今年2月、埼玉県三芳町にあるアスクルの巨大物流倉庫で火災が発生、鎮火まで12日を要した。大規模化が進むネット通販の物流センター。新たな課題を露呈し、国は基準の見直しを進める。対策の陣頭指揮を執った岩田社長が火災後、初のロングインタビューに応じ、覚悟を語った。
(日経ビジネス2017年6月26日号より転載)
今年2月、埼玉県三芳町にある当社の物流倉庫「アスクルロジパーク首都圏」で大規模な火災がありました。火災の発生から鎮圧まで6日、完全な鎮火まで12日もかかってしまったことで、近隣地域や社会に対して大変なご心配をおかけし、本当に申し訳なかったと思っております。
また、個人向けのネット通販事業「ロハコ」の62%の出荷を担っていた主力の物流センターが突然、止まってしまったということで、特に個人のお客様、そして取引先をはじめとするあらゆるステークホルダーの皆さまにもご心配とご迷惑をおかけしました。改めて、おわびを申し上げます。
2月16日の午前9時過ぎに火災が発生したとの現場からの第一報を聞き、すぐに事態の重さを認識しました。現地に取締役を派遣するとともに、社員を集め、「想定外のことが起きて非常に驚いているけれど、我々は周辺の住民の方々にとっては加害者なんだ。火災の被害者だと思ってはいけない」というようなことを話しました。
それから対策本部を作り、本社のBCP(事業継続計画)チームと現地の対策チームの2つに分けて動きました。