長野土石流対策、住民ら学ぶ 王滝で濁沢川の治山ダム見学
二〇一四年九月の御嶽(おんたけ)山噴火で、火山灰が流れ込んだ王滝村の濁沢川で三日、木曽森林管理署(上松町)が建設している治山ダムの見学会が現地で開かれ、住民ら三十五人が参加した。 御嶽山には、今回の噴火で火山灰約二十万立方メートルが堆積しているとされる。同村内の濁沢川には新たに同管理署が治山ダム二基、県が砂防堰堤(えんてい)一基をそれぞれ増設する工事を進めている。 二基の治山ダムは幅一二六・五メートル、高さ十二メートルと幅九四・五メートル、高さ十メートル。一五年度から五年計画で建設し、事業費は計約九億円。砂防堰堤はこれらの治山ダムより下流に建設し、幅百七十九メートル、高さ九メートルを予定。現在は基礎処理工事が実施されている。 見学会では同管理署の担当者が進捗(しんちょく)状況などを説明し、県木曽建設事務所の担当者も建設を予定する砂防堰堤の規模などを紹介した。村職員の吉田夏子さん(23)は「普段は入れない場所で、土石流を止める仕組みなどが学べて良かった」と話した。 濁沢川には、一九八四年の県西部地震で大量の土砂が流れ込み、国の治山ダム百三基、県の砂防堰堤三基が設けられている。一四年の噴火では、こうした治山ダムなどが下流の集落への土石流被害を防いだとされている。 (桜井祐二) |
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