「不動産テック業界 カオスマップ 最新版」「不動産テック業界 資本金グラフ」公表 | Limar Estate
日本において「ビッグデータでAIで機械学習でマーケティングのブランディングでディープラーニングのリードナーチャリングだ!」でごまかせる業界はもう不動産しかないのか、今年に入ってから「不動産テックでデータ可視化で物件価値の向上でウッハウハですよ!」な会社から融資をお願いされることが増えました。
しかし、残念ながら今のところ投資に値する会社はありません。というか適当すぎてやばい。話聞いてる途中で「え、え、ちょっと待って、それテクノロジーって言えるの?」と遮りたくなるレベルの会社だらけでびびります。
不動産テックはアメリカの話を聞いていると面白いんですが、日本の不動産テックはがっかりを通り越してテック名乗るな馬鹿野郎と言いたくなることばかりです。
他社サイトからスクレイピングしすぎ
融資を断る理由で一番多いのが「お前ら他社に依存しすぎだろ、というか迷惑かけすぎだろボケが」なビジネスモデルになっていることです。
「この物件が将来どれくらいの家賃になるか、競合物件はどれくらいあるのかを何百万件もあるビッグデータから人工知能がはじき出して…」みたいな話をされた時に「ちょっと待てそのデータどっから持ってきた」と聞くと、みんな悪びれることなく「LIFULL HOME'SやSUUMOとかの賃貸情報サイトからスクレイピングしてきている」と答えるんですよ。
てことは賃貸情報サイトがクローラー対策したら会社潰れるじゃねえかというわけで、融資なんてとてもできなくなるのです。てかどんだけ迷惑かけてんだお前ら。賃貸情報は何百万件もあるんだから、AWSでサーバ立てまくって全部クロール…みたいなことしたら普通に損害賠償請求レベルの転送量になるぞ。そんなことするんだったら提携申し込んで生データもらってこいよ。門前払いだろうけどさ。
会社に不動産のシロウトしかいない
あと多いのが、「不動産テックです!」と言いながら不動産取引したことないシロウトばかりの会社。たまに宅建レベルの知識すらない方もいまして、顎が外れそうになります。
なんと例えればいいのかわかりませんが、サッカーのルールを何も知らない人がデータだけ適当にいじって「こういう戦術だと絶対勝てます!なんで世界中の監督がこの戦術を取らないのか意味がわからない!!」と戦略を提案してきたので見てみたら「これ全部オフサイドやんけ」というオチだった。みたいな話を聞かされるわけです。
自分は一棟マンションをいくつか買ったことがあるのでわかるのですが、不動産取引の手続きは結構複雑です。なので付け焼き刃の知識だとどこに時間がかかって、どこをネットの力で短縮できるかを正確に把握できません。不動産テックな会社は知識はおろか取引の経験がない人が中心になっていることが多いので、プロから見ると「こんなんいらんわ」なプロダクトを作ってしまい、営業をかけてみたらボコボコにされて1つも契約が取れないままどうしような状態に陥ることが多いようです。
日本の不動産テックは期待できるレベルにない
不動産テックは可能性は感じているのですが、今のところ「これいけるんちゃうか」と感じられるレベルの会社、サービスがありません。ちょっとでも可能性がある会社があればガッと投資したいなと考えているのですが、どの会社もスクレイピングに頼りすぎでがっかりしています。
いま不動産テック関連で投資するとしたら、生データを大量に保有しているLIFULLやリクルート、そして最近不動産に本腰入れているリブセンス辺りでしょうか。でもこの3社はもう上場しているし、不動産テックに本腰入れると価値の低い不動産が可視化されることで不動産業者からの反発を食らって利益が減りそうなので悩ましいところです。
しばらくは静観ですね。いい会社あったら教えてください。