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長野

松本市、天敵タカで害鳥駆除 食害やふん害、騒音対策

 松本市は、カラスやハトなどによる農作物への食害や市街地などでのふん害を減らそうと、天敵のタカで害鳥を追い払う対策に乗り出す。市議会九月定例会に、関連の費用五十五万円を盛り込んだ二〇一七年度一般会計補正予算案を提出。タカの飼育や訓練の専門家「鷹匠(たかじょう)」に依頼し、ふん害に悩まされている同市笹賀の市公設地方卸売市場で年内にも試験的に実施する。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、「県内でタカを使った害鳥対策は初耳」という。

 市内ではカラスやハト、ムクドリ、スズメなどによる農作物への食害が発生しており、一六年度の被害金額は二千五百四十九万円。市街地でもふん害や鳴き声による騒音被害に悩まされてきた。

 市はこれまで、各地域の猟友会の協力で農村部では駆除してきたが、市街地などでは猟銃を使えず、対策が難しかった。

 タカを導入するのは、害鳥の群れの近くで頻繁に飛ばすことで脅して追い払う効果が、県外の自治体の取り組みとして報告されているため。「鷹狩り」の要領で、駆除の効果も期待できるという。

 江戸時代の松本の城下町には鷹匠がおり、松本城北側には「鷹匠町」の旧町名もあることなどから、市耕地林務課の担当者は「城下町の松本らしい方法でもある」と期待する。

 タカによる対策は、市公設地方卸売市場で効果があれば、農村部や市街地でも実施する方針。

 担当者は「農作物への被害が少しでも減り、今後市街地などでの害鳥対策としても適用していけたら」と話している。

 (水田百合子)

 

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