ハリルジャパン、シンガポール戦△が“良薬”管理から脱却
<W杯アジア2次予選 日本・シンガポール>スコアレスドローに終わり、ガックリと肩を落とす日本代表・FW本田圭佑 Photo By スポニチ |
【ハリルJアジア戦記】ハリルホジッチ監督の徹底管理方針に不満を持つイレブンの心境とは裏腹に、親善試合では結果が出た。15年3月27日のチュニジア戦に2―0、同31日のウズベキスタン戦に5―1、同6月11日のイラク戦に4―0とチーム発足から3連勝。決闘を意味する「デュエル」をキーワードに縦に速い攻撃を仕掛ける視界は良好とみられたが、全勝で迎えた国際Aマッチ4戦目、同6月16日のW杯アジア2次予選初戦シンガポール戦に落とし穴が待っていた。
23本のシュートを浴びせながら0―0で引き分け。世界ランク150位以下のチームに初めて勝利を逃す失態だった。痛恨のドローをきっかけに、選手の中でくすぶっていたハリルホジッチ監督への不満がついに表面化した。
ここで動いたのが主将の長谷部だった。15年11月のシンガポール、カンボジア遠征では選手の意見を吸い上げて指揮官と会談。ミーティング回数を減らすことや、フリー時間を設けること、食事時間の変更などを直談判した。
ハリルホジッチ監督は過去に率いたコートジボワールやアルジェリアと比べて日本には勤勉な選手が多いことを理解し始めていたため、徹底管理の方針から柔軟なスタイルにシフト。上から目線の指導をやめて選手からの要望を聞き入れた。長谷部は「監督は“何でも言ってきてくれ”と言ってくれた」と説明。格下相手のドロー発進が“良薬”となり、2次予選を7勝1分け(27得点無失点)で危なげなく突破した。
就任1年目は欧州組を招集できなかった東アジア杯を除けば、8勝2分けと無敗。だが、チームが軌道に乗り始めた直後、指揮官にさらなる試練が待ち受けていた。(特別取材班)
[ 2017年9月3日 10:15 ]
- Webtools & Bookmarks