で決まるのです。
「商品」としての「労働力」の話
私も含めてサラリーマンとして働いている人は、自分の「労働力」を「商品」として会社に売って給料を得ています。
ということは、「労働力」という「商品」の値段も、商品と同じように決まっているということになります。
つまり、私たちの給料は、商品の値段の決まり方とまったく同じように考えることができるのです。
商品の値段は、商品の「価値」が基準になって決まりました。
つまり、その商品をつくるのに、どれくらいの労力がかかっているか、どれくらいの原材料が必要か、どれだけの原価がかかっているのかで「価値」が決まり、それを基準に値段が決まっているのです。
私たちの労働力の値段も一緒です。
給料も同じ理屈で決まっています。
だとすると、私たちの給料を決めているのは、「私たちの労働力をつくるために必要な要素の合計」と考えられるのです。
つまりは、生きるための食費・住宅費・衣服代であったり、ストレス発散のための娯楽費であったり、仕事をするための知識習得費であったり、会社の同僚との交際費であったり。
これらの合計が労働力の価値になり、私たちの給料を決めているのです。
まとめ
会社の給料は、私たちの労働力をつくるために必要な要素の合計で決まっています。
言い換えると、私たちサラリーマンは会社に生かされている状態と言えます。
この状態は非常にリスクです。
会社は私たちを必ず守ってくれるとは限りません。
むしろ、都合が悪くなったら非情にも私たちを切り捨てる存在です。
昔は安全と言われた会社も、今では当然のように倒産の危機にさらされる時代です。
私たちサラリーマンは会社に生かされている状態から、自分で生きる状態に変わらないといけない時代に生きていることを自覚しなければいけません。
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『資本論』は、世の中には「資本家」と「労働者」の2タイプの人間がいるとしています。
この資本家は、労働者の「労働力」を買って、給料を対価として支払います。
両者の関係については、こちらの記事を御覧ください。
最後に、『資本論』に関心が湧いた方は、こちらの本をオススメいたします。
何千ページもある『資本論』を数百ページに凝縮していながら、とてもわかりやすく解説している本です。