2010年に大阪府能勢町の今養寺(こんようじ)から盗まれた国の重要文化財の仏像「木造大日如来坐像(ざぞう)」(高さ117センチ)を売却しようとしたとして、府警は31日、岡山市北区今2丁目、無職宮田宗哲容疑者(68)ら男2人を盗品等処分あっせんなどの容疑で逮捕したと発表した。「盗品というはっきりとした認識はなかった」と供述しているという。

 能勢町教育委員会によると、この仏像は平安後期に造られたとされる。1956年に国重文に指定され、10年3月に寺の収蔵庫から盗み出されていた。捜査3課と豊能署によると、宮田容疑者は6月9日午後0時50分ごろ、仏像が盗品であることを知りながら、京都市内のホテルで70代の男性に買い手を探すよう依頼した疑いがある。宮田容疑者は「借金のカタに友人からもらった」と話しており、府警は入手経緯を調べる。

 府警は8月30日、関係先のアパートで毛布にくるまれた仏像を発見し、押収した。

 寺の檀家(だんか)総代の男性(65)は「地元住民で大切にしてきた仏像で、見つかってよかった」と話した。