国際園芸博覧会招致検討委員会
交通・輸送課題など議論
基本構想案策定に向け
国際園芸博覧会招致検討委員会
基本構想案策定に向け
旧上瀬谷通信施設跡地を利用した国際園芸博覧会の招致に向け、有識者らによる第3回検討委員会が8月24日に横浜市庁舎で開かれ、基本構想案に盛り込む会場構成や事業計画が話し合われた。現段階で1000〜1500万人を想定する来場者のアクセスについては、駅利用者をスムーズに会場に導くための輸送手段などが議論された。
旧上瀬谷通信施設は瀬谷区北部と旭区にまたがり、広さは約242ヘクタール。国有地(約45%)と、大部分が農地である民有地(同)が混在している。市では国有地を中心として、2026年の国際園芸博覧会の開催を目指しており、そのための招致検討委員会が6月から行われている。
駅からのアクセスに課題
24日の委員会で、委員から意見や要望が相次いだのが交通に関する課題だ。旧上瀬谷通信施設の北側には八王子街道が通り、敷地内には南北に環状4号線が伸びている。また、近くに保土ケ谷バイパス上川井ICと東名高速道路の横浜町田ICがあるため、周辺が混雑しやすい状況になっており、開催時には更なる渋滞が予想されるという。
その一方で公共交通機関については、最寄りの相鉄線瀬谷駅から2Kmほど離れており、敷地内にアクセスするバス路線も無い状況。1990年の大阪花博では来場者の約35%が軌道系交通(鉄道輪式リニアモーターミニ地下鉄)を利用したという事例もあり、市では輸送計画の方向性として、駅利用者のスムーズな輸送手段やマイカー抑制などを検討するとしている。
委員からも、駅からのスムーズなアクセスを求める声や、駐車場の収容台数を懸念する意見があった。また、現在でも周辺道路が渋滞しやすい状況を踏まえて、花博開催を契機とした道路整備の必要性なども挙がっていた。
会場構成案も
この日の委員会では、会場構成案として、国有地全体を会場として北側にメインゲートを設ける案【1】(広さ約100ヘクタール)と、海軍広場をメインゲートとして北側国有地を駐車場として利用する案【2】(広さ約80ヘクタール)が示された。
市では今後、素案をまとめて市民の意見を募る。2017年度中に基本構想案を固めた後に、国に招致を働きかける予定。開催は、認証機関の国際園芸家協会や博覧会国際事務局が決める。検討委員会は9月にも予定されており、開催理念やテーマのほか、会場や行催自計画など具体的な内容を話し合う見通しだ。