私とて、時には人やモノや街が破壊されない映画だって観るのです(`・ω・´)
ってことで、今回観た映画がこちら!
「はじまりのうた」でござんす。
2015年に公開されたアメリカの映画でござんす。
いやーいいね、タイトルからして非常に穏やかだね!
この映画、すごい良かったの(*゚▽゚*)
とても好きになった♡
簡単にあらすじを説明すると……
仕事はクビになるわ家族とも別居中だわでどん底に落ちた元敏腕プロデューサーの主人公と、ミュージシャンの卵で彼氏に浮気されて絶賛やさぐれ中のヒロインが、手を組んでニューヨークじゅうを回りながらアルバムを作っていくって話です。
っていうか公式サイトにあらすじ全部書いてあったわ(ノ∀`)
そこで全部ネタバレしちゃっても構わないくらい、特にストーリー的に起伏や意外性はないのよね。
それでもこの映画は、お話としての起承転結だけじゃない魅力がいっぱい詰まってると思うのです(`・ω・´)
まず何がいいって、登場人物がみんなキャラが立ってること!
たとえば、マーク・ラファロさん演じる主人公のダン。
この人の言動、割とクズです\(^o^)/
飲酒運転はするわ、窓からCDぶん投げるわ、食い逃げ(飲み逃げ?)はするわ……\(^o^)/
私が一番好きなのは、別居中の妻と娘のいる家に帰るなり寝室に向かって「妻と浮気してんのかー?旦那はこれから風呂に入るが気にせず妻とヤッててくれー!」的なことを叫ぶところ。くっそ最低で楽しい(゚∀゚)
キーラ・ナイトレイさんが演じるヒロインのグレタも、なかなかに意地っ張りな子/(^o^)\
「いい音楽さえ作ればルックスなんて関係ない」っていうスタイルは職人気質で格好いいけど、ミュージシャンとして売れるには難しいよねぇ……(゜〜゜)
最初はボーイッシュで素っ気ない服装をしていた彼女が、後半では赤いワンピースを着てるのがとても印象的だった♡チェックのワンピースがかわいかったなー♡
他にも、陽気で優しいグレタのお友達とか(この人終始いい人だった!)、
商業主義に走ったグレタの元カレとか(演じてるの、マルーン5の人だったのね!)、
寂しさを埋めるようにビッチぶってるダンの一人娘とか(たどたどしくギターを弾く姿が愛しい!)……
登場人物みんなが個性的だし、悪い人が出てこない。やっぱり全員悪人の映画とは違うねー。
彼らは「レコーディングスタジオが借りられないならこの街全部をスタジオにしちゃえばいいじゃない」っていうマリー・アントワネットもびっくりな方針で曲を収録していくんだけど、その過程が本当に楽しいし心が躍る!
バレエ教室でピアノを弾いてる人を連れてきちゃったり、静かにしてって言っても聞いてくれない子供達を逆にコーラスとして参加させちゃったり……街の喧騒や地下鉄の音でさえバックミュージックにしちゃうなんて最高にわくわくするじゃない(*゚▽゚*)
月並みだけど、音楽ってこんなにも自由で楽しいものなんだなってことを改めて感じさせてくれた!
でもやっぱり私が一番好きなシーンは、最初にダンがグレタの演奏を見初めるところ。
グレタがライブハウスで演奏するシーンは別の角度から2回描かれるんだけど、一度目のグレタ目線だと全然盛り上がってないし、観てるこちらとしても正直「特に上手くもないな」って感想だった(キーラ・ナイトレイさんごめんなさい)。
でも、二度目のダン目線のとき……彼女の弾き語りの後ろにバックバンドが見えて、楽器が一人でに動き出して……音楽によって世界が華やぐ瞬間、そしてダンのプロデューサーとしての力量が再び目覚める瞬間。
映画としては冒頭だけど、思わず胸が震えて涙が出るような、そんな素晴らしいシーンだった!
今まで観てきた映画の中でも特に好きなシーンとして挙げたいくらいに感動しちゃった( ;∀;)♡
後半ではダンとグレタの二人の関係が深まっていくんだけど、これがまたロマンティック♡
「プレイリストは見せないわ。恥ずかしい曲も入ってるもの」
「俺もだ。……見せ合う?」
「……いいわよ」
なんて、なんかもうなんなんだよお前らっていうくらいもうアレじゃない!><(語彙力)
キーアイテムでもある、ひとつのイヤホンジャックからふたつのイヤホンを挿せるようにするアダプタ(名前がわからん)を使って、同じ曲を一緒に聴いたりね。
言葉を交わさなくても、同じ音楽を聴いて、同じように「いいな」って思えるだけで気持ちが通じ合って……
賑やかなクラブの中で二人だけは別の音楽を聴きながら躍るなんて、これ以上ないくらいにロマンティックなことだと思うのよねぇ(*´-`*)
といっても、この二人が恋愛関係になるわけではないんだけどね。その距離感がまたいいんだけど。
ただただ音楽を共有するときめきの描き方が上手だなーと思った!
「見慣れた風景も、音楽によって特別なものになる」って本当よね♡
終盤、グレタが元カレのライブを見届けて自転車で駆け抜けるシーン。
観てるときは彼女がそのとき何を思っているのかがよくわからなかったんだけど……後から考えたら、あれは燃え尽き症候群みたいなものだったのかなぁ(・-・)
アルバム制作行脚を終えて、元カレのいい演奏も聴けて、もう満足しちゃったみたいな……
結局彼女はレコード会社との契約はしなかったし、ダンもダンで家族とは和解したもののまた仕事はないしで、今後どうなっちゃうの?っていうところではある。
それでも、まあきっと大丈夫でしょって根拠もなく思えるような、そんな爽やかな終わり方だった!
アルバムを1ドルで売り出すときの悪戯っぽさ、観てるこちらまでにやにやしちゃう( *´艸`)
いやー本当にいい映画だなって思った!
私も高校・大学と少しばかりバンドを齧っていたけど、みんなで合わせてひとつの曲が完成したときはえも言われぬ感動や喜びがあったっけ……そんなことを思い出してきゅんきゅんした♡
やっぱり音楽っていうのは特別な力があるものよね!
普段は誰かしらが血を流すような映画ばかり観ている私だけど、たまにはこういう作品で心を浄化するのもまた良きかな♡
よし、次こそはマッドマックス観よー(◍•ᴗ•◍)