こんばんはー歯科衛生士のAYUです。
今日twitterでローラがCMしている「NONIO」という歯磨き粉と洗口剤のCM動画を見たんですが、なんかローラの口が「NONIOのO」の字と重なっていてなんか不気味なCMでした(笑)
特徴は殺菌成分CPC「塩化セチルピリジニウム」により口の中を長時間殺菌するそうで、このマウスウォッシュで口の中の生理的口臭の原因菌を殺菌し口臭を予防するということなんです。生理的口臭は起きた時とか空腹時、口の中が不衛生な時におこる口臭で歯磨きや歯のクリーニングでも改善されますが、このNONIOを使えばより効果的だと思います。
ただもっと深刻なのは生理的口臭ではなくて 病的口臭なんです。それを防止するマウスウォッシュどこかのメーカーさん作ってくれないですかね。
生理的口臭と病的口臭といいましたが、違いがいまいちはっきりわかりませんよね。
そこで、今日はついに禁断の口臭について書きますよーなんで禁断かって?それは口臭ほど人にとってつらいことは無いからなんです。
自分に口臭があっても、相手に口臭があってもどちらも本当につらいのです。
歯医者で働いていて、毎日患者さんの口の中をクリーニングしていると、時々マスクをしていてもつらいくらい、口臭がきつい患者さんがいます。
そんな患者さんを見ているとき私は嫌だなとかみたくないななんて思いません。何とかこの人の口臭を治してあげたいと思って、できるかぎり綺麗に汚れを取って、患者さんにはいつもよりも熱くブラッシング指導をしてしまいます。
でもでも、本人が気づいていない場合、歯科衛生士といえども本人に「口臭がありますよ」とは口が裂けてもいえません。
それはあかんやろって思いました?ちゃんと指摘して教えてあげてと思いました?
でもねでもねこれってがんの告知と同じぐらいデリケートな事なんですよ。がんの告知は言い過ぎかもですが、本人が私もしかしてと思ってない場合、口臭に気づいてない人に口臭がありますよって伝えたらノイローゼみたいになってしまう可能性があるんです。それくらいデリケートな事だと私は思っています。
口臭症になってしまったら抜け出せない、そうなる前の予防が肝心!
ではまず口臭について詳しく説明していきます。
1.口臭とは
口臭は大きく分けて3つの種類に分けられます。
- 生理的口臭(口腔内の汚れ、唾液の減少などが原因)
- 外因的口臭(にんにく、アルコールなど)
- 病的口臭(歯周病、虫歯、舌苔)(糖尿病、蓄膿など)
このうち生理的口臭と外因的口臭はそれこそNONIOで磨けばきっと大丈夫です。なんの問題もありません。人間誰しも口の中の水分が減ったり、空腹になると口はにおいます。
それを防止するにはこまめに水分補給すること、綺麗に歯磨きすること、歯磨きのときにフロスや歯間ブラシも使うこと、歯医者で歯石を取ってもらい綺麗にクリーニングしてもらうこと、食事をきちんととること。これを守っていれば大丈夫ですし、先ほど紹介したNONIOを使えばもう完璧でしょう。
問題なのは病的口臭なんです。
2.病的口臭とは
病的口臭も大きく2つに分かれます
- 口腔由来のもの
- 全身由来のもの
どちらもつらいです。どちらも口臭としてはかなりきつくなり、少し離れていてもにおってしまうのです。
しかし全身由来のものはさらに胃や食道からのものと、肺からのものと二つに分かれます。どちらも歯科とは関係ないので私も治療法はわかりませんが原因となる病気を治療すれば治ると思います。本当に治療が困難で完治が難しいのが口腔由来のものなんです。
口腔由来のものの一番の原因は歯周病です。歯周病に関してはこちらの記事で詳しく書きましたので、一緒にどうぞ読んでください。
歯周病になると、歯ぐきは細菌を体内から排除しようとその箇所に血液を送り込みます、さらにそのまま治療をせず放置すると、歯周ポケットはさらにさがり、一度集まった血液が古くなりポケットの中の汚れと一緒にガスを放つ悪臭に変わります。
生理的口臭のように歯に付いた歯垢がにおうだけなら、そんなにすごい口臭にはなりません、歯磨きしたり、うがいしたり、なんなら水を飲めばある程度おさまります。
病的口臭はそうは行きません、うがいをしても歯磨きしても歯石をとっても一度歯周病になって悪臭を放ちだした歯ぐきはそうそう簡単には良くならないのです。
口臭をなくすためにはもちろん歯石をとってきちんと歯磨きをしてフロスをして歯間ブラシを使って舌苔をとりのぞき、歯周病をなおして口の中の原因となる細菌を全て取り除く覚悟がいるのです。
それができる人はごく一部ですし、そもそも自分で口臭に気づいていない人は絶対にそんなことできません。そしてもっと厄介なのは口臭を一度疑い自分は口臭がするんだと自覚すると、治療をして口臭がなおっても「口臭症」という症状に悩まされるのです。
3.口臭症とは
口臭があるなしにかかわらず口臭が気になってしまうことを「口臭症」といいます。
しゃべっている相手が鼻に手をあてたり、顔を横に向けたりするだけで、自分の口臭が原因だと感じてしまい、人と話ができなくなり最終的には外出もできず、うつやノイローゼになってしまうのです。
こういう人は歯医者や口臭外来にきて治そうとされた事があると思うのですが、実際には口臭が無いのに深く悩まれている場合、何をしてもどんな治療をしても、自分が口臭があると思い込んでしまっているので効果がありません。
このような症状になる事が一番怖いのです。
口臭症にまでなってしまうとそれはもう心のケアが必要になってしまうので、そう簡単に治せなくなります。そうならない前に予防する事が大切です。
生理的口臭がある人は要注意、それ以上進まないように予防しましょう
では口臭の予防法について詳しく書いていきたいと思います。
1.口呼吸を鼻呼吸にする
普段口で呼吸をしている人は確実に口臭があります。口で息をすると口の中が乾燥し唾液が出にくくなってしますので、歯に汚れが付きやすく、歯周病になりやすくなります。そして鼻で呼吸するよりもより他の人に息がとどいてしまうのでもし口臭がある場合、近くにいる人も気づきやすくなります。
口呼吸は他にも歯並びが悪くなったりやアレルギーやインフルエンザ、など色んな病気を引き起こします。口呼吸を鼻呼吸に変える事がまず一番の治療法です。
口呼吸を鼻呼吸にかえるおすすめの体操が「あいうべ体操」です。そのことについて書いた記事はこちらです。あわせて呼んでくださいね。
2.水分をとる
まず口の中が乾燥している事が口の中の細菌増殖につながりますので、それを改善する最も簡単な方法は水を飲むことです。
3.歯科医院で歯のクリーニングを受ける
お口の中の汚れでもっとも口臭の原因となるのはプラークです。プラークが歯の表面や歯と歯の間、詰め物の下などについていたり、歯石になってしまっていると、その汚れがにおいを放ちます。
もちろん日々のブラッシングで取り除くことが一番大切ですが、その前に歯科医院で徹底的に汚れを取ってもらうほうが効率がいいでしょう。
歯科医院の定期検診ではどんなことをしてくれるか書いた記事はこちらですあわせてお読みくださいね。
4.舌を綺麗にする
意外と口臭の原因で見落とされがちなのは、舌に付いている苔で舌苔といわれるものです。舌の表面に白く付いている汚れなんですが、これが溜まっていると口臭がします。
しかし舌苔を歯ブラシなどで無理よりこすりとると舌の表面を傷つけてしまい逆によくないので、綺麗にするには専用のブラシがあるのでそれを購入の上やさしくなでるようにつかってください。多少舌が白いのは舌苔では無いのであまり無理にとらないように気をつけて使ってください。
5.歯間ブラシ、フロスを使用して歯磨きをきちんとする習慣をつける
ただ歯ブラシで磨いただけだとお口の中の汚れは6割ほどしか取れません、実は口臭の原因は歯と歯の間、詰め物と歯ぐきの隙間にある汚れから出ている事が多いのです。
そういった部分の汚れをしっかり取る事がとても大切です。歯ブラシだけで終わらず、フロスや歯間ブラシを使うようにしてください。
おすすめのフロスと歯間ブラシです。ほかのとは段違いに使いやすさが違うので是非使ってみてください。
ここまで口臭について色々書いてきましたが、口臭というのは本当に恐ろしくて自覚症状があればあったでノイローゼのようになるし、無ければないで口臭という名の公害を撒き散らすほどの威力があるので、どうか生理的口臭で食い止められる様に、自覚症状がなくても以上の5つは実践したほうがいいと思います。
それでもだめなら最終手段はこちら