>  >  > 公衆風呂として存在していた“のぞき小屋”

kishu08314_01.jpg
画像は「pixabay」より引用

「一応はね、“見せる側”の方はね、表向きは“風呂”ということになってるのよね。実際に風呂桶なんかもあるし、村の人間以外には、あくまで“共同風呂の一部”ということにしていたから。だから“見る側”さえいなければ、ただの入浴っていうわけ。けれどもそれはあくまで建前でね。みんなそういうことを目的として、利用していたっていうわけよ」

 小野木さんの話によると、この地域では古くから小さな温泉場が多い土地柄ということもあって、どの集落にも地域の住民を対象とした小規模な共同浴場があったそうで、言わば、その一部が、“のぞき小屋”に転用されたということのようだ。現在も同地域では、小さな共同浴場が数多く確認できるだけに、もしかするとそうした風呂の中には、小野木さんのいう“のぞき小屋”の機能を果たしているものが、今なお、含まれているのかもしれない。
(取材・文/戸叶和男

●戸叶和男の記事一覧はコチラ

今、あなたにオススメ
Recommended by

関連キーワード

コメントする

お名前
コメント
画像認証
※名前は空欄でもコメントできます。
※誹謗中傷、プライバシー侵害などの違法性の高いコメントは予告なしに削除・非表示にする場合がございます。