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Chikirinの日記 RSSフィード

2017-09-03 ヴェネチアの勧めAdd Star

社会派ブロガーであると同時に、旅行家でもある私 “ちきりん”、今年の夏休みはヴェネツィアで美術館巡りを楽しみました。

ご存じの方も多いでしょうが、ヴェネツィアは“ものすごく特別な街”です。


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(上記は後述プンタデラドガーナの窓より)

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7世紀から 1000年に渡って栄えた海洋王国(ヴェネツィア共和国)の壮麗なバロック様式の建物がきれいに残っていること、大小の運河が街の交通の大動脈として今でも機能していることなど、その景観はパリともローマとも、もちろん、ニューヨークやロンドンとも大きく異なります。


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ヴェネツィアで一番有名なのはご存じ(下記の)サンマルコ広場。周囲にはサンマルコ寺院やドゥカーレ宮殿など見所が集まっています。

また、絵画鑑賞なら一番有名なのはアカデミアという美術館なので、「ベネチアに1日だけ滞在するツアー」の場合、たいていその 2ヵ所+お土産屋めぐりが定番コースとなります。


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んが、私の場合ヴェネツィアは 4度目ということもあり、今回は他の美術館をあれこれ観て回りました。

サンマルコ広場周辺に比べるとどこもガラ空きなのに、内容的には寧ろ輪を掛けて素晴らしく充実しており大感動。ひとつずつ紹介すると・・・


スクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコ

集会場として作られた巨大なホールが二階にあるんですけど・・・ここだけは皆(絵が嫌いとかわからんとか、そういう人も含め)とりあえずベネチアを訪れた人は全員、観に行ったほうがいいです。

飾ってある絵もすごいらしいけど、そんなことより天井や壁の装飾が凄すぎます。

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鏡板が借りられるので、それを持って天井を映して鑑賞しましょう。奥にある礼拝堂もすんごいよ。もはや私の文章力ではそのスゴさはとても表現できません・・・。


カ・レッツォーニコ

バロック様式の建物で、内部はヴェネツィア博物館になってます。

当時の貴族の館の内部や生活様式が、家具や調度品からよくわかります。特に上階にある薬局は薬の入れ物や道具が完璧に残っていてすばらしい。当時のヴェネツィア貴族の豊かさに驚愕させられます。

下記はここの一階にあるカフェからの眺め。たまに生演奏もしてて感動的。


プンタ・デラ・ドガーナ

ちきりん超お気に入りの現代美術館がこちら。二度目の訪問です。

元々の建物はヴェネツィア共和国時代の「海の税関」で、埠頭の突端に位置しているため、窓からも絶景が楽しめます。(写真中心の平べったい建物です)

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内部では常に異なる企画展をやっているので、何度でも訪問したくなります。今回の展示は、オブジェを海に沈め、珊瑚を繁殖させて引き上げたもの。すごい迫力でした。。


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上記は二階まで届く大きさ。下は等身大くらい。

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こちらは作成過程の写真。いったい何年掛けて作ったんでしょう??

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また、建物は日本が誇るコンクリートの魔術師(?)、安藤忠雄氏の設計で、中世のヴェネツィアの建物と近代コンクリート、そして、現代アートの組み合わせが感動的に上手く調和しています。

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現代アートと建築に興味のある人には感動モノの美術館かと。


グッゲンハイム美術館

アメリカの富豪で現代アートのコレクターだったペギー・グッゲンハイムの元住居を、その絵画コレクションを展示する美術館として使っています。

当時の部屋の様子の写真、そこに映っている家具の展示をみると、「アートをまとって暮らすワールドクラスの富豪の生活」が垣間見れます。

建物も、運河に面した入口とバルコニーからの景色が本当に素敵で、「富豪ってマジ羨ましい!!!」と嘆息

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庭にあるこの文章も大好き。なお展示品はほとんど変わらないみたいです。

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※言葉の意味は??と思われた方は 6年前のこちらのブログをどうぞ


カ・ドーロ

カ・ドーロは黄金宮殿という意味で、昔はファサード(建物の前面デザイン)が金で装飾されてたらしい。

内部のフランケッティ美術館は企画展をよくやっていて、今回は中東由来のアンティーク・カーペットの展覧会でした。

その作品レベルも非常に高くて堪能しましたが、ここの見所は建物のバルコニーです。

一階には優美なホールと大運河に面した船着き場付きのバルコニー、二階と三階のバルコニーも広くてガラスや窓の造作、それらを通して見える運河の街並みと陽差しは息を呑む美しさ!


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(上 一階の大運河に面した入口。当時の住人(貴族?)は船でここから出入りしたのでしょう)


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(二階や三階のバルコニーはこんな感じ)


カ・ペーザロ

バロック様式の建物の内部は現代美術館、および、東洋美術館として使われています。特に観て欲しいのは上階にある東洋美術のコレクション。

日本でもなかなか観られないほどの武具のコレクションが見事で、あの時代にこれだけのものを蒐集してたなんて、どんだけすごかったんだヴェネツィアのお金持ち! って感じです。

てか、こんなもんまで運んで来てるんだよ。日本でも観たことないだよ、こんなきれいな籠!!

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クエリーニ・スタンバリア絵画館

こちらも昔の名画に現代美術を組み合わせて展示していました。ヴェネツィアの美術館はどこも「中世と現代アートを組み合わせて魅せる」のが本当に上手い。


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中世の建物&調度品と現代アートのコンビネーションには独特の雰囲気があります。なお当サイトの写真はすべて撮影が認められた場所での“ちきりん”撮影です


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当時の内部の様子がよくわかる部屋も多数


昔のヴェネツィアの様子を書いた絵画が壁いっぱいに飾ってある部屋があり、今と当時の街の比較ができます。こういうの観ると、何気ない風景を記録しておくって大事だなとわかります。

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上記以外にも、通りすがりに見つけた現代美術の展覧会もいくつか楽しみました。無料でこんなの観られていいの!って感じです。


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(上下は異なる展示会場です)

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また、街には(お金持ち向けの?)ハイセンスなショップがたくさん。下記は照明器具のお店。どんな部屋に使うんだろー!

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以上、定番のサンマルコ広場周辺とアカデミアを除いてもこれだけ素晴らしい美術館があり、もちろん、これ以外にもまだまだ見所の集まったヴェネツィアという都市。

アート好きな人なら 10日くらい滞在してもまったく飽きないと思います。めっちゃロマンティックな街なので、新婚旅行にヴェネツィアのみ長期滞在ってのもおしゃれです。


それと今回思ったのは、「ヴェネツィアって初めて一人旅をしたい若者にも向いた都市だよね」ってこと。

治安もいいし、街がコンパクトなので、公共交通機関(水上ボート)を利用してひとりで回るのも簡単です。他の芸術の都、ローマ、パリやウィーンより動きやすいんじゃないかな。

現地の人はもちろんイタリア語ですが、観光地なので英語もかなり通じます。

ご飯も美味しいし、ひとり旅に便利なファストフード(ピザとか、テイクアウトのパスタ、サンドイッチなど)も豊富。

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生ハムはどこでも“てんこ盛り”で出てきます・・・

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ジェラートがめちゃ旨!

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日本食レストランのメニュー。どこが日本食やねんの?


8月や芸術祭などイベント開催時はホテルも埋まるし高騰しますが、ハイシーズンを外せばホテルも東京並じゃないかな。

ちなみに私が初めてヴェネツィアを訪れたのは学生時代。ひとり夜行列車でサンタルチア駅に早朝到着をした後、

眠い目を擦りながら駅から一歩外に出た瞬間、目に飛び込んできた運河と中世の街並みには大驚愕。感動で立ちすくんでしまったことを今でもよく覚えています。

これは今回の写真ですが、駅前はこんな感じ。おどろくでしょ。駅を出てすぐこんなんだと・・・

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こちらは当時の私( 20歳くらい)。左に映ってる赤いボストンバッグひとつで一ヶ月くらい旅行してました。

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エレベーターの無い中世の貴族の館では、最上階に使用人が使っていた小部屋(いわゆる屋根裏部屋)があります。

そこに宿泊したので部屋自体は 2畳ほど。でも、外に向けて 3畳ほどのベランダ(てか物干し場)のついた素敵なお部屋でした。

当時はネットもないので事前予約もなく飛び込みで部屋を探し、値段を交渉して借りてます。

ホテル代は今回泊まったホテルの 10分の 1くらいだと記憶してるけど、ヴェネツィアという街の特別さに大興奮したあのワクワク感はまったく変わりません。

若い方で「一人旅してみたいな」と思ってる方、特にアートが大好きな方にはヴェネツィア超お勧めです!


おまけ)ギリシャのコルフ島にある東洋美術館も浮世絵のコレクションが素晴らしかった。

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海外の浮世絵といえばボストン美術館が有名ですが、それにも引けを取らないレベルでした。もしクルーズなどで立ち寄る機会があれば、ぜひ覗いてみてください。


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そんじゃーね


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