中国国内版FGOはついに第六章が実装されたようですが、インターフェースの完全中国語化やバグ祭りになって炎上中だそうです。少し前の規制への同情からまた運営叩きな空気になっているとかなんとか。
それから質問をいただいている第六章の難敵ガウェイン(中国語表記は「高文」)についてですが、現時点の反応を見る限り、難しいとはされているもののそこまで厳しい敵だとは認識されていないようです。
これについては中国では第六章実装前に規制対応のために実質1週間の育成期間が入った上に、日本版での攻略情報が出回っていたので十分な対策を練っていたユーザーも多かったからでは……という話も。
そう言えば羅生門イベントでも日本実装時と比べて難度への反発は少なかったような。
それはそうと前回の
Fateと中国の相性の悪さ 中華系サーヴァントを今のFateに出すと炎上する理由
の続きになります。
炎上続きな最近はともかくFateに出ていた中華系サーヴァントはこれまであまり問題になっていなかったわけですが、その辺りの事情に関するイイカゲンな解釈を紹介させていただきます。
これまでの主なFateの中華系サーヴァント(候補も)とそれに対する中国の反応は以下のような感じでしょうか。
・李書文:日本と違って中国では知名度が低い。李書文は武侠枠ではないので超人のイメージも無く、武術ネタは中国のオタク層にとっては遠いものだった
・呂布:三国志枠ではあるものの、中国では呂布の扱いが日本と比べると軽く人気もそれ程では無いことからそれほど話題にはならなかった
・荊軻:女性化ではあるが、始皇帝の解釈と関係しなければそこまで問題にならなかった。もっとも最近の中国の「王者栄耀」叩きの苛烈さを見ると、若い世代以外には受け入れられないレベルな模様
・諸葛孔明:Zeroの人気キャラであるウェイバーとの合体キャラである上にゲーム内最強クラスの性能なのもあってか、ツッコミ所はあれど不満爆発という程ではない
・三蔵:女性化は日本の他の作品でも行われているのでFateからの話ではない。また西遊記は中国でも比較的翻案が活発な、「比較的自由度の高い」古典といった事情もあってか、不満は出ているものの炎上したわけではない
・哪吒:顔見せだけなので現時点では不明
・燕青:実装後の日本での話題が少なかったのもあってか、中国の方でもあまり話題にならずに存在感が薄れていくことに。キャラはあまり知られていないものの、キャラクターデザインは「イメージ通り」と評判は非常に良好
・始皇帝:地雷を踏み抜いて中国オタク史に残るレベルの大爆発炎上に。現在もその影響は続いている
・武則天:歴史枠での知名度の高さに加えて始皇帝からの延焼もあっての炎上に。ただ実装後は中国における扱いの相対的な軽さからやや鎮静化?
ここ1年程に関しては地雷を踏み抜いたケースが目に付きますが、実はそれ以前に関してはかなり上手く問題を回避していたようにも感じられます。
特に興味深いのが、
「比較的長い間Fateにおける中華系サーヴァントで目に付く、代表的な扱いになっていたのが李書文」
という点でしょうか。これは結果的に非常に上手いやり方になったようにも思えます。
前の記事にも書いた通り、現在の中国で歴史文化枠に入る中国の歴史上の有名な人物、伝説上の存在に関しては現在の中国社会における政治的、社会的な扱いや評価がガッチリと固まっています。
そんな訳で中華系サーヴァントに関しては
「現在の中国でマイナーな、中国でもイメージや『正しい歴史的な評価』が確定していない存在を持ってくる」
のが数少ない「中華系サーヴァントを出す安全なやり方」なのではないかと思われます
そして以前の記事でも書いた通り李書文に関しては当時の中国オタクにとっても
「誰だそれ」
というレベルだったそうですし、武術関係の描写や解釈メインでやっていく場合であればかなり自由な解釈が可能だと思われます。
中国オタク「Fateの李書文って強いの?」
それに加えてこれまで中華系のサーヴァントは「中国で注目されるアニメ媒体の作品で」メインになることはありませんでした。
(PSPのextraをきっちりとやり込んで理解するような人は少数派でした)
そして中国の一般寄りの所にも広まっているFGOも序盤のメインストーリーに出た荊軻と呂布は扱い的にそこまで目立たず、メインストーリーで存在感のある活躍をする、他のサーヴァントとのハッキリとした戦闘や強さの比較が発生した最初の中華系のサーヴァントが中国ではかなりマイナーな李書文だったわけで……
以上のような流れを振り返ってみると、実の所Fateの中華系サーヴァントはこれまでかなり上手く地雷を避けていたようにも見えますね。
現在の中国におけるFateの人気や話題性の高さは、ネット上などで簡単に情報が拡散して火種になり易い状況とも言えます。ネットで知識の補充や、炎上の燃料補給、悪意のある見方の拡散も容易になっているわけですから。
それに加えて政治的な解釈や社会的な許容のラインも常に変化しているので、現在中国で流通している他の「Fateより注目されていない作品」や、過去に中国で広まり人気になった歴史ネタのある作品が判断基準として使えないのがなんともかんとも。
これまでFateの中華系サーヴァントが炎上しなかったことに関しては、取り上げたキャラがマイナーだったことに加えてファン以外からはあまり注目されていなかった、見逃されていたといったような所もありますが、現在の人気や作品展開ではもうそのようなことは期待できません。
そんな中で中国の感覚による反発を招き易い
「Fate的な自己流の解釈の中華系サーヴァント」
を出すというのはどうにも厳しいものがあります。
それにしても、中国でFateが大人気になり、更に中国にFateが正規に進出したことにより、中華系サーヴァントを中国で受け入れられるように出すのが非常に難しくなってしまったということに関してはイロイロと皮肉なものを感じてしまいますね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
それから質問をいただいている第六章の難敵ガウェイン(中国語表記は「高文」)についてですが、現時点の反応を見る限り、難しいとはされているもののそこまで厳しい敵だとは認識されていないようです。
これについては中国では第六章実装前に規制対応のために実質1週間の育成期間が入った上に、日本版での攻略情報が出回っていたので十分な対策を練っていたユーザーも多かったからでは……という話も。
そう言えば羅生門イベントでも日本実装時と比べて難度への反発は少なかったような。
それはそうと前回の
Fateと中国の相性の悪さ 中華系サーヴァントを今のFateに出すと炎上する理由
の続きになります。
炎上続きな最近はともかくFateに出ていた中華系サーヴァントはこれまであまり問題になっていなかったわけですが、その辺りの事情に関するイイカゲンな解釈を紹介させていただきます。
これまでの主なFateの中華系サーヴァント(候補も)とそれに対する中国の反応は以下のような感じでしょうか。
・李書文:日本と違って中国では知名度が低い。李書文は武侠枠ではないので超人のイメージも無く、武術ネタは中国のオタク層にとっては遠いものだった
・呂布:三国志枠ではあるものの、中国では呂布の扱いが日本と比べると軽く人気もそれ程では無いことからそれほど話題にはならなかった
・荊軻:女性化ではあるが、始皇帝の解釈と関係しなければそこまで問題にならなかった。もっとも最近の中国の「王者栄耀」叩きの苛烈さを見ると、若い世代以外には受け入れられないレベルな模様
・諸葛孔明:Zeroの人気キャラであるウェイバーとの合体キャラである上にゲーム内最強クラスの性能なのもあってか、ツッコミ所はあれど不満爆発という程ではない
・三蔵:女性化は日本の他の作品でも行われているのでFateからの話ではない。また西遊記は中国でも比較的翻案が活発な、「比較的自由度の高い」古典といった事情もあってか、不満は出ているものの炎上したわけではない
・哪吒:顔見せだけなので現時点では不明
・燕青:実装後の日本での話題が少なかったのもあってか、中国の方でもあまり話題にならずに存在感が薄れていくことに。キャラはあまり知られていないものの、キャラクターデザインは「イメージ通り」と評判は非常に良好
・始皇帝:地雷を踏み抜いて中国オタク史に残るレベルの大爆発炎上に。現在もその影響は続いている
・武則天:歴史枠での知名度の高さに加えて始皇帝からの延焼もあっての炎上に。ただ実装後は中国における扱いの相対的な軽さからやや鎮静化?
ここ1年程に関しては地雷を踏み抜いたケースが目に付きますが、実はそれ以前に関してはかなり上手く問題を回避していたようにも感じられます。
特に興味深いのが、
「比較的長い間Fateにおける中華系サーヴァントで目に付く、代表的な扱いになっていたのが李書文」
という点でしょうか。これは結果的に非常に上手いやり方になったようにも思えます。
前の記事にも書いた通り、現在の中国で歴史文化枠に入る中国の歴史上の有名な人物、伝説上の存在に関しては現在の中国社会における政治的、社会的な扱いや評価がガッチリと固まっています。
そんな訳で中華系サーヴァントに関しては
「現在の中国でマイナーな、中国でもイメージや『正しい歴史的な評価』が確定していない存在を持ってくる」
のが数少ない「中華系サーヴァントを出す安全なやり方」なのではないかと思われます
そして以前の記事でも書いた通り李書文に関しては当時の中国オタクにとっても
「誰だそれ」
というレベルだったそうですし、武術関係の描写や解釈メインでやっていく場合であればかなり自由な解釈が可能だと思われます。
中国オタク「Fateの李書文って強いの?」
それに加えてこれまで中華系のサーヴァントは「中国で注目されるアニメ媒体の作品で」メインになることはありませんでした。
(PSPのextraをきっちりとやり込んで理解するような人は少数派でした)
そして中国の一般寄りの所にも広まっているFGOも序盤のメインストーリーに出た荊軻と呂布は扱い的にそこまで目立たず、メインストーリーで存在感のある活躍をする、他のサーヴァントとのハッキリとした戦闘や強さの比較が発生した最初の中華系のサーヴァントが中国ではかなりマイナーな李書文だったわけで……
以上のような流れを振り返ってみると、実の所Fateの中華系サーヴァントはこれまでかなり上手く地雷を避けていたようにも見えますね。
現在の中国におけるFateの人気や話題性の高さは、ネット上などで簡単に情報が拡散して火種になり易い状況とも言えます。ネットで知識の補充や、炎上の燃料補給、悪意のある見方の拡散も容易になっているわけですから。
それに加えて政治的な解釈や社会的な許容のラインも常に変化しているので、現在中国で流通している他の「Fateより注目されていない作品」や、過去に中国で広まり人気になった歴史ネタのある作品が判断基準として使えないのがなんともかんとも。
これまでFateの中華系サーヴァントが炎上しなかったことに関しては、取り上げたキャラがマイナーだったことに加えてファン以外からはあまり注目されていなかった、見逃されていたといったような所もありますが、現在の人気や作品展開ではもうそのようなことは期待できません。
そんな中で中国の感覚による反発を招き易い
「Fate的な自己流の解釈の中華系サーヴァント」
を出すというのはどうにも厳しいものがあります。
それにしても、中国でFateが大人気になり、更に中国にFateが正規に進出したことにより、中華系サーヴァントを中国で受け入れられるように出すのが非常に難しくなってしまったということに関してはイロイロと皮肉なものを感じてしまいますね。
とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
それはさておき、一度炎上するとそれまでスルーされてたのにまで粘着するのが出てくるのはいずこも同じか……