北朝鮮の6回目の核実験は水爆→地図と場所+日本の影響スピーディは?
▼最新情報が入り次第、更新をおこないます。
最終更新2017年9月4日16時15分
■スピーディによる放射能拡散予測
まず2017年9月3日に北朝鮮が実施した核実験は地下核実験と考えられています。ですから通常は大気中に放射性物質が放出されることは考えられません。しかし地下核実験なら絶対に大気中に放射性物質が放出されることはないか?と聞かれれば答えは「No!」です。
数々のミスや想定外が重なれば大気中に放射性物質が放出されることもあります。だからこそ日本はじめとする各国政府が必死に放射能の測定(モニタリング)体制を強化しているわけです。
そう前置きした上で原子力規制庁が公表したWSPEEDI-Ⅱによる放射能拡散予測の最新版(2017年9月4日午前9時~4日18時まで)を見てみましょう。WSPEEDI-Ⅱで公表されたデータの中からヨウ素131の地表面をピックアップし見やすいように私のほうでgif動画に編集しました。※7
万が一、放射性物質が放出された場合に日本のどの都道府県に飛来するのか?がわかります。しかし飛来しないとされた都道府県にお住いの皆さんも油断はせず情報収集と自衛措置を続けてください。
日本にお住いの皆さん…念のため雨に直接、当たらないで下さい。そのために傘や雨がっぱを使いましょう。外出の際はマスクするのも忘れずに。もちろん不要な外出は控え、テレビやインターネットを使って情報収集を続けて下さい。
■原子力規制庁の発表した調査結果
調査方法 | 発表日 | 調査結果 |
空間線量率 | 9月4日 | 影響○なし |
大気浮遊じん高空 | 9月4日 | 影響○なし |
大気浮遊じん地上 | 9月4日20時公表予定 | 分析中 |
降下物 | 9月5日15時公表予定 | 分析中 |
キセノン地上 | 調査未定 | 調査未定 |
2017年9月4日、原子力規制庁は47都道府県にあるモニタリングポストによる空間線量率の測定結果(2017年9月3日13時~9月4日12時)に特別な変化は見られなかったと発表しました。※7
2017年9月4日、防衛省航空機による高空の大気浮遊じん(2017年9月3日採取分)の核種分析調査結果は人工放射性核種は検出されませんでした。※7
2017年9月4日、47都道府県の地上の大気浮遊じんの採取(2017年9月3日~9月4日)を行い核種分析を実施した結果は分析中です。※7
2017年9月5日、47都道府県の降下物(降水を含む)の採取(2017年9月3日~9月5日)を行い核種分析を実施した結果は分析中です。※7
防衛省は下記の画像のように、各地の自衛隊の駐屯地からT-4中等練習機を発進させ核実験によって発生した可能性のある大気中の放射性物質の有無を測定・調査しています。
■中国の環境保護省の調査結果
北朝鮮と国境を接している中国の環境保護省によると2017年9月4日現在、黒竜江省、吉林省、遼寧省、山東省に設置されている38あるモニタリングポストの空間線量率に核実験の影響は確認されていません。※8
地図の真ん中の…やや右にある+が核実験が行われた場所…豊渓里(プンゲリ)です。
●がモニタリングポストです。
■ロシアの沿海地方気象庁の調査結果
同じく北朝鮮と国境を接しているロシアの沿海地方気象庁によると2017年9月4日現在、放射線レベルは平常通りです。※9
■北朝鮮の核実験の時系列
日本時間の2017年9月3日お昼の12時29分頃、北朝鮮の北東部にある咸鏡北道吉州郡の豊渓里(プンゲリ)を震源とするマグニチュード6.1の地震がありました。地震の深さ0キロメートルです。※1
豊渓里(プンゲリ) は、北朝鮮でただ1つの核実験場がある場所です。
この地震について日本の気象庁は、本日の2017年9月3日14時15分から記者会見をおこないました。その中で気象庁の松森敏幸地震津波監視課長は、今回の地震をこう述べています。※2
「今回の揺れの規模はマグニチュード6.1と推定しているが、これまで北朝鮮北東部で(核実験のたびに)観測された(地震の)揺れと比べて規模が大きく、誤差を考慮しても現時点では少なくとも(過去の地震の)10倍程度は大きいと考えている」 |
北朝鮮はまだ公式発表をしていませんが、もし今回の揺れが核実験であれば…北朝鮮は6回目の核実験をおこなったことになると同時に過去最大規模の核実験をおこなった可能性があります。
なお、これから北朝鮮の国営放送である朝鮮中央テレビが本日2017年9月3日15時30分から臨時ニュースとして核実験をおこなった旨を表明すると考えられます。※3
【2017年9月3日16時12分追記】
2017年9月3日15時30分、北朝鮮の国営放送である朝鮮中央テレビは6回目の核実験(水爆)を行ったことを発表しました。声明内容の抜粋は以下です。※6
「大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載するための水爆の爆発実験を行い、核物質の外部への流出もなく成功した」 |
このように北朝鮮は今回の6回目の核実験でも核物質の外部への流出もないと強調しています。しかし韓国の脱北者支援団体が地下核実験場のある豊渓里(プンゲリ)周辺からの脱北者17人から話を聞いた結果、原因不明の頭痛や視力の低下、不眠を経験していたり。他にも韓国政府の洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一部長官は2016年8月29日に「豊渓里(プンゲリ)周辺の地域住民の相当数ががんや心臓病、感覚器の異常や足の麻痺を訴えている」と語ったと韓国のKBSテレビが報道しています。※4
ですから北朝鮮がもし今回の6回目の核実験で核物質の外部への流出もないと語り…もしそれが本当だったとしても今までに散々、放射能漏れを起こしてきた可能性があるわけです。
当サイトが核実験のたびに日本周辺の放射能の測定データをまとめ続けているのも、もし放射能漏れを起こしていたとしても、放射能漏れを起こした側がその事実を素直に認めることのほうが稀だからです。そして放射能漏れが分かった時には、すでに手遅れだったりするからです、福島原発事故のときのように、です。
■地図で場所を確認
地図の真ん中の…やや右上にある×が核実験が行われた場所…豊渓里(プンゲリ)です。
■核実験当日の日本周辺の風向予報
今後の風予測(上空)も日本政府がスピーディ(SPEEDI拡散動画)を発表するまでの間の分を掲載しておきます。下記の風向予報は3時間ごとで、最初が2017年9月3日12:00つまり北朝鮮が核実験をする30分前、次が2017年9月3日15:00ですから北朝鮮が水爆実験をした2時30分後後と続いていき翌日2017年9月4日15:00で終了します。なお見やすいように私のほうでループ再生にgif動画を編集しました。※5
2017年9月3日12:00~2017年9月4日15:00
※1http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170903/k10011124401000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005
※2http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170903/k10011124591000.html?utm_int=news_contents_news-main_003
※3http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170903/k10011124651000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002
※4http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=3343392
※5https://weather.yahoo.co.jp/weather/wind/?c=g1&m=sky
※6http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=3543813
※6http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170903/k10011124861000.html?utm_int=news_contents_news-main_001
※7https://www.nsr.go.jp/activity/monitoring/monitoring5.html
※8http://www.mep.gov.cn/gkml/hbb/qt/201709/t20170904_420831.htm
※9http://www.primgidromet.ru/news/radiacionnaya_obstanovka_v_primore_ostaetsya_stabilnoj/
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